土壌汚染対策の原位置封じ込めについて

解体工事には騒音や振動が発生します。そのため、事前に解体工事について近隣へ周知や各自治体によって定められた規定に従う必要があります。今回は、解体工事の事前周知についてご紹介します。

解体工事の事前周知とは

解体工事は、建物や構造物を取り壊す過程であり、大規模な騒音、振動、粉塵の発生が伴うことが多いため、近隣住民に大きな影響を与える可能性があります。こうした影響を最小限に抑え、解体工事がスムーズに進行するようにするためには、解体工事の事前周知が極めて重要になります。

解体工事の事前周知は、各自治体によって定められた規定に従う必要があります。各自治体によって異なりますが、大体が、解体工事を行う前に、工事概要や石綿(アスベスト)使用有無などを記載した標識を設置し、工事開始前に近隣住民へ説明することが義務付けられています。説明内容には、工期、作業期間、騒音・振動対策、石綿(アスベスト)の除去方法などが含まれます。

対象となる解体工事は、

・床面積の合計が80㎡以上の建築物の全部又は一部を取り壊す解体工事

です。他にも、

・大気汚染防止法及に基づく届出が必要なアスベスト除去等工事

など規定されている自治体があります。解体工事を行う際は、各自治体ごとに確認が必要です。

解体業者の法的要件と責任

解体工事に関しては、騒音規制法や建設リサイクル法など、さまざまな法律が適用されます。これらの法律は、工事を実施する際に事前に関係者に対して適切な通知を行うことを義務付けられています。特に騒音規制法に基づく「特定建設作業」に該当する場合、一定の手続きを経て事前に周辺住民に通知する必要があります。これに違反した場合、罰則が科せられることもあるため、法的要件を遵守することは解体業者にとって必須の責任です。

特定建設作業の種類について

騒音規制法・振動規制法は特定建設作業に対して一定の制限がかけられています。特定建設作業とは、建設工事として行われる作業のうち著しい振動又は騒音を発生する作業であって政令で定められているものです。特定建設作業を行う場合には当該作業の開始日の7日前までに各市町村に届出が必要となります。

 騒音に係る特定建設作業の種類は、

①くい打機(もんけんを除く。)、くい打機又はくい打くい抜機(圧入式くい打くい抜機を除く。)を使用する作業(くい打機をアースオーガーと併用する作業を除く。)

②びょう打機を使用する作業

③さく岩機を使用する作業

④空気圧縮機(電動機以外の原動機を用いるものであって、その原動機の定格出力が15キロワット以上のものに限る。)を使用する作業(さく岩機の動力として使用する作業は除く。)

⑤コンクリートプラント(混練機の混練容量が0.45㎥以上のものに限る。)又はアスファルトプラント(混練機の混練重量が200キログラム以上のものに限る。)を設けて行う作業(モルタルを製造するためにコンクリートプラントを設けて行う作業を除く。)

⑥バックホウ(原動機の定格出力が80キロワット以上のものに限る。)を使用する作業

⑦トラクターショベル(原動機の定格出力が40キロワット上のものに限る。)を使用する作業

⑧ブルドーザー(原動機の定格出力が40キロワット以上のものに限る。)を使用する作業

振動に係る特定建設作業の種類は、

①くい打機(もんけん及び圧入式くい打機を除く。)、くい打機(油圧式くい打機を除く。)又はくい打くい抜機(圧入式くい打くい抜機を除く。)を使用する作業

②銅球を使用して建設物その他の工作物を破壊する作業

③舗装版破砕機を使用する作業

④ブレーカー(手持式のものを除く。)を使用する作業 

これらの機械を使用する作業が特定建設作業と定められており、騒音規制法や振動規制法の対象となっています。

近隣住民に配慮しながら工事する必要があります。

解体工事の事前周知の重要性

解体工事の事前周知を行うことで、近隣住民の理解と協力を得ることができます。これにより、トラブルの発生を防ぎ、工事の進行がスムーズに行われるだけでなく、地域社会との信頼関係を築くこともできます。逆に、事前周知が不十分な場合は、クレームや抗議、さらには工事の中断などのリスクが高まります。

解体工事の事前周知には、工事の概要や日程、影響が予測される範囲、対策方法など、具体的かつ詳細な情報を含める必要があります。また、周知の手段としては、書面での通知、掲示板の設置、説明会の開催などが考えられます。これらの手段を組み合わせることで、より多くの人々に情報を確実に伝達することができます。

