建物の老朽化や改築、相続した家が空き家になっているなど、戸建住宅の解体が必要な場合があります。今回は戸建の構造について述べた後、構造別解体費用の相場について、戸建解体工事の流れについてご紹介していきます。

戸建の構造別寿命は?構造について

日本で普及している戸建の構造は木造住宅です。日本の戸建住宅の90%以上が木造住宅です。その木造住宅の寿命は30年~80年と言われています。また、鉄筋コンクリート造(RC造)の場合40年~90年、鉄骨造(S)の場合30年~60年といわれています。

木造とは、建物の柱、梁、桁、小屋組み、壁など主要な部分を木材で作る構造のことです。

メリットとしてはデザイン性の高さ、鉄筋コンクリート造(RC)や鉄骨造(S)と比べて軽量なため施工性が高いこと、調湿効果があること、デメリットとしてはシロアリ被害や劣化の可能性がある、取り除けない柱や壁がある、施工する職人に仕上がりが左右されることが挙げられます。

鉄筋コンクリート造(RC)とは、型枠と呼ばれる建物の形をした仮設の枠の中に鉄筋を組み、コンクリートを流し込んで固めた構造のことです。

メリットとしては耐久性・耐震性・耐火性・断熱性・防音性が高いこと、デメリットとしてはコンクリートや鉄筋でできた重量が大きいため木造や鉄骨造(S)と比べると大きな空間が作りにくいこと、気密性が高いため結露が発生しやすいことが挙げられます。

鉄骨造(S)とは、柱や梁などに鉄骨を使用した構造で鉄骨の厚さが6mm以上は重量鉄骨造、6mm未満は軽量鉄骨造に分類されます。

メリットとしては建設コストが比較的安価なこと、工期が比較的短くすむこと、デメリットとしては鉄筋コンクリート造(RC造)と比べ遮音性・耐久性・耐震性などが劣ることが挙げられます。

戸建住宅の寿命は各構造別にみても大体築30年ほど。マンションの寿命は法定耐用年数で47年とされており、戸建の寿命の方が早いです。その大きな理由として、日本の住宅市場の特徴が挙げられます。質よりも安価で建てることにより劣化が早い、中古住宅の資産価値が低く評価される日本の中古住宅市場により好まれないこと、戦後建築された住宅は耐久性や耐震性を重視した強度の構造の家が少なかったことなどが挙げられます。

ただし家の寿命はメンテナンス次第で延ばすことが出来ます。長く住みたい場合は定期的なメンテナンス・リフォームが必要となります。

戸建の建替え・解体理由

 戸建はメンテナンスを定期的にすると長く住むことが出来るとお伝えしましたが、老朽化した外壁・水回りなど修繕・補修を行うには膨大な費用がかかります。戸建の場合10年毎にメンテナンスをしていかなければなりません。またリフォームも加わると費用がかさみます。

家族が亡くなって相続した空き家を賃貸にするために建替え、更地にするため解体する場合も多いです。

また地震の多い日本では老朽化した戸建は耐震化対策がされているかも問題視されます。新耐震基準と呼ばれる1981年の建築基準法施行令改正以降の耐震基準を満たしていないと震度6以上の大きな地震に対して崩壊しない保証がないため安全性でも不安が残ります。

このような背景から老朽化した戸建は建替・解体されることが多いです。

建替のメリットは、間取りや設備を最初から設計出来ること、耐震性を向上することが出来る、部分的なリフォームやリノベーションを何度も繰り返すよりも一度建て替えてしまった方が結果的に安く抑えられる可能性があること等で、デメリットとしては建物の基礎部分から取り壊すためリフォームやリノベーションよりも施工期間が長くなること、固定資産税が高くなる可能性があること等が挙げられます。

解体のメリットは、老朽化した戸建が倒壊するのを防ぐ、土地を売却しやすくなる、空き家の管理にかかる費用や手間がなくなる等で、デメリットとしては、税金が高くなること、解体費用が発生する等が挙げられます。

戸建の構造別の解体費用

 戸建を解体する場合、構造の種類別に解体費用は異なってきます。戸建の構造は、大きく分けて木造・鉄筋コンクリート造(RC造)・鉄骨造(S造)3種類に分かれます。

木造の解体費用は坪単価平均30,000円~50,000円です。鉄筋コンクリート造(RC)や鉄骨造(S)よりも安くすみます。木造は壊しやすいため他の構造と比べて解体に手間がかかりません。

鉄筋コンクリート造(RC)の解体費用は鉄骨造(S)より高く坪単価平均は60,000円~80,000円です。解体にかかる振動や音が大きいため解体に時間がかかります。

