2024/10/30
解体工事前のお祓いについて
解体工事を行う前にすることの一つとして「お祓い」があります。特に日本では、建物や土地に対して神聖な意味を持たせたり、霊的な存在に対する敬意を示す文化が根強く残っています。今回は解体工事前のお祓いについてご紹介します。
解体工事前のお祓いとは
解体工事前のお祓いとは、建物を解体する際に、その建物の土地に宿る「穢れ(けがれ)」や悪霊を清め、解体工事の安全を祈願するための儀式です。日本の神道や仏教においては、すべてのものには魂が宿っているとされ、その中でも長年使用されてきた建物には、特に多くの思い出や感情が蓄積されていると考えられています。
解体工事は、新しい建物を建てるための前段階ですが、古いものを取り除く過程では、何かしらの「けじめ」をつけることが必要です。そのけじめとして、神主や僧侶に依頼して行うのが「お祓い」です。これにより、解体工事に伴う災厄や事故を防ぎ、土地や建物に感謝を示し、新たな始まりへの一歩を踏み出すことができるのです。
お祓いの目的
お祓いの主な目的は、以下の3つに分けられます。
①土地や建物に感謝する
長い間使われてきた建物には、多くの人々の生活や営みが詰まっています。特に自宅などの住宅は、家族の思い出や歴史が深く刻まれており、それらに対して感謝の意を表すことは非常に重要です。解体工事前のお祓いでは、これまで住んでいた建物やその土地に対して、感謝の気持ちを込めて清めの儀式を行います。
②解体工事の安全祈願
解体工事は、大型の重機を使用したり、建物を取り壊したりするため、危険が伴います。そのため、解体工事が無事に終わるように、安全を祈願することもお祓いの目的の一つです。神道では地鎮祭などの儀式を通じて土地や建物を鎮め、事故や災害から守るという考え方が根付いています。解体工事前のお祓いも、これに基づいて行われることが多いです。
③邪気や霊的な影響を取り除く
古い建物や土地には、さまざまな思いが積み重なっているため、時には悪い気や霊的な存在が残っていると考えられます。特に、人が長期間住んでいた場所では、その地に霊的な存在が留まっていると信じられることも少なくありません。お祓いによって、これらの悪影響を取り除き、解体工事がスムーズに進むようにすることが目的となります。
祓いを行うべき場合と行わなくてもよい場合
お祓いを行うかどうかは、必ずしも法律で定められたものではなく、個人の信仰や文化的背景に依存します。以下のような場合には、特にお祓いを行うことが推奨されることがあります。
・土地や建物に対して感謝の気持ちを表したい場合
・長期間使用されてきた住居や商業施設などを解体する場合
・安全な解体工事を祈願したい場合
・霊的な影響や気の乱れが気になる場合
一方、ビジネス施設や工場など、感情的な意味合いが薄い場所の解体工事の場合や、信仰に基づかない場合には、お祓いを省略することもあります。
お祓いを行う上での注意点
解体工事前のお祓いを行う際には、以下の点に注意することが大切です。
①時期とタイミング
お祓いは、解体工事が始まる前に行うのが一般的です。解体工事のスケジュールを確認し、余裕を持って日程を決めることが大切です。また、神社やお寺の都合もあるため、早めに依頼しておくとスムーズに進行できます。
②解体工事業者との連携
解体工事を担当する業者と事前に連絡を取り、お祓いのタイミングや内容を共有しておくことが重要です。場合によっては、解体工事業者が儀式に参加することもあるため、祭壇の設置場所などを確認する必要もあります。
③お供え物の準備
お祓いに必要なお供え物は、神社やお寺によって異なる場合があるため、事前に確認して準備しましょう。お供え物としては、お米、酒、塩、魚や野菜などが一般的ですが、宗教的な慣習に基づいて必要なものが異なる場合があります。
お祓いの流れ
お祓いの儀式は、神主や僧侶によって執り行われ、土地や建物の状況によって若干異なる場合がありますが、基本的な流れは以下のようになります。
①依頼と準備
まず、解体工事を行う前に、地元の神社やお寺にお祓いを依頼します。依頼する際には、解体予定の建物の場所や規模、解体工事の開始日を伝え、適切な日時を相談します。また、儀式の際に必要な道具やお供え物(お米、酒、塩など)を準備することが求められる場合もありますので、事前に確認しておきましょう。
②お祓いの当日
