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解体費用の坪単価はいくら?構造別の一覧と20〜60坪の総額目安

解体を検討して最初に調べるのが「坪単価」ではないでしょうか。ところが調べるほど「木造3万円」「RCは8万円」など数字がばらつき、自分の建物がどこに当てはまるのか分からなくなります。坪単価は構造だけでなく、立地や付帯工事、アスベストの有無で大きく動くため、ひとつの数字では語れないのが実情です。この記事では木造から工場・マンションまで構造別の坪単価を一覧にし、20〜60坪の総額早見表も掲載します。金額の当たりを付け、届いた見積もりが妥当かどうかを判断する材料としてお使いください。

解体費用の坪単価とは?相場に幅が出る理由

坪単価は解体費用をざっくり掴むための指標ですが、算出方法や含まれる工事範囲は業者ごとに違います。まずは数字の意味と、幅が生まれる仕組みを押さえておきましょう。

坪単価の計算方法(総額÷延床面積)

解体の坪単価は「解体工事の総額 ÷ 延床面積(坪)」で計算します。延床面積は各階の床面積の合計で、2階建てで1階60㎡・2階40㎡なら合計100㎡、坪に直すと約30坪です(1坪=約3.3㎡)。

注意したいのは、坪単価が指す範囲が業者によって異なる点です。建物本体の取り壊しと廃棄物処分だけを含める会社もあれば、仮設足場や養生シート、整地まで含める会社もあります。比較するときは単価そのものより、その単価に何が含まれるかを確認してください。

坪単価が業者や条件によって異なる理由

同じ建物でも見積もりに差が出るのは、解体費用の中身が人件費・重機費・廃棄物処分費・運搬費という変動要素の集合体だからです。とくに処分費は建築廃材の受け入れ価格や処分場までの距離に左右され、都市部と地方、あるいは同じ市内でも現場によって差が生じます。

加えて、建物が密集する敷地では重機が入らず手壊し(手作業による解体)の比率が上がり、その分だけ人件費が増えます。坪単価の幅は業者の良し悪しではなく現場条件の違いを映していると考えると、見積もりの読み方が変わります。

【構造別】解体費用の坪単価一覧表

構造ごとの坪単価の目安をまとめました。いずれも建物本体の解体を想定した一般的なレンジで、付帯工事やアスベスト対策費は含みません。

構造・用途 坪単価の目安 特徴
木造 3〜5万円 解体しやすく最も安価。分別解体の手間は必要
軽量鉄骨造 4〜6万円 プレハブ系住宅・小規模店舗に多い
重量鉄骨造 5〜7万円 鉄骨の切断・搬出に手間と重機が必要
RC造(鉄筋コンクリート造) 6〜9万円 コンクリート殻の量が多く処分費が膨らむ
店舗(内装スケルトン) 3〜5万円 躯体を残す原状回復。設備撤去の量で変動
工場・倉庫 4〜8万円 設備・基礎の規模と残置物量で大きく振れる
マンション(RC・SRC造) 6〜10万円 高さ・戸数・近隣対策で単価が上がりやすい

木造の坪単価

木造は3〜5万円/坪が中心で、構造の中では最も安く済みます。ただし建設リサイクル法により木材・コンクリート・アスファルトは分別解体と再資源化が義務付けられており、重機で一気に潰して終わりにはできません。築年数が古い家屋は屋根材や外壁材に石綿含有建材が使われている可能性もあり、その場合は別途費用がかかります。20坪・30坪といった一般的な住宅規模での内訳は、木造住宅の解体費用相場を20坪・30坪の坪単価で詳しく解説した記事で確認できます。

軽量鉄骨造の坪単価

軽量鉄骨造は4〜6万円/坪が目安で、厚さ6mm未満の鋼材を使ったプレハブ住宅やアパート、小規模事務所が該当します。鉄スクラップとして売却できる部材がある一方、基礎がしっかりしているぶん撤去の手間が増え、木造より1〜2万円ほど高くなるのが一般的です。

重量鉄骨造の坪単価

重量鉄骨造は5〜7万円/坪程度です。厚さ6mm以上の鋼材を用いた中規模ビルや店舗、倉庫が中心で、ガス切断や大型重機が必要になります。鉄骨の売却益が見積もりに反映されるかどうかは業者によって差があるため、確認する価値があります。

RC造(鉄筋コンクリート造)の坪単価

RC造は6〜9万円/坪と最も高い水準です。コンクリート殻の発生量が木造の数倍にのぼり、処分費と運搬費が重くのしかかるためです。騒音・振動も大きく防音パネルなどの仮設費がかさむうえ、地下室や深い基礎があればさらに上乗せされます。