鉄骨造(S)の解体費用は、鉄筋コンクリート造(RC)より安く坪単価平均は50,000円~70,000円です。解体の時間も鉄筋コンクリート造(RC)と比べて短くなっています。

このようにマンションの構造の種類によって解体費用は異なります。また2階建てと平屋でも費用は変わってきます。平屋の方がコンクリート施工の基礎部分が大きいため解体費用が高額になるといわれています。

他にも解体費用が高くなる場合として、隣接する土地との距離が近い場合・土地の間口や周辺道路が狭く重機を搬入しづらい場合・家財道具を残したまま解体する場合・解体現場の立地が解体業者や産業廃棄物処理施設から遠い場合などが挙げられます。

戸建解体工事の手順

 戸建の解体工事を行うにあたって大まかにステップ8まであります。

①業者への問い合わせ、②解体現場の現地調査、③プランニング・お見積もりのご説明、④建設リサイクル法による届出書申請、⑤ライフラインの撤去、⑥近隣対策、⑦解体工事開始、⑧整地・立ち会い

ステップ①~⑧まで弊社、株式会社エコ・テックでの流れを用いて説明した後各ステップ事に詳細にご説明します。

ステップ① 業者への問い合わせ

マンション解体工事の旨を業者に問い合わせします。弊社にお問い合わせをいただく場合は、お問い合わせフォーム(https://www.eco-j.co.jp/contact)または、電話、メール、ファックスにてお問い合わせください。メール・ファックスの場合は、「お名前・解体建築物の概要・連絡先」などを明記の上、ご連絡ください。解体工事の無料相談も実施しておりますので、お気軽にご相談ください。

ステップ② 解体現場の現地調査

解体業者が決まったら、解体工事の内容や費用を算出するため、建築物の面積や、その他の撤去物などを調査します。養生範囲の確認や、解体後の用途などの確認させていただきます。関西圏内(大阪・京都・兵庫・滋賀・奈良・和歌山)、いつでもご訪問いたします。

ステップ③ プランニング・お見積りのご説明

現地調査後、お見積もりをご提出いたします。土壌汚染対策やアスベスト対策・ダイオキシン対策を要する場合は、解体工事企画に含めてご提案させていただきます。特に土壌汚染対策・アスベスト対策・ダイオキシン対策に関しては、法令で対処方法が厳しく定められていますので、調査の実施方法や行政の届出などに関しても詳しくご説明させて頂きます。

ステップ④ 建設リサイクル法による届出書申請

建築の延床面積が80㎡を超える場合は、建設リサイクル法による事前届出が義務付けられており、各市町村へ届出を行います。

ステップ⑤ ライフライン撤去

ガス、電気、電話、水道などライフラインの引き込み配管、配線の撤去について段取りします。電力会社や水道局、ガス会社への連絡についてもご相談ください。

ステップ⑥ 近隣対策

着工前のご挨拶を行います。工事の概要をご説明し、騒音や振動、粉じんなどに関する近隣クレームが発生しないよう、ご説明にあがります。

ステップ⑦ 解体工事開始

工事看板の設置、足場養生や防音シート対策など、工事現場の安全性確保、騒音・粉じんを避ける対処を行い、解体工事を行います。安全第一の施工ですのでご安心ください。

ステップ⑧ 整地・立ち会い

建築物の基礎を撤去した後、更地化します。工事完了後、現地をご確認いただき、ご納得いただきましたら工事完了となります。

最後に

戸建の解体工事の費用は戸建の構造により異なることを述べてきました。また解体工事そのものの費用に加え重機回送費、廃棄物運搬費、その他役費が加わります。解体時にアスベストが使用されている場合はさらに費用が高くなります。解体の計画を立てる際には、複数の業者からの見積もりを比較し追加費用の可能性にも十分備えることが重要です。

株式会社エコ・テックの解体工事について

株式会社エコ・テックでは、家屋、建物の事前調査から解体計画の作成だけでなく、解体工事の専門家として様々なアドバイスを行っています。

全国(東京・名古屋・大阪・岡山・福岡等)で、無料相談・無料見積もりを実施しておりますので解体工事に関するご相談がございましたら、お気軽にお問い合わせください。

参考URL

耐用年数(建物/建物附属設備) | 国税庁
(
https://www.keisan.nta.go.jp/h30yokuaru/aoiroshinkoku/hitsuyokeihi/genkashokyakuhi/taiyonensutatemono.html)

 

建物の区分所有等に関する法律| e-Gov法令検索

(https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=337AC0000000069)