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業界コラム

解体工事の揺れがひどい時の相談先と被害を防ぐ自衛策

隣の家や近隣で解体工事が始まり、自宅が震度3くらいの地震のように揺れ続けている。食器棚がガタガタと音を立て、壁に小さなひび割れが見つかった。「いつまでこの揺れが続くのか」「うちの家が壊れてしまうのではないか」という不安で、落ち着いて生活できない方も多いでしょう。

解体工事による揺れは、重機が建物を壊す際の衝撃が地盤を通じて伝わることで発生します。特に基礎部分を砕く工程では、振動が最も大きくなります。しかし、この激しい揺れにも終わりがあり、適切な対処法を知っていれば、被害を最小限に抑えることができます。

この記事では、解体工事の揺れがなぜ起こるのか、いつまで続くのか、そして揺れがひどい場合にどこへ相談すればいいのかを具体的に解説します。さらに、万が一自宅に被害が出た場合の証拠の残し方や補償請求の方法についても紹介します。

この記事を読めば、不安な気持ちを落ち着かせ、冷静に業者や行政と交渉できる知識が手に入ります。

解体工事で家が揺れる原因と建物の安全性

重機の衝撃が地盤を伝わる仕組み

解体工事で家が揺れるのは、重機が建物を破壊する際の衝撃が地盤を通じて周辺に伝わるためです。特に、油圧ショベルに取り付けた「圧砕機」や「ブレーカー」でコンクリートを砕く作業では、大きな振動が発生します。

地盤は一見固く見えますが、実際には振動を伝える性質があります。特に、粘土質や砂質の柔らかい地盤では、揺れが遠くまで届きやすくなります。一方、岩盤のような硬い地盤では振動が吸収されやすく、周辺への影響は比較的小さくなります。

また、解体現場と自宅の距離も重要です。一般的に、10メートル以内の距離では揺れを強く感じやすく、20メートルを超えると徐々に弱まります。ただし、地盤の状態によっては、30メートル離れていても振動を感じることがあります。

揺れで自宅が倒壊する心配はほとんどない

「こんなに揺れて、うちの家が壊れるのでは」という不安は当然です。しかし、解体工事による揺れで建物が倒壊するケースは、極めて稀です。

日本の住宅は、震度5弱から5強程度の地震に耐えられるよう設計されています。解体工事による振動は、感覚的には震度3程度に感じることがありますが、実際の振動エネルギーは地震よりもはるかに小さいのが特徴です。地震は建物全体を一気に揺らすのに対し、解体工事の振動は地盤を通じて断続的に伝わるため、建物への負荷は限定的です。

ただし、もともと老朽化が進んでいる建物や、基礎部分に亀裂がある場合は、揺れによってひび割れが広がる可能性があります。築30年以上の木造住宅や、過去に大きな地震を経験した建物では、事前に外壁や基礎の状態を写真で記録しておくことをおすすめします。

我慢の限界はいつまで?揺れのピーク期間

最も揺れる「基礎解体」は2〜3日で終わる

解体工事の中で最も激しい揺れが発生するのは、「基礎解体」の工程です。基礎とは、建物を支えるコンクリート部分のことで、地中に深く埋まっています。この基礎を砕く作業では、大型の重機が鉄筋コンクリートを叩き割るため、周辺住宅に強い振動が伝わります。

基礎解体の期間は、建物の規模によって異なりますが、一般的な木造住宅であれば2〜3日、鉄筋コンクリート造のマンションでも1週間程度です。この期間を過ぎれば、揺れは大幅に軽減されます。

逆に言えば、「いつ終わるかわからない」という不安は、「あと数日で最も激しい揺れは終わる」という見通しに変えることができます。業者に工程表を見せてもらい、基礎解体の予定日を確認するだけでも、精神的な負担は軽くなるはずです。

杭(くい)を抜く工程も振動が起きやすい

基礎解体の次に注意したいのが、「杭抜き」の工程です。杭とは、建物の重量を地中深くまで支えるための柱のことで、地下数メートルから十数メートルの深さまで打ち込まれています。

杭を引き抜く際には、振動や騒音を伴う「バイブロハンマー」という機械が使われることがあります。この機械は杭を振動させながら引き抜くため、周辺に揺れが伝わります。ただし、杭抜きの期間は通常1〜2日程度で、基礎解体ほど長くは続きません。