お祓いの当日には、神主または僧侶が現地に赴き、祈りを捧げます。以下は一般的な神道の解体工事前のお祓いの流れです。
修祓(しゅばつ)
最初に、神主が参列者に対してお祓いを行い、参加者全員を清めます。これにより、心身ともに穢れを祓い、神聖な儀式に臨む準備が整います。
祝詞奏上(のりとそうじょう)
神主が土地や建物に向かって、祝詞(のりと)を奏上します。祝詞は、日本古来の言葉で神々に感謝や祈りを伝えるもので、解体工事の安全と無事を祈願する内容が含まれています。
玉串奉奠(たまぐしほうてん)
玉串奉奠(たまぐしほうてん)とは、榊(さかき)の枝に紙垂(しで)をつけたものを神前に備える儀式です。参列者全員が順番に玉串を奉奠し、土地や建物に対する感謝の気持ちと解体工事の安全を祈ります。
閉式の挨拶
最後に、神主が閉式の挨拶を行い、お祓いの儀式は終わりとなります。
解体工事前のお祓いにかかる時間は1時間ほどです。大々的にやりたい場合・時間をかけたくない場合など希望がある場合はあらかじめ地元の神社やお寺に伝えておきましょう。
解体工事前のお祓いの種類
解体工事前に行うお祓いにはさまざまなお祓いの種類があります。以下で見ていきましょう。
①解体清祓(かいたいきよはらい)
解体清祓(かいたいきよはらい)は、建物の解体工事前に行われる神道の儀式です。長年使われてきた建物や土地には、穢れや霊的な存在が宿ると考えられ、これを清めるために行われます。主な目的は、土地や建物に対する感謝を示し、解体工事中の安全を祈願することです。神主が現地で祝詞を奏上し、参列者が玉串を奉奠するなどして、神聖な場における清めと祈りを行います。この儀式により、土地が再生し、新たな建物が安全に建設されることを願います。
②魂抜き(たまぬき)
魂抜き(たまぬき)は、特に神道や仏教の儀式において行われる、物や場所に宿る霊的な存在を解放し、その穢れを取り除くための儀式です。主に仏壇や神棚のある古い建物や物品を処分する際に行われ、そのものに宿った魂や思い出を丁寧に扱い、感謝の意を示すことが目的です。魂抜きは、対象物が持つ霊的な影響を取り除くことで、新しいスタートを切るための準備とされます。
この儀式では、僧侶や神主が祝詞を唱え、対象物に対する敬意を表します。また参列者が一緒に祈りを捧げることもあります。魂抜きを行うことで、物を手放す際の心の整理ができるとされ、解体工事や遺品の処分など、感情的な意味を持つ場面で行われることが多いです。
③地鎮祭(じちんさい)
地鎮祭(じちんさい)は、新しい建物を建設する際に行われる神道の儀式で、土地を鎮め、解体工事の安全と繁栄を祈願するものです。この儀式は、土地に宿る神々や精霊に対して敬意を表し、解体工事中の事故や災害を防ぐ目的があります。
地鎮祭は通常、建物を建てる場所で行われ、神主が祝詞を奏上し、土地に向かって祈りを捧げます。また、参列者は玉串を奉納し、神々への感謝の気持ちを表します。さらにお供え物としてお米や酒、塩などが用意され、神前に捧げられます。
儀式の後には、土地を掘り起こすことが行われることが多く、これは「地鎮(じちん)」と呼ばれ、実際に解体工事が始まることを象徴しています。地鎮祭は新たな建物の誕生を祝う重要な儀式で、参加者にとっても特別な意味を持つ儀式です。
その他にも井戸を埋める際に、「井戸祓い(いどばらい)」、樹齢の長い樹木を伐採する際に、「樹木伐採清祓(じゅもくばっさいきよばらい)」などがあります。
最後に
解体工事前のお祓いは、単なる儀式ではなく、土地や建物に対する感謝の表れであり、解体工事の安全を祈願する大切なステップです。お祓いを行うかどうかは個々の判断に委ねられますが、長年住み続けた家や、感謝の気持ちを込めたい場所に対しては、その意味を理解し、心を込めてお祓いを行うことで、新たなスタートを切ることができます。
株式会社エコ・テックの解体工事について
株式会社エコ・テックでは、家屋、建物の事前調査から解体計画の作成だけでなく、解体工事の専門家として様々なアドバイスを行っています。
全国(東京・名古屋・大阪・岡山・福岡等)で、無料相談・無料見積もりを実施しておりますので解体工事に関するご相談がございましたら、お気軽にお問い合わせください
2024/10/25
ダイオキシンによる土壌汚染対策とは