解体工事の事前周知においては、単に情報を一方的に伝えるだけでなく、周辺住民との対話も重要です。説明会や個別相談の場を設けることで、住民からの質問や懸念に対応し、誤解や不安を解消することができます。また、近隣住民からの意見を工事計画に反映させることで、より良い工事環境を整えることができます。

近隣住民への影響と対策

近隣住民への解体工事の影響は多岐に渡りますが、主に懸念されるのは、①騒音・振動、②石綿(アスベスト)、③安全対策、が挙げられます。下記でこれらの影響と対策についてみていきましょう。

①騒音・振動

解体工事に伴う騒音や振動は、近隣住民の日常生活に大きな影響を及ぼす可能性があります。特に、高齢者や小さな子どもがいる家庭では、健康被害のリスクが高まります。対策としては、作業時間を厳守し、解体工事期間を早朝や夜間を避けることが重要です。また、防音シートの設置や、低騒音・低振動の機器を使用することで、影響を最小限に抑える努力が求められます。

②石綿(アスベスト)

石綿(アスベスト)は発がん性があり、解体工事で飛散すると健康被害を引き起こすリスクがあります。対策として、石綿(アスベスト)が含まれている建材の有無を事前に調査し、適切な除去方法を選択することが必要です。除去作業は、専門の業者によって行われ、防塵対策を徹底することが求められます。

③安全対策

解体工事における安全対策は、作業員のみならず、近隣住民の安全を確保するためにも不可欠です。特に、解体工事現場周辺での事故や瓦礫の悲惨、倒壊の危険性など、近隣住民にとって大きなリスクとなり得ます。対策としては、解体工事エリアの明確な区画分けやバリケードの設置、警備員の配置を行い、近隣住民が不用意に解体工事区域に立ち入らないようにすることが重要です。また、緊急時の対応策を事前に周知し、避難経路の確認などを行うことで、万が一の事態に備えることが求められます。

今後の課題と改善策

解体工事の事前周知において、今後の課題としては、より効果的なコミュニケーション方法の確立や、デジタルツールの活用が挙げられます。特に、インターネットを活用することで、より多くの人々に迅速かつ効果的に情報を伝達することが可能です。また、近隣住民との対話を重視し、双方向のコミュニケーションを促進させるための取り組みも重要です。

解体工事は一度始まると、長期間にわたって行われることが多いです。そのため、事前周知だけでなく、解体工事期間中の継続的な情報提供と近隣住民との対話が求められます。定期的に進捗報告や状況説明を行うことで、近隣住民の信頼を維持し、トラブルの発生を未然に防ぐことができます。

最後に

解体工事は一度始まると、長期間にわたって行われることが多いです。そのため、事前周知だけでなく、解体工事期間中の継続的な情報提供と近隣住民との対話が求められます。これらを徹底してやってくれる解体業者を探すことが重要です。

 株式会社エコ・テックの解体工事について

株式会社エコ・テックでは、家屋、建物の事前調査から解体計画の作成だけでなく、解体工事の専門家として様々なアドバイスを行っています。

全国(東京・名古屋・大阪・岡山・福岡等)で、無料相談・無料見積もりを実施しておりますので解体工事に関するご相談がございましたら、お気軽にお問い合わせください

参考URL

・特定建設作業の規制について| 大阪府
(https://www.pref.osaka.lg.jp/kotsukankyo/oto/kensetsu.html)

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土壌汚染対策の原位置封じ込めについて

土壌汚染対策には、様々な手法が存在しますが。その中でも「原位置封じ込め」という手法は特定の状況下で非常に有効です。今回は、土壌汚染対策の原位置封じ込めについてご紹介します。

原位置封じ込めについて

原位置封じ込めは、汚染された土壌をその場で処理する方法の一つです。原位置封じ込めでは、汚染物質を現場から移動させることなく、土壌や地下水への影響を最小限に抑えることを目的とします。目標土壌溶出量を超える汚染状態にある土壌に対して、側面は工事により構築する遮水壁で、底面は遮水性の高い地層(不透水層:透水係数1×10-7m/秒以下でかつ厚さが5m以上、又はこれと同等以上の遮水の効力を有する地層)で、また表面部は舗装措置と同等の構造の覆いで封じ込め、目標土壌溶出量を超える汚染状態にある土壌と地下水汚染の拡散を防止する措置です。