また、最近では「無振動工法」といって、油圧で静かに杭を引き抜く方法も普及しています。もし杭抜きの揺れが心配な場合は、業者に工法を確認し、可能であれば無振動工法への変更を相談してみるのも一つの方法です。

揺れがひどすぎる場合の対処ステップ

業者に作業時間や工法の調整を相談する

揺れが我慢できないレベルであれば、まずは解体業者に直接相談しましょう。多くの業者は、近隣住民とのトラブルを避けたいと考えているため、誠実に対応してくれるケースがほとんどです。

相談する際は、以下のポイントを具体的に伝えると効果的です。

  • 「朝8時からの作業は、在宅勤務中で仕事に支障が出ている」
  • 「揺れで食器棚から物が落ちそうになっている」
  • 「小さな子どもが昼寝できず困っている」

このように、揺れによる具体的な影響を伝えることで、業者側も対策を検討しやすくなります。たとえば、振動の大きい作業を午前中に集中させる、休憩時間を増やして連続した揺れを避ける、といった調整が可能な場合があります。

また、工法の変更についても相談してみましょう。たとえば、大型ブレーカーではなく、小型の機械で少しずつ解体する「手壊し併用工法」に切り替えることで、振動を抑えられることがあります。

揺れの動画や壁の写真を証拠として残す

業者に相談する際、または後々の補償請求に備えて、揺れの状況を記録しておくことが重要です。具体的には、以下のような証拠を残しましょう。

まず、揺れている瞬間を動画で撮影します。食器棚や照明が揺れている様子、窓ガラスがガタガタと音を立てている様子などを記録してください。このとき、スマートフォンの画面に日時が表示されるようにしておくと、後で証拠として使いやすくなります。

次に、自宅の外壁や室内の壁、天井などにひび割れがないか確認し、写真を撮影します。工事前には存在しなかったひび割れが、工事中に発生した場合、因果関係を証明する重要な証拠になります。写真は、ひび割れ全体が写るように引きで撮影したものと、ひび割れの細部がわかるようにアップで撮影したものの両方を残しておきましょう。

さらに、振動の大きさを数値で記録できる「振動計アプリ」も有効です。スマートフォンにインストールできる無料アプリもあり、振動の大きさを「デシベル」や「ガル」といった単位で記録できます。法的な証拠としての精度は専門機器に劣りますが、交渉の際の参考資料としては十分役立ちます。

改善されない場合は自治体の環境課へ

業者に相談しても改善が見られない場合は、自治体の環境課や公害対策課に相談しましょう。多くの自治体では、振動や騒音に関する苦情を受け付ける窓口を設けています。

自治体に相談すると、担当職員が現場を訪問し、業者に対して指導や改善命令を出してくれることがあります。特に、後述する「振動規制法」の基準値を超えている場合は、行政指導の対象となります。

相談する際は、これまでに記録した動画や写真、業者とのやり取りの履歴などを持参すると、状況を正確に伝えやすくなります。また、同じように困っている近隣住民がいれば、一緒に相談に行くことで、問題の深刻さが伝わりやすくなります。

なお、自治体への相談は匿名でも可能ですが、実名で相談したほうが、その後のフォローアップや具体的な対応を受けやすくなります。

知っておきたい法律の基準「75デシベル」

振動規制法による許容範囲

解体工事の振動には、法律で定められた基準があります。それが「振動規制法」です。この法律では、建設作業による振動の許容範囲を「75デシベル」と定めています。

75デシベルとは、体感としては「かなり強い揺れ」を感じるレベルです。震度で言えば、震度2から3程度の揺れに相当します。この基準値を超える振動を発生させる場合、業者は事前に自治体へ届け出を行い、騒音や振動を抑える対策を講じる義務があります。

ただし、この基準は「敷地境界線」で測定されます。つまり、解体現場と隣接する土地の境界で75デシベル以下であれば、法律上は問題ないとされます。そのため、実際には隣の家の中でもっと強い揺れを感じていても、敷地境界線で測定すると基準内に収まっているケースもあります。