ダイオキシンは、産業活動や廃棄物の不適切な処理過程で発生する有機化合物群であり、その中でも特に毒性が高い物質として知られています。ダイオキシンの土壌汚染は、人間の健康や環境に深刻な影響を及ぼすため、ダイオキシン対策は非常に重要です。今回は、ダイオキシンによる土壌汚染対策についてご紹介します。
ダイオキシンとは
ダイオキシンは、ポリ塩化ジベンゾ-p-ジオキシン(PCDDs)やポリ塩化ジベンゾフラン(PCDFs)などの化学物質の総称で、約400種類の異なる化合物を含んでいます。その中でも、2,3,7,8-四塩化ジベンゾ-p-ジオキシン(TCDD)は特に毒性が高い物質として知られています。ダイオキシンは自然環境ではほとんど分解されず、土壌や水中に長期間残留します。
ダイオキシンの主な発生源は以下の通りです。
■廃棄物の焼却処理(特に不完全燃焼)
■化学工業による副産物
■農業や除草剤の使用
■森林火災や家庭ごみの焼却
これらの活動によってダイオキシンが大気中に放出され、それが降雨などを介して土壌に蓄積されることで、土壌汚染が発生します。
ダイオキシンの土壌汚染の影響
ダイオキシンは、非常に微量でも人体に有害な影響を及ぼす可能性があります。ダイオキシンが土壌に蓄積されると、以下のようなリスクが生じます。
①食物連鎖への影響
ダイオキシンは、植物や動物に吸収され、それを食べる人間の体内に蓄積されます。特に脂肪組織に蓄積されやすく、長期にわたって体内に残留します。
②健康リスク
ダイオキシンは発がん性があることが知られており、免疫系、内分泌系、神経系にも悪影響を及ぼす可能性があります。特に発達中の子どもにとっては、少量の暴露でも深刻な健康問題を引き起こすことがあります。
③生態系への影響
ダイオキシンは、環境中で分解されにくいため、土壌や水中で長期間残存し、生態系全体に悪影響を与える可能性があります。
ダイオキシンによる土壌汚染対策を実施する契機
ダイオキシンによる土壌汚染のおそれがある土地では、施設の廃止等の契機を捉えて土壌汚染対策を実施することが望ましいと考えられます。ダイオキシンによる土壌汚染対策を実施する契機としては、以下の通りです。
①特定施設を廃止したとき
②ダイオキシン類を含む固体、液体の飛散、漏洩等のおそれがある事故が発生したとき
③特定施設を設置している土地または過去に特定施設やその他ダイオキシン類を発生させるおそれがある施設が存在していた土地、廃棄物等が埋設されている土地等で土地の形質の変更を行うとき
④PCB(ポリ塩化ビフェニル)による土壌汚染が確認されたとき
事業者や土地の所有者は、これらの契機が生じた場合は、ダイオキシンによる土壌汚染対策の実施を検討することが望ましいとされています。
ダイオキシンによる土壌汚染の調査
ダイオキシンによる土壌汚染の調査を行う際は、まず、資料等調査を行い、調査対象地のダイオキシンによる土壌汚染のおそれの有無や汚染のおそれが存在する位置及び深さ等を把握します。
資料等調査で調査対象地に土壌汚染のおそれが存在することが確認された場合は、資料等調査の結果をもとに試料採取地点や深さを設定した試料採取計画を作成し、計画に従って試料採取、測定を行います。この場合、調査は土壌汚染対策法に基づき指定された指定調査機関が実施することが求められます。
測定の結果、測定値が1,000pg-TEQ/gを超過した場合は、土壌環境基準の超過した試料を採取した位置の周囲で汚染範囲確認のための調査を行うことが考えられます。
調査の結果は、汚染が確認された場合及び確認されなかった場合のいずれにおいても、試料等調査結果や試料採取位置、測定結果等をとりまとめ、事業者や土地の所有者が保管しておくことが望ましいとされます。
ダイオキシンによる土壌汚染対策
ダイオキシン汚染を効果的に対策するためには、汚染の防止、除去、および管理が重要です。以下で具体的な対策方法を紹介します。
土壌汚染の防止
ダイオキシンによる土壌汚染を防止するためには、まずその発生源を特定し、適切な対策を講じることが重要です。具体的には以下の方法が考えられます。
①廃棄物焼却施設の適正管理
不完全燃焼がダイオキシンの発生原因となるため、焼却温度の適正管理や、排ガス処理装置の導入・メンテナンスを徹底する必要があります。高温での完全燃焼や、廃棄物の適切な分別によりダイオキシンの発生を抑制できます。
②農薬の適正使用