側面も底面部と同等の遮水性が求められており、上部も雨水の浸水を防ぐため、厚さ10cm以上のコンクリート又は厚さ3cm以上のアスファルト層で覆う必要があります。

第二溶出量基準に不適合な土壌に対して、この措置を用いることはできないため、第二溶出量基準に適合するように浄化又は不溶化等の処理を行う必要があります。

原位置封じ込めの完了後は、要措置区域の指定は解除され、改めて形質変更時要届出区域の指定を受けます。原位置封じ込めは、基準不適合土壌が残ることから、措置の完了後も封じ込め効果が適切に維持される必要があります。

封じ込め後は、封じ込め機能を確認するため自然地下水の流向を事前に把握し、封じ込め範囲の下流側において一つ以上の観測井を設け、最低2年間、年間4回以上の地下水の水質の測定を行い、目標地下水濃度を超えない汚染状態にあることを報告する義務があります。

また、内部の地下水位が上昇しないことを確認するため、封じ込め範囲の内部1箇所以上に観測井を設置し、封じ込めの機能が保たれているかどうかを上記と同様の頻度で監視する必要があります。

2年間にわたって上記2点が確認されれば、当該範囲は形質変更時要届出区域となりますが、その後も同様に封じ込めの効果が維持されていることを管理することが望ましく、万が一、遮水壁等の品質の劣化により問題が生ずれば、直ちに修復するか、又は他の措置を講ずる必要があります。

区域内措置優良化ガイドブック(改訂版)| 環境省
(https://www.env.go.jp/content/900539568.pdf)より

原位置封じ込めの対象物質

原位置封じ込めは、すべての汚染物質に適応可能です。なお、第一種特定有害物質と第二種特定有害物質において、第二溶出量基準に適合しない場合は、不溶化等の処理を行い第二溶出量基準に適合させた上で行う必要があります。また、第三種特定有害物質については、第二溶出量基準に不適合の場合は適用できません。

第二溶出量基準に適合させたことを確認する方法

第二溶出量基準に適合しない汚染状態にある土壌には、単独の措置として原位置封じ込めを用いることができません。第二溶出量基準に適合しない汚染状態にある土壌をオンサイト処理や原位置処理等により第二溶出量基準に適合させたことを確認する方法を以下でみていきましょう。

①詳細調査と同等以上の調査により確認する方法

第二溶出量基準に適合しない汚染状態にある土壌のある範囲について、深さ1mごとの土壌を採取し、当該土壌に含まれる特定有害物質の量を測定します。

②掘削除去を行った範囲及び該当土壌を処理したことを確認する方法

第二溶出量基準に適合しない汚染状態にある土壌の掘削範囲、当該汚染土壌の搬出、処理方法等を記録し、工事完了報告書に記載します。

③オンサイト処理された土壌を埋め戻す場合に確認する方法

100 m3以下ごとに、第一種特定有害物質についてはその中の1点から採取した土壌について、第二種及び第三種特定有害物質については5点から採取した土壌を同じ重量で混合し、当該土壌に含まれる特定有害物質の涼を測定します。

原位置封じ込めのメリットとデメリット

原位置封じ込めには、多くのメリットがありますが、一方で課題も存在します。それぞれの特性を理解することが適切な措置を講じるために重要です。

メリット

①コスト効率

汚染物質を現場から移動させる必要がないため、運搬や処分にかかるコストを削減することができます。また、封じ込め施設の建設費用も、汚染物質を取り除く方法に比べて低く抑えることができます。

②時間短縮

原位置封じ込めは、現場で即座に処理が可能であり、他の手法に比べて短期間での対策が可能です。これにより早急な環境リスクの軽減が期待できます。 

③環境負荷の低減

土壌の掘削や搬出を行わないため、周囲の生態系に対する影響を最小限に抑えることができます。また、封じ込みに使用される材料も環境に配慮したものを選ぶことで、長期的な環境保護が可能です。

デメリット

①長期的な維持管理の必要性

封じ込め手法は、汚染物質を完全に除去するものではないため、長期にわたって封じ込めの状態を維持するための管理が必要です。バリアの劣化や漏出リスクを定期的に監視する必要があります。 

②効果の不確実性

封じ込めの効果は、土壌や地下水の条件に大きく依存します。そのため、封じ込めが長期的に有効であるかどうかを事前に評価することが難しい場合があります。

原位置封じ込めにおける側面の遮水壁の施工方法

側面の遮水壁については、鋼製矢板工法、地中連続壁工法、ソイルセメント固化壁工法、薬液注入工法、高圧噴射撹拌工法等様々な工事方法があります。それぞれどのような工事方法かみていきましょう。