とはいえ、基準値を超えていることが明らかな場合は、業者に改善を求める根拠になります。また、基準値以下であっても、住民の生活に著しい支障が出ている場合は、自治体が業者に指導を行うこともあります。

基準値を超えているか調べる方法

自宅で感じている揺れが75デシベルを超えているかどうかを調べるには、専門の測定器が必要です。しかし、一般の方が測定器を購入するのは現実的ではありません。

そこで活用したいのが、自治体の無料測定サービスです。多くの自治体では、騒音・振動に関する苦情があった場合、職員が測定器を持って現場を訪問し、振動レベルを測定してくれます。この測定結果は、業者への指導や、場合によっては損害賠償請求の根拠として使うことができます。

また、前述したスマートフォンの振動計アプリでも、おおよその数値を把握することは可能です。ただし、アプリの精度は機種によって異なるため、あくまで参考程度と考えましょう。正式な証拠として使いたい場合は、自治体の測定結果を取得することをおすすめします。

万が一自宅にひび割れなどの被害が出たら

工事との因果関係を証明するポイント

解体工事の揺れによって自宅の壁や基礎にひび割れが発生した場合、修理費用を業者に請求できる可能性があります。ただし、そのためには「工事が原因でひび割れが発生した」という因果関係を証明する必要があります。

因果関係を証明するために最も重要なのは、工事前と工事後の比較です。工事前に撮影しておいた写真と、工事後に発生したひび割れの写真を並べることで、「工事前にはなかった被害が、工事後に発生した」ことを示せます。

また、ひび割れの発生時期も重要です。揺れが最も激しかった基礎解体の期間中、または直後にひび割れが見つかった場合は、因果関係が認められやすくなります。そのため、工事期間中は定期的に自宅の壁や天井をチェックし、異変があればすぐに写真を撮影しておきましょう。

さらに、同じ時期に近隣の複数の家でも同様の被害が発生している場合は、工事との因果関係がより強く推定されます。可能であれば、近隣住民と情報を共有し、被害状況を記録しておくと有利です。

修理費用の補償や交渉について

被害が発生した場合、まずは解体業者に連絡し、被害の状況を報告しましょう。多くの解体業者は「賠償責任保険」に加入しており、工事が原因で発生した損害については、保険で補償されるケースがほとんどです。

業者に連絡する際は、以下の情報を整理して伝えましょう。

  • 被害の内容(ひび割れの場所、大きさ、本数など)
  • 被害が発生した時期
  • 工事前の写真と工事後の写真
  • 修理費用の見積もり(可能であれば複数の業者から取得)

業者が因果関係を認めれば、修理費用を全額負担してもらえることが多いです。ただし、業者が因果関係を否定する場合や、補償額に納得がいかない場合は、第三者機関に相談する必要があります。

相談先としては、国民生活センターや弁護士会の法律相談窓口があります。また、自治体の建築指導課でも相談に乗ってくれることがあります。特に、被害が大きい場合や、業者が誠実に対応しない場合は、早めに専門家に相談することをおすすめします。

まとめ

解体工事による揺れは、誰もが不安に感じるものです。しかし、揺れが発生する原因を理解し、適切な対処法を知っていれば、被害を最小限に抑えることができます。

この記事で紹介した重要なポイントをまとめます。

  • 揺れは重機の衝撃が地盤を伝わることで発生し、倒壊の心配はほとんどない
  • 最も激しい揺れが続くのは基礎解体の2〜3日間で、それを過ぎれば軽減される
  • 我慢できない揺れは、業者に作業時間や工法の調整を相談する
  • 揺れの動画や壁のひび割れを写真で記録し、証拠として残す
  • 改善されない場合は自治体の環境課に相談する
  • 振動規制法の基準は75デシベルで、超えている場合は行政指導の対象になる
  • 被害が出た場合は工事前後の写真で因果関係を証明し、業者に補償を請求できる

まずは、揺れがいつまで続くのかを業者に確認し、見通しを持つことから始めましょう。そして、揺れの状況を記録し、必要に応じて業者や自治体に相談する準備を整えてください。

適切な知識と対処法があれば、不安な日々を少しでも安心して過ごすことができます。この記事が、解体工事の揺れに悩むあなたの助けになれば幸いです。

 

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