過去にはダイオキシンを含む除草剤が使用されていましたが、現在ではその使用は禁止されています。しかし、土壌や水中に残存するダイオキシンが依然として問題となっているため、今後の農薬使用についても環境負荷を考慮した選択が重要です。
③工場排出の管理
化学工場からの排出ガスや排水には、ダイオキシンが含まれる可能性があります。これらの排出物の処理を厳格に管理し、ダイオキシンの環境放出を防ぐための技術導入が必要です。
土壌の浄化
すでにダイオキシンで汚染された土壌に対しては、浄化技術が必要です。主な浄化技術は、以下の通りです。
①掘削除去法
汚染された土壌を物理的に掘削し、汚染部分を除去する方法です。この方法は迅速に土壌汚染を取り除くことができますが、大量の土壌を処理する必要があるため、コストが高く、環境への二次的な影響も考慮しなければなりません。
②熱処理法
高温で汚染された土壌を加熱し、ダイオキシンを分解・揮発させる方法です。高効率な分解が可能ですが、処理装置の設置やエネルギーコストが高いという課題があります。
③バイオレメディエーション
微生物や植物の力を利用して、汚染物質を分解・吸収する方法です。バイオレメディエーションは、環境への負荷が少なく、長期的な処理が可能な一方で、ダイオキシンのような難分解性の汚染物質に対しては効果が限定的です。
また、土壌汚染対策法では、土壌含有量基準に適合しない土壌汚染が確認された土地における措置として、舗装、立入禁止、盛土、土壌入れ替え、土壌汚染の除去を適用することとしており、ダイオキシンによる土壌汚染についても、地下水経由での摂取に起因する影響を考慮する必要がない場合には、これらの措置も適用できると考えられます。
地下水経由での摂取に起因する影響が考えられる場合は、地下水の摂取等によるリスクに対応できる措置を行うことが考えられます。
汚染管理とモニタリング
汚染された土地が完全に浄化されるまでの間、または汚染が拡散しないように管理することも重要です。主な管理方法は以下の通りです。
①汚染地域の封じ込め
汚染された土壌をそのままにしておく場合は、汚染が拡散しないように封じ込め対策を行います。例えば、土壌を覆うカバー材を設置したり、汚染地域にバリアを設けたりすることで、ダイオキシンの拡散を防ぎます。
②モニタリングの強化
ダイオキシン汚染の拡大を防ぐためには、定期的なモニタリングが必要です。土壌や水質を定期的に検査し、汚染が広がっていないかを監視することが重要です。また、土壌のダイオキシン濃度に応じた対策を柔軟に実施するためのデータ収集も欠かせません。
最後に
ダイオキシンによる土壌汚染は、人体や環境に深刻な影響を与える問題であり、ダイオキシン対策には多角的なアプローチが必要です。土壌汚染の防止には、発生源の管理が重要であり、土壌汚染が発生した場合には迅速な除去や浄化が求められます。また、長期的なモニタリングと管理を通じて、土壌汚染の拡大を防ぐことが重要です。
株式会社エコ・テックの土壌汚染対策工事について
株式会社エコ・テックでは、調査・分析だけでなく対策方法のプランニングや土地の活用方法のご提案まで、土壌汚染の専門家として様々なアドバイスを行っています。土壌汚染にまつわる一連の問題解決に向け、調査から浄化、リサイクルまで、トータルで承ります。全国(東京・名古屋・大阪・岡山・福岡等)で、無料相談・無料見積もりを実施しておりますので土壌汚染に関するご相談がございましたら、お気軽にお問い合わせください。
参考URL
・工場・事業場におけるダイオキシン類に係る土壌汚染対策の手引き| 環境省
(https://www.env.go.jp/content/900513874.pdf)
・ダイオキシン類による土壌汚染と事業者の責任| 日本CSR普及協会
(https://www.jcsr.jp/pdf/cases_13.pdf)
・パンフレット「土壌汚染対策法のしくみ」| 環境省
(https://www.env.go.jp/water/dojo/pamph_law-scheme/index.html)
2024/10/21
アスベストに関する都道府県の補助金(山口編)について
目次:
アスベスト調査の都道府県の補助金(山口編)について
- 1. アスベストに関する国の補助金の対象について
- 2. 吹付けアスベスト等の対策に関する補助制度について(山口県)
- 3. 民間建築物のアスベスト含有調査・除去等の費用補助(宇部市)
- 4. 民間建築物アスベスト調査補助制度(周南市)
