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業界コラム

ダイオキシンはどこから発生するのか

「ダイオキシンってどこから来るの?」「私たちの生活環境は大丈夫なの?」「子どもへの影響が心配…」そう思う方もいるかもしれません。

実は、ダイオキシンは主にごみの焼却過程や工業活動で発生し、私たちの身近な環境にも存在していますが、正しい知識を持つことで過度な心配から解放され、適切な対策を取ることができるのです。

この記事では、ダイオキシンがどこから発生するのか、その具体的な発生源や暴露経路、そして日常生活でできる現実的な対策方法について詳しく解説します。

 

ダイオキシンの主な発生源とは

ダイオキシンは私たちの生活環境のさまざまな場所から発生している化学物質です。多くの方が「ダイオキシンは危険」という漠然としたイメージを持っていますが、具体的にどこから発生しているのかを正しく理解することで、過度な不安を解消し、適切な対策を取ることができます。

ここではダイオキシンの主な発生源について解説します。

 

ダイオキシンはどのようにして発生するのか

ダイオキシンは、物を燃やす過程で意図せず生成される化学物質です。特に塩素を含む物質が不完全燃焼すると発生しやすくなります。燃焼温度が低い場合や、燃焼管理が不十分な場合に多く発生する傾向があります。

つまり、ダイオキシンは製造されるものではなく、燃焼という化学反応の副産物として生まれるものなのです。このメカニズムを理解することが、発生源を知る第一歩となります。

 

発生源は大きく分けて3つのカテゴリー

ダイオキシンの発生源は、廃棄物焼却施設、産業活動、そして日常生活の3つに大きく分類されます。最も発生量が多いのは廃棄物焼却施設で、一般家庭や事業所から出るごみを燃やす際に発生します。

次に、金属の精錬や紙の製造といった産業活動からも発生します。さらに、たばこの煙や自動車の排気ガスなど、私たちの日常生活に密接に関わる発生源も存在します。これら3つのカテゴリーを理解することで、全体像が見えてきます。

 

 

ごみ焼却施設から発生するダイオキシン

ごみ焼却施設は、ダイオキシンの最も主要な発生源として知られています。私たちが日々出している家庭ごみや事業所から出る廃棄物を処理する過程で、ダイオキシンが発生する可能性があります。

ここではごみ焼却施設から発生するダイオキシンについて解説します。

 

一般廃棄物焼却施設からの発生

一般廃棄物焼却施設は、私たちの家庭から出る燃えるごみを処理する施設です。かつては日本全体のダイオキシン発生量の大部分を占めていました。平成9年には約5,000g-TEQ/年という非常に高い数値でしたが、平成13年には812g-TEQ/年まで劇的に減少しています。これは焼却炉の高温化や排ガス処理技術の向上によるものです。現在では厳しい基準のもとで管理されており、以前と比べて安全性は大幅に向上しています。

 

産業廃棄物焼却施設からの発生

産業廃棄物焼却施設は、工場や建設現場などから出る産業系の廃棄物を処理する施設です。平成9年には約1,505g-TEQ/年のダイオキシンが発生していましたが、平成13年には534g-TEQ/年まで減少しました。

産業廃棄物には様々な化学物質が含まれているため、適切な焼却管理が特に重要です。現在では排出基準が厳格に定められ、定期的な測定と報告が義務付けられています。施設の運営管理が適切に行われることで、発生量は確実にコントロールされています。

 

小型焼却炉が抱える問題点

小型廃棄物焼却炉は、事業所や小規模施設で使用される焼却設備です。平成9年には368~619g-TEQ/年、平成13年には185~202g-TEQ/年のダイオキシンが発生していました。小型焼却炉の問題は、大規模施設に比べて燃焼温度が低く、排ガス処理設備が不十分な場合が多いことです。そのため、相対的に高濃度のダイオキシンが発生するリスクがあります。現在では小型焼却炉の使用は制限され、適切な処理が求められています。