鋼製矢板工法

鋼製矢板工法は、鋼製の板(矢板)を地中に打ち込むことで、土壌を囲い込んで遮水壁を構築します。鋼製矢板は強度が高く、地盤をしっかりと支える能力があり、特に軟弱地盤や水位の高い地域で効果的です。矢板は地盤中で連続的に結合され、水や汚染物質の移動を防ぐためのバリアになります。鋼製矢板工法は、比較的早く施工が可能であり、堅固な遮水壁を構築することができます。

地中連続壁工法

地中連続壁工法は、地中に連続したコンクリート壁を構築する工法です。まず地中に溝を堀り、その中に鉄筋を配置し、コンクリートを流し込んで壁を形成します。壁は地盤に連続して構築されるため、高い遮水性と強度を持ち、特に深い地下や高圧地下水が存在する場所で効果を発揮します。

ソイルセメント固化壁工法

ソイルセメント固化壁工法は、地盤の土壌とセメントを混合して固化させ、連続した遮水壁を地中に形成する工法です。この方法では、まず掘削した地盤にセメントを混ぜ込み、機会を使って土壌を撹拌しながら固化させます。固化させた土壌は、コンクリートに似た強度と遮水性を持ち、汚染物質や地下水の移動を効果的に封じ込めます。ソイルセメント固化壁工法は、施工が比較的安易で、コストも他の工法に比べて低いため広く利用されています。

薬液注入工法

薬液注入工法は、地盤に薬液を注入して土壌を固化・改良する方法です。薬液注入工法では、地中にドリルで穴を堀り、そこに薬液(通常はセメント系の薬液や化学薬品)を注入します。薬液が土壌と反応することで、地盤が固化され、遮水性や強度が向上します。特に複雑な地盤条件や狭い場所で効果的です。薬液注入工法は、施工が柔軟であり、必要に応じて特定のエリアだけを処理できます。

高圧噴射撹拌工法

高圧噴射撹拌工法は、地中の土壌を高圧で噴射されるセメント系スラリーと混合し、固化することで強固な地盤や遮水壁を形成する工法です。高圧噴射撹拌工法では、特殊な機械を用いて地中にドリルを挿入し、高圧でスラリーを噴射しながら土壌を撹拌します。これにより、土壌とスラリーが均一に混ざり合い、硬化後には高い強度と遮水性を持つ改良地盤が形成されます。高圧噴射撹拌工法は、地下水が高い地域や、深い地中での施工に適しており、耐久性と安全性が求められる汚染封じ込め対策として広く利用されています。

最後に

原位置封じ込めは、土壌汚染対策として非常に有効な手法の一つです。土壌や地下水への影響を最小限に抑えます。土壌汚染対策法による措置の完了確認期間は2年間ですが、その後は同様に地下水の水質の測定を行うなどして、封じ込め効果を維持していくことが望ましいといえます。

株式会社エコ・テックの土壌汚染対策工事について

株式会社エコ・テックでは、調査・分析だけでなく対策方法のプランニングや土地の活用方法のご提案まで、土壌汚染の専門家として様々なアドバイスを行っています。土壌汚染にまつわる一連の問題解決に向け、調査から浄化、リサイクルまで、トータルで承りま

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アスベストに関する都道府県の補助金(山梨編)について

目次:
アスベストに関する都道府県の補助金(山梨編)について

1. アスベストに関する国の補助金の対象について

アスベストに関する国の補助金につきましては、

https://www.eco-j.co.jp/blog/20230418.html(アスベスト除去の補助金について)

こちらの記事で以前記載しております。

アスベストに関する都道府県の補助金は、実はさまざまな種類がありますので、今回は現時点で公開されている山梨県の補助金について、説明いたします。

※本コラムは、2024年8月日時点での情報を元に記載しております。実際の補助金についてはご相談時に内容が変わっている可能性がございますので、必ず自治体に直接確認するようにお願いいたします。

2. アスベストに関する補助制度について(富士吉田市) 

吹付アスベスト等の含有量調査について

本市内の建築物で、壁、柱、天井等に吹き付けられた建材について
アスベスト含有の有無に係る調査の費用を補助します。

対象

吹付けアスベスト、吹付ロックウールでその含有するアスベストの重量が当該建築材料の重量の0.1パーセントを超えるもの。

補助金額

100%
調査費用の全額(限度額15万円)を補助します。

※ 但し、千円未満は自己負担になります

申込方法

補助対象範囲等の確認のため、事前にご相談下さい。その際、「配置図」「平面図」「現況写真」などの状況がわかる資料をお持ちください。

吹付アスベスト等の除去等について

本市内の建築物で、壁、柱、天井等に吹き付けられた建材について
アスベスト含有が確認できた建物の除去等の費用を補助します。

除去等とは

吹付けアスベスト等の除去、封じ込め又は囲い込みを行う事業

対象

吹付けアスベスト、吹付ロックウールでその含有するアスベストの重量が当該建築材料の重量の0.1パーセントを超えるもの。

補助金額

対象経費の2/3(上限400万円)