- 5. 民間建築物のアスベスト含有調査補助について(防府市)
- 6. まとめ
1. アスベストに関する国の補助金の対象について
アスベストに関する国の補助金につきましては、
https://www.eco-j.co.jp/blog/20230418.html(アスベスト除去の補助金について)
こちらの記事で以前記載しております。
アスベストに関する都道府県の補助金は、実はさまざまな種類がありますので、今回は現時点で公開されている山口県の補助金について、説明いたします。
※本コラムは、2024年10月8日時点での情報を元に記載しております。実際の補助金についてはご相談時に内容が変わっている可能性がございますので、必ず自治体に直接確認するようにお願いいたします。
2. 吹付けアスベスト等の対策に関する補助制度について(山口県)
山口県内には、アスベスト含有建材の調査や除去工事に対する補助制度を用意している市町がいくつかあります。ここではその中から以下の3つの市についてご紹介します。
宇部市:都市政策部 建築指導課 令和6年度は含有調査のみ
周南市:建築指導課 含有調査のみ
防府市:開発建築指導課 建築審査係 含有調査のみ
3. 民間建築物のアスベスト含有調査・除去等の費用補助(宇部市)
宇部市では、アスベストの飛散による市民の健康被害を予防し、生活環境の保全を図るため、民間建築物に係るアスベスト含有調査・除去等に要する費用の一部を予算の範囲内で補助しています。
補助対象事業
アスベスト含有調査事業
建築物の壁、柱、天井等に施工されている吹付け建材について、アスベスト含有の有無の調査を行うもの
アスベスト除去等事業
※令和6年度は受け付けておりません。
建築物の壁、柱、天井等に露出して吹き付けられた吹付けアスベスト等※1の除去、封じ込め、囲い込み工事、又は吹付アスベスト等※1が施工されている建築物の除却工事を行うもの
※1 吹付けアスベスト及び吹付けロックウールでその含有する石綿の重量が当該建築建材の重量の0.1%を超えるものとする
補助対象建築物
1. 宇部市内にある民間建築物※2であり、国、地方公共団体その他の公共団体から、同様の補助金の交付を受けていないもの
※2 民間建築物とは昭和31年から平成元年までに施工された延べ面積が1,000㎡以上の建築物又は昭和31年から平成元年までに施工された不特定多数の者が利用する用途が含まれる建築物(飲食店、物販販売業を営む店舗、集会場、ホテル等、詳細は要綱別表にて)で延べ面積が300㎡以上のもの(いずれも木造建築物は除く。)
2. アスベスト含有調査については、吹付けアスベスト等が施工されているおそれがあるもの
3. アスベスト除去等工事については、吹付けアスベスト等が施工されているもの(令和6年度は受け付けておりません)
補助金額
アスベスト含有調査事業
アスベスト含有調査に要する費用の10分の10以内かつ1棟あたり25万円を限度とする
※補助金額1,000円未満の端数が生じる場合は切り捨て
アスベスト除去等事業
※令和6年度は受け付けておりません
アスベスト除去等に要する費用の3分の2以内かつ1棟あたり200万円を限度とする
※補助金額1,000円未満の端数が生じる場合は切り捨て
募集期間
アスベスト含有調査事業
令和6年5月13日(月曜日)~令和6年11月29日(金曜日)
※ただし、予算の範囲内での受け付けとなります
アスベスト除去等事業
※令和6年度は受け付けておりません。
申請書類等
・宇部市民間建築物アスベスト対策事業補助金交付申請書
・宇部市民間建築物アスベスト対策事業補助金交付申請書
・補助対象事業実施計画書
・補助対象事業実施計画書
・宇部市民間建築物アスベスト対策事業補助金交付変更申請書
・宇部市民間建築物アスベスト対策事業補助金交付変更申請書
・補助対象事業中止(廃止)届出書
・補助対象事業中止(廃止)届出書
・宇部市民間建築物アスベスト対策事業完了実績報告書
・宇部市民間建築物アスベスト対策事業完了実績報告書
・宇部市民間建築物アスベスト対策事業補助金交付請求書
・宇部市民間建築物アスベスト対策事業補助金交付請求書
・宇部市民間建築物アスベスト対策事業補助金交付要綱
問合先
都市政策部 建築指導課
〒755-8601 宇部市常盤町一丁目7番1号
4. 民間建築物アスベスト調査補助制度(周南市)
