解体工事の現場ではさまざまな危険が潜んでおり、作業員や周囲の人々の安全を確保し、十分な安全対策が不可欠です。今回は解体工事の安全対策をご紹介いたします。

国が定める安全対策

 解体工事の安全対策は法令や規制に基づいて厳格に定められています。国が定める安全対策として、解体業者の労働環境や労働条件の改善を促す内容が、労働安全衛生法・②労働安全衛生規則によって定められています。

①労働安全衛生法

職場における労働者の安全と健康を確保するとともに、快適な職場環境を形成する目的で制定された法律です。その手段として、「労働災害の防止のための危害防止基準の確立」・「責任体制の明確化」・「自主的活動の促進の措置」など総合的、計画的な安全衛生対策を推進するとしています。

解体業者に対して快適な職場環境を形成すること、労働条件の改善を促しており、それが作業員の安全と健康を担保することにつながるとされています。

②労働安全衛生規則

労働者の安全と健康を確保し、快適な作業環境を作り出すための規則です。厚生労働省が労働安全衛生法に基づき制定しました。

作業員が安心して働けるよう、安全かつ衛生的な環境づくりを進めることが目的とされています。

また、国土交通省では「建築物解体工事共通仕様書」によりすべての解体工事で共通の仕様を定めています。例えば解体工事中の安全確保、石綿含有建材の調査、騒音・粉じん等の対策などの「建築物解体工事共通仕様書」によって細かく定められています。

国が定める安全対策の他にも行政ごとの指導が入る場合があります。解体工事を行う地域や自治体によって基準を設けていることもあり、その場合は基準にしたがって解体工事を行わなければなりません。

解体業者が行う安全対策

 解体業者は前述した国が定めた安全対策に基づいて、安全に作業するうえで更に対策をとることが望ましいとされています。解体業者が出来る安全対策を下記で紹介します。

①危険予知(KY)活動

危険予知(KY)活動とは、職場等で起こりうる事故や災害などのいわゆる「危険」を未然に防ぐための活動を指しています。作業者全員で作業内容や危険性について確認したり、危険を回避するためにどうしたらよいか具体的な案を出し合ったり、指差しで安全確認をするなど危険をさまざまな視点から考え行動することで、事故を起こさないために行えることを心がけるものです。

5S活動

5S運動とは職場環境改善、維持を行うためのスローガンです。「整理・整頓・清掃・清潔・しつけ」と、すべての頭文字に「S」がつくため5S運動と呼ばれています。解体工事現場でも日頃から5S運動を心掛け、5S運動を通じて作業環境を整えることにより、作業現場の安全対策を行うことが出来ます。

解体工事の手順

 解体工事を行うにあたって大まかにステップ8まであります。

①業者への問い合わせ、②解体現場の現地調査、③プランニング・お見積もりのご説明、④建設リサイクル法による届出書申請、⑤ライフラインの撤去、⑥近隣対策、⑦解体工事開始、⑧整地・立ち会い

ステップ①~⑧まで弊社、株式会社エコ・テックでの流れを用いて説明した後各ステップ事に安全対策をご説明します。

ステップ① 業者への問い合わせ

マンション解体工事の旨を業者に問い合わせします。弊社へのお問い合わせの場合は、お問い合わせフォーム(https://www.eco-j.co.jp/contact)または、電話、メール、ファックスにてお問い合わせください。メール・ファックスの場合は、「お名前・解体建築物の概要・連絡先」などを明記の上、ご連絡ください。解体工事の無料相談も実施しておりますので、お気軽にご相談ください。

ステップ② 解体現場の現地調査

解体業者が決まったら、解体工事の内容や費用を算出するため、建築物の面積や、その他の撤去物などを調査します。養生範囲の確認や、解体後の用途などの確認させていただきます。関西圏内(大阪・京都・兵庫・滋賀・奈良・和歌山)、いつでもご訪問いたします。

ステップ③ プランニング・お見積りのご説明

現地調査後、お見積もりをご提出いたします。土壌汚染対策やアスベスト対策・ダイオキシン対策を要する場合は、解体工事企画に含めてご提案させていただきます。特に土壌汚染対策・アスベスト対策・ダイオキシン対策に関しては、法令で対処方法が厳しく定められていますので、調査の実施方法や行政の届出などに関しても詳しくご説明させて頂きます。