申込方法

補助対象範囲等の確認のため、事前にご相談下さい。その際、「配置図」「平面図」「現況写真」などの状況がわかる資料をお持ちください。

その他

補助決定前に着手してしまうと補助金を交付できませんので、事前に必ずご相談ください。

吹付けアスベストの除去等に関する補助もございます。詳しくは都市政策課へお問い合わせください。

【お問合せ先】

富士吉田市役所 都市政策課 建築指導担当

〒:403-8601

住所:山梨県富士吉田市下吉田6-1-1

TEL:0555-22-1111

内線:286・288

3. アスベスト調査・除去工事等の補助について(南アルプス市)

アスベスト(石綿)とその種類について

アスベスト(石綿)は、天然の繊維性の鉱物です。これが飛散し吸い込むことにより概ね15年~50年の潜伏期を経て悪性中皮腫や肺がん等を起こすことがあります。
アスベストとは、蛇紋石(じゃもんせき)系のクリソタイル(白石綿)、角閃石(かくせんせき)系のクロシドライト(青石綿)及びアモサイト(茶石綿)、アクチノライト、アンソフィライト、トレモライトの6種類です。

吹付けアスベスト

吹付けアスベスト(石綿)とはアスベスト(石綿)にセメント等と水を加え混合したものを吹付けたもので、吹付け後は灰色で綿状に見えます。
主に鉄骨造建築物等の耐火被覆材として、はり、柱等及び吸音・断熱材としてボイラー室等に使われています。
昭和31年頃から昭和50年までに建築された建物に使用されている可能性があります。
吹付け材の状況が、ひび割れなどなく安定した状態では飛散の心配はありません。 

一般住宅のアスベストを含む建材

アスベスト(石綿)含む建材には、吹付け材の他に一般住宅の屋根材、壁材等としてアスベスト(石綿)を含んだセメント等を板状に固めたスレートボード等が使用されていることもあります。
これは形成加工してあるため破損などがない状態では、飛散の心配はありません。 

建築物のアスベスト除去工事等に補助します。

南アルプス市では、建築物の壁、柱、天井等に露出して吹きつけられたアスベストの飛散防止のために行う除却工事等を対象に「アスベスト飛散防止対策事業」を実施しています。

対象建築物

南アルプス市内に存する建築物。ただし、除去等事業については、多くの方が利用する建築物で、共同で利用する部分(付属する電気室、機械室等を含む)です。

多くの方が利用する建築物とは、例えば、「店舗」「事務所」「工場」「駐車場」などです。 

アスベスト調査・除却費用補助の内容

補助対象事業:吹付け建材について行うアスベスト含有の有無に係る調査の費用

補助金額:対象費用の10/10以内の額。ただし、250,000円を上限とします。 

補助対象事業:露出して施行されている吹付けアスベスト等の除去、封じ込め又は囲い込みの費用

補助金額:対象費用の2/3以内の額。ただし、4,000,000円を上限とします。

事前相談

補助金の申請にあたっては、補助対象となる建築物の対象範囲や内容等の確認のため、必ず事前相談を行ってください。
ご相談の際は、「配置図」「平面図」「現況写真」など状況がわかる資料をお持ちください。また、「分析調査結果報告書」があれば併せてお持ちください。

申請

アスベスト飛散防止対策事業費補助金交付申請書と添付書類をそろえたうえで、管理住宅課窓口までご提出ください。

【相談窓口】

・補助金交付申請等に関すること

南アルプス市役所 建設部 管理住宅課

電話番号:055-282-6397(直通)

 

・建物に使われているアスベストに関すること

山梨県 中北建設事務所 建築課

電話番号:055-224-1674(直通)

4. 吹付けアスベスト含有調査及び除去等工事に対する補助制度(大垣市)

吹付アスベストの調査や除去などに補助!