周南市では、民間の建築物に吹き付けられたアスベストの飛散による市民の健康被害の未然防止を目的として、建築物の吹き付け建材に関するアスベスト含有の調査に対し、調査費用の一部を補助しています。
対象となる建築物
次のすべての要件に該当する建築物
・吹き付けアスベスト等が施工されているおそれのある建築物
・吹き付けアスベスト等が施工されているおそれのある建築物
※一戸建て住宅及び木造建築物は除きます
対象となる調査
次に掲げる基準をすべてみたす調査
・建築物石綿含有建材調査者が行う調査であること
・JIS A 1481「建材製品中のアスベスト含有率測定方法」によるもの
補助の額
1棟につき25万円(上限額)
募集棟数
3棟
申込期間
令和6年5月10日(金曜日) ~ 令和6年10月31日(木曜日)
要綱等
・周南市民間建築物アスベスト調査事業補助金交付要綱
・補助金交付申請書(別記様式第1号)
・補助対象事業実施計画書(別記様式第2号)
・補助対象事業変更申請書(別記様式第4号)
・補助対象事業中止・廃止申請書(別記様式第5号)
・補助対象事業完了実績報告書(別記様式第7号)
・補助金交付請求書(別記様式第9号)
その他
・申請前に、あらかじめ建築指導課と協議を行い、申請に係る必要事項などを確認してください
・補助金の交付の決定前に、アスベスト調査の契約をしないでください(先に契約されたものは補助の対象外となります)
問合先
建築指導課
〒745-8655 山口県周南市岐山通1丁目1番地
建築指導担当
電話番号:0834-22-8423 ファックス番号:0834-22-3707
5. 民間建築物のアスベスト含有調査補助について(防府市)
防府市では、民間建築物に係る吹付けアスベストの含有調査に対し、調査費の一部を補助しています。
対象となる建築物
次のすべての要件に該当する建築物
・市内にある吹付けアスベスト等が施工されているおそれのある民間建築物
※一戸建て住宅及び木造建築物は除きます。
対象となる調査
次のすべての基準をみたす調査
・建築物石綿含有調査建材調査者が行う調査であること
※建築物石綿含有建材調査者(一般社団法人日本環境衛生センター)
・JIS A 1481「建材製品中のアスベスト含有率測定方法」によるもの
補助金の額
補助金の限度額は25万円(消費税を除く)
募集期間
令和6年6月3日~令和6年11月29日
※ただし、予算の範囲内での受け付けとなります。
要綱等
・防府市民間建築物アスベスト調査事業補助金交付要綱
・補助金交付申請書(第1号様式)
・事業計画書(第2号様式)
・補助金取下申出書(第5号様式)
・補助金変更申請書(第6号様式)
・実績報告書(第8号様式)
・交付請求書(第10号様式)
その他
・申請前に、あらかじめ建築指導室と協議を行い、申請に係る必要事項などを確認してください。
問合先
開発建築指導課 建築審査係
〒747-0801 山口県防府市駅南町14番1号
防府市役所駅南事務所
電話番号:0835-25-2337 ファックス番号:0835-25-2107
6. まとめ
アスベストに関する補助金としては、アスベスト調査にかかる費用を補助対象とした補助金と、アスベストの除去にかかる工事費用などを補助対象とした補助金に分けられます。一般的にはアスベスト調査にかかる補助金の方がかかるコストも少ないことから補助金の総額が15万円〜25万円ほどと少なく、一方でアスベスト除去に関する補助金は2/3以内を上限としており、120~180万円が上限額(地域によって異なります)とされているなど、比較的大きい金額の補助を受けることができます。
自治体に事前の連絡や相談は必要ですが、2022年4月1日にアスベスト関連法令の改正が実施され、アスベスト含有を調べる事前調査の結果報告が義務付けられており、これには当然、調査や除去工事はコストがかかるため、解体工事全般のコスト増が懸念されているという中で、国や都道府県、市区町村などで補助金が適用できるようになっております。
これは山口県だけでなく、他の都道府県でも補助金がありますので、これらについては追って記事にしたいと思います。本記事の情報をぜひ有効にご活用ください。
株式会社エコ・テックのアスベスト対策工事について
株式会社エコ・テックでは、事前調査からアスベスト除去工事の専門家として様々なアドバイスを行っています。
