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整地作業に必要な免許の種類と取得方法

「整地作業に必要な免許って何があるの?」「建設現場で働きたいけど、どの資格を取ればいいか分からない…」そう思う方もいるかもしれません。

実は、整地作業に従事するには、作業する重機の種類や機体重量によって必要な免許・資格が明確に定められており、適切な資格を取得することで、安全に作業ができ、就職・転職にも有利になるのです。

この記事では、整地作業に必要な免許の種類、それぞれの取得方法や費用と期間についてわかりやすく詳しく紹介します。

 

整地作業とは?必要な免許が求められる理由

整地作業は建設工事の基礎となる重要な工程であり、ブルドーザーやショベルカーなどの重機を使用するため、法律で定められた免許や資格が必要です。

ここでは整地作業の基本と免許が必要な理由について解説します

 

整地作業の定義と建設現場での役割

整地作業とは、建設予定地の地面を平らに均したり、土砂を運搬・積込みしたりする作業のことを指します。道路工事や宅地造成、災害復旧工事など、あらゆる建設現場の最初の段階で行われる基礎工程です。

この作業の精度が建物の安定性や工事全体の品質を左右するため、熟練した技術と正確な操作が求められます。整地作業が適切に行われることで、その後の基礎工事や建築工事がスムーズに進行し、安全で高品質な構造物を作ることができます。

 

整地作業で使用する主な重機の種類

整地作業では、作業の目的や現場の状況に応じて、さまざまな種類の重機が使い分けられています。

主な重機として、土砂を押して平らにするブルドーザー、掘削や積込み作業で活躍するバックホウ(油圧ショベル)、道路の仕上げ整地に使用されるモーターグレーダー、地盤を締め固める役割を担うタイヤローラーなどがあります。

これらの重機は機体重量が3トン以上のものが多く、操作には高度な技術と集中力が必要です。それぞれの重機の特性を理解し、適切に操作できる技能を身につけることが重要です。

 

無資格で整地作業を行うことの法的リスク

労働安全衛生法により、機体重量3トン以上の車両系建設機械を操作するには技能講習の修了が義務付けられています。無資格で作業を行った場合、作業者本人だけでなく、作業を指示した事業者にも6ヶ月以下の懲役または50万円以下の罰金が科される可能性があります。

また、無資格作業中に事故が発生した場合、労災保険の給付が制限されたり、民事・刑事上の責任が重くなったりするリスクもあります。安全に作業を行い、法令を遵守するためにも、必ず必要な免許・資格を取得してから作業に従事することが不可欠です。

出典:厚生労働省「安全・衛生」

 

 

整地作業に必要な免許・資格の種類

整地作業に従事するために必要な免許や資格は、使用する重機の種類や機体重量によって異なります。主に車両系建設機械運転技能講習、小型車両系建設機械の特別教育、そして公道を走行する際に必要な大型特殊自動車免許があります。

ここでは整地作業に必要な各種免許・資格について解説します。

 

車両系建設機械運転技能講習(整地・運搬・積込み用及び掘削用)

機体重量3トン以上のブルドーザーやバックホウなどを操作する際に必要となる国家資格相当の技能講習です。労働安全衛生法に基づき、都道府県労働局に登録された教習機関で受講することができます。学科と実技の両方を修了することで資格が付与され、修了証が交付されます。

この資格を取得することで、建設現場で使用されるほとんどの整地用重機を操作できるようになり、就職や転職において大きなアドバンテージとなります。建設業界での需要が高く、多くの求人で必須資格として指定されています。

 

小型車両系建設機械の運転の業務に係る特別教育

機体重量3トン未満の小型建設機械を操作する際に必要な資格で、事業者が労働者に対して実施する特別教育という形式で行われます。車両系建設機械運転技能講習と比べて短時間で取得でき、費用も抑えられるのが特徴です。

学科6時間、実技6時間の合計12時間程度のカリキュラムで構成されています。小規模な工事現場や、大型重機を使用しない作業に従事する場合に有効な資格です。ただし、3トン以上の重機を操作する場合は、別途車両系建設機械運転技能講習の受講が必要になります。

 

大型特殊自動車免許(公道走行時に必要)

整地用重機を公道で運転する際に必要となる運転免許です。建設現場内での作業には不要ですが、現場間の移動や重機の回送を行う場合には必須となります。自動車教習所で取得することができ、学科試験と技能試験に合格しなければなりません。

普通自動車免許を持っている場合、学科試験が一部免除されるため、比較的短期間で取得可能です。大型特殊免許を持っていると、重機オペレーターとしての業務範囲が広がり、現場での重宝される存在になります。キャリアアップを目指す上で、取得しておくことが推奨される資格です。

 

その他の関連資格(締固め用、解体用など)

整地作業に関連する資格として、締固め用建設機械の運転技能講習や、解体用建設機械の運転技能講習などがあります。締固め用はローラー系の重機を操作する際に必要で、道路工事や宅地造成で需要があります。解体用は建物の解体現場で使用する重機の操作に必要です。

また、玉掛け技能講習やクレーン運転の資格を併せ持つことで、現場での作業範囲が大幅に広がります。複数の資格を取得することで、より幅広い業務に対応できる技能者として評価が高まり、収入アップやキャリアアップにつながるでしょう。

 

 

各免許の取得方法と受講の流れ

整地作業に必要な各種免許・資格は、それぞれ異なる機関や教習所で取得することができます。受講資格や申込方法、講習内容も資格によって異なるため、自分が取得すべき資格を明確にした上で、適切な手続きを進めることが重要です。

ここでは各免許の取得方法と受講の流れについて解説します。

 

車両系建設機械運転技能講習の受講資格と申込方法

車両系建設機械運転技能講習は、満18歳以上であれば誰でも受講することができます。申込方法は、都道府県労働局に登録された教習機関に直接申し込むか、インターネットから予約を行う形式が一般的です。申込時には本人確認書類(運転免許証や健康保険証など)と証明写真、受講料が必要になります。

教習機関によっては定員制となっているため、希望する日程がある場合は早めの予約が推奨されます。また、既に小型車両系建設機械の特別教育を修了している場合は、一部の実技が免除される場合もあります。

 

小型車両系建設機械特別教育の受講内容

小型車両系建設機械の特別教育は、学科6時間と実技6時間の合計12時間程度で構成されています。学科では走行に関する装置の構造と取扱い方法、作業に関する装置の構造と取扱い方法、作業の方法に関する知識、関係法令などを学びます。

実技では実際に小型建設機械を操作し、基本的な運転技術や安全確認の方法を習得します。受講は通常1日から2日間で完了し、修了後には修了証が交付されます。事業所によっては社内で実施する場合もあり、就職後に会社負担で取得できるケースもあります。

 

大型特殊免許の教習所での取得手順

大型特殊自動車免許は、自動車教習所で取得するのが一般的です。普通自動車免許を持っている場合、学科試験が免除され、技能教習のみで取得できます。技能教習は最短で6時限程度、期間にして3日から1週間程度で修了可能です。

教習所内のコースで大型特殊車両を使った実技練習を行い、卒業検定に合格すると卒業証明書が発行されます。その後、運転免許試験場で適性検査を受け、、一発試験で取得する方法もありますが、教習所を利用する方が確実で効率的です。

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