市では、吹き付けられたアスベストの飛散による健康被害を防ぐため、市内の建築物(取り壊し予定も含む。)を対象に、吹付けアスベスト含有調査や除去等工事の費用の全額又は一部を補助しています。(補助要件は別途補助内容を確認して下さい。)

吹付けアスベストの使用が疑われる箇所を発見した場合は、早期に調査を行い、アスベストが含まれると判明した場合は除去等工事をご検討ください。 

募集期間

令和641日から令和61227日まで
※完了報告を令和71月末日までに行えることが条件です。 

補助対象事業

アスベスト含有調査

吹付け建材について、アスベスト含有の有無に係る調査を行うこと。

 (注)吹付けられていないものは補助対象ではありません。(例:スレート板等)

 (注)吹付塗材は補助対象ではありません。(例:吹付タイル、吹付リシン等)

アスベスト除去等工事

吹付けアスベスト等の除去、封じ込め、囲い込み又は吹付けアスベスト等が施工されている住宅・建築物の除却の工事

※重量比01%を超えるアスベストを含有しているものを対象とします。

【除去】

吹付けアスベスト等を全部除去すること。

封じ込め・囲い込み

吹付けアスベスト等の表面に固化剤を吹付け、塗膜を形成すること。

吹付けアスベスト等の内部に固化剤を浸透させ、アスベスト繊維の結合力を強化すること。

住宅・建築物の除却

住宅・建築物本体の解体費は対象ではありません。 

補助内容

アスベスト含有調査に要する費用

補助対象:
⑴ 延べ面積が1,000平方メートル以上の建築物

 延べ面積が300平方メートル以上の集会所、ホテル、旅館、飲食店、物販店舗など

 住宅(付属車庫、付属物置は除く。)

補助額:費用の全額 (上限25万円)

募集件数:1

アスベスト除去などに要する費用(代替材の施工費用などを含む。)

補助対象:すべての建築物

補助額:費用の3分の2以内(上限200万円)

募集件数:1

【お問い合わせ】

 大垣市役所 建築指導課 建築指導グループ

 (代表)0584-81-4111(内線)26842683

 (直通)0584-47-8436

5. まとめ

アスベストに関する補助金としては、アスベスト調査にかかる費用を補助対象とした補助金と、アスベストの除去にかかる工事費用などを補助対象とした補助金に分けられます。一般的にはアスベスト調査にかかる補助金の方がかかるコストも少ないことから補助金の総額が15万円〜25万円ほどと少なく、一方でアスベスト除去に関する補助金は2/3以内を上限としており、120~180万円が上限額(地域によって異なります)とされているなど、比較的大きい金額の補助を受けることができます。

自治体に事前の連絡や相談は必要ですが、2022年4月1日にアスベスト関連法令の改正が実施され、アスベスト含有を調べる事前調査の結果報告が義務付けられており、これには当然、調査や除去工事はコストがかかるため、解体工事全般のコスト増が懸念されているという中で、国や都道府県、市区町村などで補助金が適用できるようになっております。

これは山梨県だけでなく、他の都道府県でも補助金がありますので、これらについては追って記事にしたいと思います。本記事の情報をぜひ有効にご活用ください。

株式会社エコ・テックのアスベスト対策工事について 

株式会社エコ・テックでは、事前調査からアスベスト除去工事の専門家として様々なアドバイスを行っています。

全国(東京、名古屋、大阪、岡山、福岡など)で無料相談、無料見積もりを実施しておりますので、土壌汚染に関するご相談がございましたら、お気軽にお問い合わせください。

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アスベストに関する都道府県の補助金(埼玉編)について

目次:
アスベスト調査の都道府県の補助金(埼玉編)について

1. アスベストに関する国の補助金の対象について

アスベストに関する国の補助金につきましては、

https://www.eco-j.co.jp/blog/20230418.html(アスベスト除去の補助金について) 

こちらの記事で以前記載しております。

アスベストに関する都道府県の補助金は、実はさまざまな種類がありますので、今回は現時点で公開されている埼玉県の補助金について、説明いたします。

※本コラムは、2024年8月3日時点での情報を元に記載しております。実際の補助金についてはご相談時に内容が変わっている可能性がございますので、必ず自治体に直接確認するようにお願いいたします。

2. 民間建築物のアスベスト除去等に対する補助制度(埼玉県)

埼玉県では、民間建築物に施工されたアスベスト除去等に対する補助や融資を行っています。

【補助制度・融資制度の一覧】

埼玉県私立学校振興資金融資貸付金利子補助

対象建築物:幼稚園、高等学校、専修・各種学校

対象事業:除去等

補助率:実質金利2.0%のうち0.8%を補助

補助対象融資限度:2億円(高校)、1億円(専修・各種)、8千万円(幼稚園)