全国(東京、名古屋、大阪、岡山、福岡など)で無料相談、無料見積もりを実施しておりますので、土壌汚染に関するご相談がございましたら、お気軽にお問い合わせください。
2024/10/16
アスベストに関する都道府県の補助金(群馬県編)について
目次:
アスベスト調査の都道府県の補助金(群馬編)について
- 1. アスベストに関する国の補助金の対象について
- 2. 吹付けアスベスト等の対策に関する補助制度について(群馬県)
- 3. 高崎市民間建築物アスベスト含有調査事業について
- 4. 民間建築物アスベスト含有調査事業費補助金について(明和町)
- 5. まとめ
1.アスベストに関する国の補助金の対象について
アスベストに関する国の補助金につきましては、
https://www.eco-j.co.jp/blog/20230418.html(アスベスト除去の補助金について)
こちらの記事で以前記載しております。
アスベストに関する都道府県の補助金は、実はさまざまな種類がありますので、今回は現時点で公開されている群馬県の補助金について、説明いたします。
※本コラムは、2024年10月8日時点での情報を元に記載しております。実際の補助金についてはご相談時に内容が変わっている可能性がございますので、必ず自治体に直接確認するようにお願いいたします。
2. 吹付けアスベスト等の対策に関する補助制度について(群馬県)
群馬県にはアスベストに関する対策についての窓口が設置されています(感染症・疾病対策課疾病対策係、地域の保健所・保健福祉事務所、環境事務所・環境森林事務所、土木事務所等)が、具体的な補助金制度については市町村ごとの対応となります。
高崎市:
民間建築物のアスベスト含有調査に対する補助金があり、上限25万円/棟の補助を提供しています。調査費用が対象となり、申請期間が定められています(建設部建築指導課)。
明和町:
アスベスト含有調査費用に対する補助金制度があり、こちらも上限25万円です。町内の民間建築物に対するアスベスト調査費用を補助し、申請期間が年度ごとに設定されています(都市建設課 都市開発係)。
伊勢崎市:
アスベストに関する補助金については確認できませんでしたが、アスベストに関する相談窓口が設置されています。
その他の市町村でもアスベストに関する対策が進められている可能性がありますが、補助金制度の有無は確認できませんでした。詳細は各市町村の公式サイトや担当部署で確認することをお勧めします。
3. 高崎市民間建築物アスベスト含有調査事業について
高崎市では、民間建築物の壁、柱及び天井等に吹付けられたアスベスト等の飛散による市民の健康被害を予防し、生活環境の保全を図るため、アスベスト含有調査を行う建築物の所有者等に調査の費用を補助しています。
対象となる建築物
1. 吹付けアスベスト等※1が施工されているおそれがある市内の建築物であること。
ただし、解体を予定している建築物は対象となりません。
2. 過去に国等から同様の補助金の交付を受けていない建築物であること。
※1 吹付けアスベスト、吹付けロックウールでアスベストの重量が、当該吹付け建築材料の重量の0.1パーセントを超えるもの。
対象となる者
1. 含有調査を行う建築物の所有者※2
2. 国、地方公共団体、独立行政法人、地方独立行政法人、その他地方公共団体が設立し、または出資等を行っている法人ではない者
3. 同一棟の建築物について、この事業による補助の交付を受けていない者
※2 建物の区分所有等に関する法律(昭和37年法律第69号)に規定する区分所有者の団体及び管理者を含みます。
対象となる事業
調査方法はJISA1481-1、JISA1481-2、JISA1481-3又はJISA1481-4によるものとします。調査機関はJISA1481-1、JISA1481-2、JISA1481-3又はJISA1481-4の付属書の仕様に適合する装置及び機器を備え付ける機関を選定してください。
調査者は、建築物石綿含有建材調査者講習登録規程(平成30年厚生労働省・国土交通省・環境省告示第1号)第2条第2項、第3項又は第4項に規定する者であること。
補助金の額
含有調査事業に要する費用(検体の採取に要する費用を含む。)で、当該事業を実施する請負者に対して支払う額(消費税を除く。)に相当する額とし、上限は25万円/棟とします。