 

 

産業活動によるダイオキシンの発生

産業活動の過程でも、ダイオキシンは発生します。焼却施設以外にも、金属を精錬する工程や紙を製造する工程など、特定の産業プロセスでダイオキシンが副産物として生成されることがあります。

ここでは産業活動によるダイオキシンの発生について解説します。

 

金属精錬工程での発生メカニズム

金属精錬工程では、鉄鋼や非鉄金属を製造する際の高温処理過程でダイオキシンが発生します。特に電気炉や焼結炉などで廃棄物由来の原料を使用する場合、塩素を含む物質が混入するとダイオキシンが生成されやすくなります。

産業系発生源全体では、平成9年に約470g-TEQ/年でしたが、平成13年には206g-TEQ/年まで減少しました。この減少は、原料の管理強化や排ガス処理技術の改善によるものです。

 

紙の塩素漂白工程からの発生

製紙工場では、紙を白くするために塩素を使った漂白処理を行うことがあります。この塩素漂白工程で、微量のダイオキシンが生成される可能性があります。かつては塩素ガスを直接使用する方法が主流でしたが、現在では塩素を使わない漂白方法や、二酸化塩素を使用する方法に切り替えられています。こうした製造工程の改善により、製紙業界からのダイオキシン発生は大幅に削減されています。環境への配慮が進んだ結果といえます。

 

その他の産業系発生源

金属精錬や製紙以外にも、化学工業や廃棄物処理など様々な産業活動からダイオキシンが発生する可能性があります。例えば、特定の化学製品の製造工程や、産業廃棄物の中間処理施設などが該当します。これらの発生源は個別には小さくても、合計すると無視できない量になります。

しかし、環境規制の強化と企業の自主的な取り組みにより、産業系発生源からの排出も着実に減少傾向にあります。継続的な監視と改善が重要です。

 

 

日常生活に潜むダイオキシンの発生源

ダイオキシンは大規模な焼却施設や産業施設だけでなく、私たちの日常生活の中にも発生源が存在します。たばこの煙や自動車の排気ガス、さらには自然現象である森林火災からも発生することが知られています。

ここでは日常生活に潜むダイオキシンの発生源について解説します。

 

たばこの煙に含まれるダイオキシン

たばこを吸うとき、葉が燃焼する過程でごく微量のダイオキシンが発生します。日本全体でのたばこからの発生量は年間約0.1~0.2g-TEQ程度と、他の発生源と比べると非常に少ない量です。

しかし、喫煙者本人や周囲の人が直接煙を吸い込むという点では、身近な暴露源の一つといえます。特に妊娠中や小さなお子さんがいる家庭では、受動喫煙を避けることが望ましいでしょう。ダイオキシン以外の健康リスクも考慮すべき要素です。

 

自動車排出ガスからの発生

自動車のエンジンでガソリンや軽油が燃焼する際にも、微量のダイオキシンが発生します。日本全体での自動車からの発生量は年間約1.59g-TEQで、これも全体から見れば小さな割合です。ただし、交通量の多い道路沿いに住んでいる方にとっては、日常的に暴露する可能性がある発生源です。

近年では排気ガス規制が厳しくなり、車両の性能向上により排出量は抑えられています。電気自動車やハイブリッド車の普及も、今後さらなる削減につながるでしょう。

 

森林火災など自然由来の発生源

森林火災や火山活動などの自然現象からもダイオキシンは発生します。樹木や植物が燃える際、塩素成分を含む物質が燃焼することでダイオキシンが生成されるのです。これらは人為的にコントロールできない発生源ですが、発生量は比較的少なく、環境全体への影響は限定的です。

自然由来の発生源が存在することは、ダイオキシンが完全にゼロにはならないことを示しています。それでも、人為的な発生源を減らす努力は継続的に重要です。

参照元:ecoひろしま~環境情報サイト~

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