規模等制限:上限下限なし

補助・融資制度関係課:学事課(電話:048-830-2560)

私立学校施設整備費補助金

対象建築物:高等学校等の教育施設、幼稚園等の教育施設

対象事業:除去等

補助率:3分の1

補助対象融資限度:上限なし(高等学校等の教育施設)、3,333万円(幼稚園等の教育施設)

規模等制限:上限下限なし(高等学校等の教育施設)、上限:1億円 下限:なし(幼稚園等の教育施設)

補助・融資制度関係課:学事課(電話:048-830-2560)

社会福祉施設等施設整備費県費補助金交付要綱

対象建築物:社会福祉施設等が対象

・入所施設→総事業費100万円以上

・通所施設→総事業費30万円以上

対象事業:除去等

補助率:4分の3

補助対象融資限度:上限なし

規模等制限:上限下限なし

補助・融資制度関係課:社会福祉課(電話:048-830-3225)

次世代育成支援対策施設整備県費補助金交付要綱

対象建築物:児童福祉施設等が対象
・入所施設→総事業費100万円以上
・保育所・通所施設→総事業費30万円以上

対象事業:除去等

補助率:4分の3

補助対象融資限度:上限なし

規模等制限:総事業費/1,000>延床面積×2

補助・融資制度関係課:こども安全課(電話:048-830-3331)

埼玉県民間建築物アスベスト対策事業

対象建築物:規定なし

補助・融資制度関係課:こども安全課(電話:048-830-3331) 

<含有調査>

補助率:10分の10

補助対象融資限度:25万円/棟かつ8万円/検体

規模等制限:上限下限なし

<除去等>

補助率:3分の2

補助対象融資限度:600万円/棟(1,000平方メートル未満の建築物は300万円/棟)

規模等制限:延べ面積1,000平方メートル以上の建築物又は定期報告の対象となる建築物(共同住宅、寄宿舎を除く) 

埼玉県民間建築物アスベスト対策事業の概要

(1)対象区域

以下の12市を除く埼玉県内すべての区域

12市:さいたま市、川越市、熊谷市、川口市、所沢市、春日部市、狭山市、上尾市、草加市、越谷市、新座市及び久喜市 

(2)対象建築物

民間建築物が対象となります。

ただし、アスベスト除去等については、延べ面積が1,000平方メートル未満の建築物の場合、定期報告(建築基準法第12条第1項)の対象となる建築物(共同住宅、寄宿舎を除く)に限ります。

(3)含有調査及び除去等の内容

含有調査 

ア 対象となる吹付け材

アスベストの含有のおそれのある次の吹付け建材が対象となります。

(1)吹付けアスベスト

(2)吹付けロックウール

(3)吹付けパーライト

(4)吹付けバーミキュライト

※吹付け塗料は対象となりません。

イ 対象となる含有調査

作業環境測定法第33条に規定する作業機関

(JIS A 1481の仕様に適合する機器を備える機関)

が行うJIS A 1481に規定する調査方法等で調査する含有調査

※定性分析でアスベストが検出されない場合は、

任意で行う定量分析の費用は補助対象外になりますのでご注意ください。 

ウ 補助額

1棟当たりの補助額:含有調査に要する調査費

(限度額:1検体当たり8万円かつ1棟当たり25万円)

除去等 

※除去等とは、アスベストの除去、封じ込め、囲い込み、建築物の除却を言います。

ア 対象となる吹付け材

アスベストの含有(重量比0.1%超)が確認された次の吹付け建材が対象となります。

(1)吹付けアスベスト

(2)吹付けロックウール

※吹付け塗料は対象となりません。

イ 対象となる除去等の工事

(財)日本建築センターが審査証明した技術を有する者又は一定条件の工事実績を有する者が(財)日本建築センターが審査証明した工法若しくは(財)日本建築センター編集・発行の「既存建築物の吹付けアスベスト粉じん飛散防止処理技術指針・同解説2018」に掲げるそれぞれの工法で施工する除去等の工事

ウ 補助額

1棟あたりの補助額:除去等の工事に要する工事費の3分の2

(限度額:600万円(延べ面積が1,000平方メートル未満の建築物は300万円))