※1,000円未満の端数があるときは、これを切り捨てた額とします。
申請期間
令和6年度の募集は令和6年5月13日(月曜日)から令和6年12月13日(金曜日)までです。
募集棟数
募集棟数は先着で予算額に達するまでです。
申請に必要な書類
・申請書
・建築物の登記事項証明書または所有者を確認できる書類
・所有者全員の合意があることを証する書類(建築物が共有である場合。区分所有者は除く)
・区分所有者の集会等において、当該事業を実施する決議がなされたことを証する書類
・位置図、配置図及び調査箇所を確認できる平面図
・設計図書等がある場合は、調査箇所の使用が確認できる書類
・建物の全景及び調査箇所の状況を確認できる書類
・分析調査機関の調査仕様書
・見積書
・作業環境測定法に規定する作業環境測定機関のうちJISA1481-1、JISA1481-2、JISA1481-3又はJISA1481-4の仕様書に適合する装置及び機器を備える機関であることを証する書類
・委任状(代理者が申請する場合に限る。)
注意事項
- アスベスト含有調査の契約前に、必ず補助金交付申請の手続きを行ってください。
- 実績報告は、事業完了後30日以内または令和7年2月28日(金曜日)のいずれか早い日までに提出してください。
- 交付決定を受けた計画を変更しようとする場合は、変更の手続きが必要です。変更することが明らかになった時点で市に連絡してください。
問合先
建設部建築指導課
〒370-8501高崎市高松町35番地1 11階
電話番号:027-321-1271 ファックス番号:027-323-5296
4. 民間建築物アスベスト含有調査事業費補助金について(明和町)
明和町では、アスベストの有無を把握し、飛散による住民の健康被害の予防及び住環境の
保全を図ることを目的として、町内の民間建築物に吹付けられたアスベストの含有調査
に要する費用に対し補助金を交付しています。
対象となる建築物
吹付けアスベスト等が施行されているおそれがある町内の民間建築物
必要な書類
・含有調査に関する事業の積算内訳書
・建築物の位置図、区域図、配置図、平面図
・現況写真その他
申請書等
・明和町民間建築物アスベスト含有調査事業費補助金交付要綱
・アスベスト含有調査事業費補助金交付申請書
・アスベスト含有調査事業費補助金交付変更申請書
・アスベスト含有調査事業の中止(廃止)承認申請書
・アスベスト含有調査事業完了実績報告書
・アスベスト含有調査事業完了期日変更報告書
・アスベスト含有調査事業補助金交付請求書
補助金
調査費用に対して25万円を上限として補助します
募集期間(令和6年度)
令和6年4月1日から令和6年10月31日まで
問合先
都市建設課 都市開発係
〒370-0795
群馬県邑楽郡明和町新里250番地1 役場庁舎1階
電話番号:0276-84-3111(代表) ファックス番号:0276-84-3114
5. まとめ
アスベストに関する補助金としては、アスベスト調査にかかる費用を補助対象とした補助金と、アスベストの除去にかかる工事費用などを補助対象とした補助金に分けられます。一般的にはアスベスト調査にかかる補助金の方がかかるコストも少ないことから補助金の総額が15万円〜25万円ほどと少なく、一方でアスベスト除去に関する補助金は2/3以内を上限としており、120~180万円が上限額(地域によって異なります)とされているなど、比較的大きい金額の補助を受けることができます。
自治体に事前の連絡や相談は必要ですが、2022年4月1日にアスベスト関連法令の改正が実施され、アスベスト含有を調べる事前調査の結果報告が義務付けられており、これには当然、調査や除去工事はコストがかかるため、解体工事全般のコスト増が懸念されているという中で、国や都道府県、市区町村などで補助金が適用できるようになっております。
これは群馬県だけでなく、他の都道府県でも補助金がありますので、これらについては追って記事にしたいと思います。本記事の情報をぜひ有効にご活用ください。
株式会社エコ・テックのアスベスト対策工事について
株式会社エコ・テックでは、事前調査からアスベスト除去工事の専門家として様々なアドバイスを行っています。
全国(東京、名古屋、大阪、岡山、福岡など)で無料相談、無料見積もりを実施しておりますので、土壌汚染に関するご相談がございましたら、お気軽にお問い合わせください。