ステップ④ 建設リサイクル法による届出書申請

建築の延床面積が80㎡を超える場合は、建設リサイクル法による事前届出が義務付けられており、各市町村へ届出を行います。

ステップ⑤ ライフライン撤去

ガス、電気、電話、水道などライフラインの引き込み配管、配線の撤去について段取りします。電力会社や水道局、ガス会社への連絡についてもご相談ください。

ステップ⑥ 近隣対策

着工前のご挨拶を行います。工事の概要をご説明し、騒音や振動、粉じんなどに関する近隣クレームが発生しないよう、ご説明にあがります。

ステップ⑦ 解体工事開始

工事看板の設置、足場養生や防音シート対策など、工事現場の安全性確保、騒音・粉じんを避ける対処を行い、解体工事を行います。安全第一の施工ですのでご安心ください。

ステップ⑧ 整地・立ち会い

建築物の基礎を撤去した後、更地化します。工事完了後、現地をご確認いただき、ご納得いただきましたら工事完了となります。

ステップ① 業者へのお問い合わせ

解体工事の旨を業者に問い合わせします。業者選びで、安全に作業進めてくれる業者を見つけることが、事故に巻き込まれるリスクを減らし安全対策につながるといえます。

ステップ② 解体現場の現地調査

業者へのお問い合わせで解体業者が決まったら、解体現場の現地調査を行います。現地調査の目的は、建物の状態や周囲状況を明らかにし正式な見積もり金額を決定するためです。建物に関しては、図面だけでなく実際に床面積・高さを調べる、建物の構造が何か調査、水道管やガス管の位置、屋根や外壁にアスベストが含まれているか否かを調査します。

他にも現地調査で業者が調査する項目は、重機の搬入・搬出が出来るかを確認するため周辺の道路状況や、工事車両進入路の確認、解体範囲の選出などを詳しく調査します。

現地調査を行わず、書面だけでやり取りする業者もありますが、隣家との距離感など解体現場に来ないとわからないことも多いためトラブルが起きないように実際に現地調査をする解体業者を選ぶことが重要です。

ステップ③ プランニング・お見積りのご説明 

ステップ④ 建設リサイクル法による届出書申請

ステップ⑤ ライフライン撤去

解体する建物のガス、電気、電話、水道などライフラインの引き込み配管、配線の撤去について停止・解約を行います。ガスは配線を切り、電気、電話は電柱からの引き込み部分の取り外しを解体前に行います。水道は解体工事中に作業することがほとんどです。

どのライフラインも早めにライフライン会社への連絡が必要です。

ライフラインを撤去することにより、電気が原因の事故やガス管が損傷した場合に引火して火事になる事故などを未然に防ぐことが出来ます。

 ステップ⑥近隣対策 

ステップ⑦解体工事・ステップ ⑧整地・立ち会い

工事看板の設置、足場養生や防音シート対策など、工事現場の安全性確保、騒音・粉じんを避ける対処を行い、解体工事を行います。解体する建物内に不用品が残っている場合工期が長くなる場合があるため、事前に撤去しておき解体工事を開始することが良いとされています。安全第一で工事するため足場設置や養生を行います。足場設置は作業員の安全を確保するため、養生は粉じん飛散防止・防音対策につながるために行う必要があります。

建築物の基礎を撤去した後、解体工事で出た廃棄物・不用品をまとめて処理場へ運搬し、清掃作業を行い更地化します。近隣クレームを発生させないために近隣へ工事完了の挨拶も必要です。

これらが全て終わると建物解体工事完了となります。

最後に

建物の解体工事の手順と共に安全対策を述べてきました。解体工事の安全対策は徹底的な取り組みが必要です。安全な解体工事を行うことで、作業員だけでなく周囲の人々や建物、環境への影響を最小限に抑え、安心して解体工事を進めることが出来ます。 

株式会社エコ・テックの解体工事について

株式会社エコ・テックでは、家屋、建物の事前調査から解体計画の作成だけでなく、解体工事の専門家として様々なアドバイスを行っています。

全国(東京・名古屋・大阪・岡山・福岡等)で、無料相談・無料見積もりを実施しておりますので解体工事に関するご相談がございましたら、お気軽にお問い合わせください 

参考URL
建築物解体工事共通仕様書 令和4年版 | 国土交通省
 (https://www.mlit.go.jp/common/001472934.pdf)