※補助金の交付を受けるには事業の開始前(契約前)に事前の申請と交付決定(内容の承認)が必要となります。

※契約後の補助金の申請は受け付けられません。

※補助金は予算範囲内に限りますので年度の途中でも締め切ることがあります。

※その他、補助事業に関する要綱等の内容に適合する必要があります。

※補助対象物件など、詳細についてはお問合せください。

補助申請方法及び申請受付期間

申請先:埼玉県都市整備部建築安全課震災対策・構造指導担当

まずはじめに、埼玉県庁のホームページにある要望調書をダウンロードし必要事項を記入の上、建築安全課に提出ください。

※持参、郵送、Fax又はE-mailで建築安全課に提出ください。(持参以外のときは電話連絡をいただけると助かります。)

【埼玉県都市整備部建築安全課】

330-9301 さいたま市浦和区高砂3-15-1 第二庁舎1

Tel:048-830-5525

Fax:048-830-4887

E-mail:a5510-06@pref.saitama.lg.jp

申請手続:埼玉県庁のホームページに補助申請の流れというPDFがありますので、そのとおり進めてください

申請受付期間

事業内容によって異なりますので、担当までご相談ください。 

※注意事項

申込順での申請受付となりますので、お早めにご相談ください。

業者と契約済みの事業は、補助の対象となりませんので、ご注意ください。 

【お問い合わせ】

都市整備部 建築安全課 震災対策・構造指導担当

住所:〒330-9301 埼玉県さいたま市浦和区高砂三丁目151号 第2庁舎1

電話:048-830-5527

ファックス:048-830-4887

3. 民間建築物吹付けアスベスト除去等事業補助金交付について(さいたま市)

アスベストが含有されているおそれのある吹付け材(露出の有無に関らず)の分析調査や、吹付けアスベスト又はアスベスト含有吹付けロックウールの除去等を行う場合、費用の一部を補助します。

申請期間

各事業年度の4月1日から11月30日まで

申請の前に必ず事前相談を行ってください。事前相談は随時承ります。

対象詳細

対象建築物

本市の区域内に存する建築物(国、地方公共団体その他公共団体若しくはこれらに準じる者が所有する建築物を除きます。)

補助対象者

補助対象建築物の所有者又は建物の区分所有等に関する法律(昭和37年法律第69号)第3条に規定する区分所有者の団体の代表者(国、地方公共団体若しくはこれらに準じる方又は大規模な事業者の方は除きます。)

(補足)大規模な事業者とは、資本金の額又は出資の総額が、3億円を超える会社並びに常時使用する従業員の数が、300人を超える会社及び個人とします。

補助額(補助対象建築物1棟につき)

分析調査事業

補助対象経費以内の額(25万円を限度とします。)

(消費税等仕入控除税額が明らかな場合は当該消費税等仕入控除税額を減額した額) 

(補足)消費税法に定める課税事業者(届出により課税事業者となる場合を含み、簡易課税事業者を除く。)で、補助対象経費を控除対象仕入税額に算入する場合は、消費税等仕入控除税額を減額した額が補助金の額となります。 

除去等事業

補助対象経費の3分の2以内の額(600万円を限度とします。)(消費税等仕入控除税額が明らかな場合は当該消費税等仕入控除税額を減額した額)

その他、詳細はさいたま市のホームページを確認してください。

4. まとめ

アスベストに関する補助金としては、アスベスト調査にかかる費用を補助対象とした補助金と、アスベストの除去にかかる工事費用などを補助対象とした補助金に分けられます。一般的にはアスベスト調査にかかる補助金の方がかかるコストも少ないことから補助金の総額が15万円〜25万円ほどと少なく、一方でアスベスト除去に関する補助金は2/3以内を上限としており、120~180万円が上限額(地域によって異なります)とされているなど、比較的大きい金額の補助を受けることができます。 

自治体に事前の連絡や相談は必要ですが、2022年4月1日にアスベスト関連法令の改正が実施され、アスベスト含有を調べる事前調査の結果報告が義務付けられており、これには当然、調査や除去工事はコストがかかるため、解体工事全般のコスト増が懸念されているという中で、国や都道府県、市区町村などで補助金が適用できるようになっております。

これは埼玉県だけでなく、他の都道府県でも補助金がありますので、これらについては追って記事にしたいと思います。本記事の情報をぜひ有効にご活用ください。

株式会社エコ・テックのアスベスト対策工事について

株式会社エコ・テックでは、事前調査からアスベスト除去工事の専門家として様々なアドバイスを行っています。

全国(東京、名古屋、大阪、岡山、福岡など)で無料相談、無料見積もりを実施しておりますので、土壌汚染に関するご相談がございましたら、お気軽にお問い合わせください。

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