日本では築40年以上を超えるマンションは、マンションの法定耐用年数は47年と国税庁が設定されており、これを越えて住むことは出来ますが、資産価値が下がるため建替え・解体することもあります。建替え・解体時に問題になる点として立ち退き問題があります。またマンションの立ち退きは賃貸マンション、分譲マンションによって費用などが異なります。今回はマンション解体における立ち退きについて焦点を当ててご紹介していきます。

立ち退き問題の背景

 多くの都市部で建設ブームが続いており、古いマンションの解体や再開発が盛んに行われており、これに伴い入居者たちは新しい建物への立ち退きを余儀なくされることがあります。立ち退きには入居者側からしてみると引っ越しや費用負担など多くの問題が伴うため、問題解決するための対策が求められています。

長年暮らしてきた場所から強制的に移動させられることで入居者は日常生活を乱されるだけでなく、社会的つながりも失う可能性があります。

また、立ち退きに伴う入居者の権利保護も重要な問題です。入居者たちは適切な補償や移動支援を受ける権利がありますが、実際には不十分である場合など問題が生じる場合があります。自分を守るためにも専門家、地方自治体などを頼ることが大切です。

そもそもマンションの寿命は?

 マンションの寿命とは何を基準に判断されるかというと、メンテナンスを定期的にされているかによって異なります。国税庁が設定しているマンションの法定耐用年数は47年とされており、この法定耐用年数とは会計上の建物の資産価値がなくなるまでの年数を表しているもので、建設47年でマンションに住めなくなるという意味ではなく、資産価値が下がるとされている年数のことです。

マンションを売ることを考えていないのであれば、メンテナンスを定期的にし、修繕・補修を行うことにより100年近く住むことが出来るとされています。

マンションの建替え・解体理由

 マンションはメンテナンスを定期的にすると100年近く住むことが出来るとお伝えしましたが、老朽化したエレベーターなどの設備や外壁・共用部分の補修、水回りなど修繕・補修を行うには膨大な費用がかかります。

建替えの場合は、エレベーターがないマンションにエレベーターの設置やバリアフリー化、リフォームなどがつきまといます。

また地震の多い日本では老朽化したマンションでは耐震化対策がされているかも問題視されます。新耐震基準と呼ばれる1981年の建築基準法施行令改正以降の耐震基準を満たしていないと震度6以上の大きな地震に対して崩壊しない保証がないため安全性でも不安が残ります。

このような背景から老朽化したマンションは建替え・解体されることが多いです。

限界マンションにならないために

 マンション解体における立ち退きが上手く進まない場合、マンション老朽化が進み「限界マンション」となってしまいます。限界マンションとは、維持管理に限界を迎えたマンションのことで、寿命を迎えたマンションの他にも空室が増加して運営困難となったマンションのことを総称していいます。

分譲マンションの場合、自分の購入したマンションが限界マンションとなったら、入居者にはデメリットしかありません。

・マンションの資産価値が下がり価格をいくら下げても売れなくなる
→老朽化した限界マンションの資産価値は修繕が行えないので日に日に下がります。そのため売価を下げても売れない物件になります。

・建替えが完全に不可能になる
→いざ建替えようとしても入居者は減り十分な費用が捻出出来なくなるため建替えが完全に不可能になります。

・税金だけはかかり続けるので払い続けなければならない
→いくら資産価値がなくなっても固定資産税や都市計画税の税金を払い続けなければなりません。

限界マンションになる前にマンションの建替え・解体をする方が良いと言われています。

マンションの解体費用は誰が負担するか

 マンションの解体には膨大な費用がかかります。では、この解体費用は誰が負担するのでしょうか。

賃貸マンションの解体の場合は、解体費用については管理者(オーナー)が負担します。賃貸マンションの場合は入居者が負担することはないといえます。ただし解体が決まった場合は退去しなくてはなりません。

分譲マンションで売却のためにマンションを解体する場合は、解体費用については入居者が負担します。

分譲マンションで新しいマンションに建替える場合は、毎月集める修繕積立金の一部から出る場合があり、その場合は修繕積立金で賄えない部分を入居者が負担することが多いです。修繕積立金とは、マンションのメンテナンス、修繕に備えて入居者が管理組合を通して積み立てるお金のことです。管理費とは別に月々払っており工事などにも充てられます。

分譲マンションの建替えによる費用は一戸につき1,000万円以上かかります。そこに引越し費用や仮住まい費用が加算されます。

賃貸マンションの場合の解体における立ち退きについて

 賃貸マンションで解体における立ち退きになる際、立ち退きになる理由が管理者(オーナー)の都合によるものであるため、入居者は強制退去をさせられることはありません。つまり管理者が詳しく説明し入居者に立ち退いてもらうことが必要となります。

管理者が立ち退き勧告をする際は、書面・口頭により、遅くても更新日の1年前に行う必要があります。

賃貸マンションで立ち退きの場合は入居者と管理者双方の話し合いにより、管理者から入居者へ立ち退き料が出る場合があります。この立ち退き料は管理者に支払い義務がないため入居者は、もらえるのかもらえないのか、どのくらいもらえるのかを確認することが重要です。

分譲マンションの場合の解体における立ち退きについて

 分譲マンションで解体における立ち退きになる際、賃貸マンションと違いよりややこしくなります。なぜなら、分譲マンションは入居者が「購入した家」だからであり、賃貸マンションのように管理者が全部屋所有するものでないからです。そのため解体における立ち退きになる際は、マンションを購入すると自動的に入る仕組みになっている管理組合により決定になります。賛成数が全体の8割以上になる必要があります。

入居者に解体するか否か判断する権利があることを、「建物の区分所有等に関する法律」を略して一般的には区分所有法と言います。

賛成した場合は解体後に建替えの場合、建替え後の部屋を確保することが出来ます。建替え後の部屋数を増やすことで新たな入居者を入れることにより修繕積立金でまかなえない分の負担を多少おさえることが出来ます。

反対した場合も、賛成数が8割を超えていれば解体・建替えされることになります。その場合居住している部屋を管理組合に買い取ってもらい退去することになります。反対の場合は建替えが行われる前にマンションを売ってしまうのも一つの手です。

分譲マンションでは解体・建替えの場合の立ち退き料は、賃貸マンションと違い管理者から出ることはありません。そのため自身で引越し先・引越し料を出す必要があります。

最後に

マンションの解体における立ち退きは入居者にさまざまな影響を及ぼします。長年暮らしてきた場所を離れる、地域のつながりを失う、新しい環境への適応など社会的な孤独や不安を抱くことがあります。立ち退きになった場合に管理者は入居者へのサポートが必要です。

株式会社エコ・テックの解体工事について

株式会社エコ・テックでは、家屋、建物の事前調査から解体計画の作成だけでなく、解体工事の専門家として様々なアドバイスを行っています。

全国(東京・名古屋・大阪・岡山・福岡等)で、無料相談・無料見積もりを実施しておりますので解体工事に関するご相談がございましたら、お気軽にお問い合わせください。

参考URL

マンション政策|国土交通省
(https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/jutakukentiku_house_tk5_000040.html)

耐用年数(建物/建物附属設備) | 国税庁
(
https://www.keisan.nta.go.jp/h30yokuaru/aoiroshinkoku/hitsuyokeihi/genkashokyakuhi/taiyonensutatemono.html)

建物の区分所有等に関する法律| e-Gov法令検索
(https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=337AC0000000069)