店舗・工場・倉庫の坪単価

店舗は「建物ごと解体するのか、内装だけ撤去するのか」で費用の性質が変わります。テナント退去時の原状回復は内装スケルトン工事となり、3〜5万円/坪が目安です。厨房設備や什器の量、搬出経路(エレベーターの有無や作業時間の制限)で上下します。店舗解体(スケルトン工事)の坪単価や仕訳の勘定科目を解説した記事では、費用の考え方と経理処理まで整理しています。

工場・倉庫は4〜8万円/坪と幅が大きくなります。生産設備の撤去、床の油汚染対策、屋根の折板やスレートに含まれる石綿、深い機械基礎など、建物本体以外の要素が費用を左右するためです。稼働していた工場では、土壌汚染対策法に基づく調査が必要になるケースもあります。

マンションの坪単価

マンションはRC造・SRC造が中心で6〜10万円/坪が目安です。階数が上がるほど足場・養生の規模が大きくなり、大型重機が使えない立地では階上解体(建物の上に重機を載せて上階から壊す工法)を採用するため単価が上がります。区分所有の場合は建替え決議など解体前の合意形成も必要です。詳しくはマンション解体費用の相場を詳しく解説した記事をご覧ください。

【坪数別】解体費用の総額早見表

坪単価に延床面積を掛けた総額の目安です。付帯工事・アスベスト対策・地中障害物の撤去費は含まないため、実際の見積もりはこれより上振れすることを前提にご覧ください。20坪から60坪までの古家解体費用の目安と旗竿地特有の注意点をまとめた記事では、狭小地や接道条件の悪い土地での上乗せ幅も解説しています。

延床面積 木造 鉄骨造 RC造
20坪 60〜100万円 80〜140万円 120〜180万円
30坪 90〜150万円 120〜210万円 180〜270万円
40坪 120〜200万円 160〜280万円 240〜360万円
50坪 150〜250万円 200〜350万円 300〜450万円
60坪 180〜300万円 240〜420万円 360〜540万円

20坪・30坪の総額目安

一般的な戸建て住宅が該当する規模です。木造30坪なら90〜150万円が中心帯で、庭木の伐採やブロック塀の撤去が加わると20〜50万円ほど上乗せされます。小規模でも重機の運搬費や届出といった固定費は発生するため、小さい建物ほど坪単価は高く出る傾向があります。

40坪・50坪の総額目安

二世帯住宅や小規模アパート、店舗併用住宅が入る規模です。木造40坪で120〜200万円、鉄骨造なら160〜280万円が目安になります。廃棄物量が増えるぶん処分場までの距離が総額に効くため、見積書の「運搬費」「処分費」が数量(t・㎥)と単価で書かれているかを確認しましょう。

60坪の総額目安

アパート、中小規模の事務所や倉庫が該当します。木造で180〜300万円、RC造では360〜540万円と幅が大きく、条件次第でさらに上振れします。延床面積80㎡(約24坪)以上の建築物の解体は建設リサイクル法の対象で、着工7日前までに都道府県知事への届出が必要です(国土交通省)。60坪クラスは当然対象となるため、届出や近隣説明を含めたスケジュールに余裕を持たせてください。

坪単価だけで解体費用が決まらない5つの要因

相場表を見ても「自分の建物に当てはまるのか」と迷うのは自然なことです。総額を動かすのは、次の5つの現場条件だと考えてください。

立地・道路幅員(重機搬入のしやすさ)

前面道路が狭く4tトラックや重機が入れない現場では、小型重機や手壊しに切り替える必要があり、工期と人件費が増えます。坪単価が1〜2万円上がるケースは珍しくありません。旗竿地、隣家との離隔が数十センチしかない密集地、一方通行の商店街などは事前に確認しておきたい条件です。

付帯工事(庭木・ブロック塀・カーポートなど)

建物以外の撤去物は坪単価に含まれません。ブロック塀、門扉、カーポート、物置、庭木、井戸、浄化槽などが対象で、合計で数十万円になることもあります。とくに浄化槽や井戸は埋め戻しの扱いが業者ごとに違うため、見積もり依頼時に必ず伝えてください。

地中埋設物・地盤の状態

解体して初めて出てくるのが、旧建物の基礎、浄化槽、井戸、ガラ(コンクリート片)などの地中埋設物です。撤去には追加費用が発生し、量によっては数十万円規模になります。契約前に「地中埋設物が出た場合の単価」を取り決めておくと、後のトラブルを避けられます。

アスベスト調査・除去の有無

2022年4月以降、一定規模以上の解体・改修工事では石綿の事前調査結果を国へ報告することが義務付けられ、2023年10月からは有資格者(建築物石綿含有建材調査者)による調査が必須となりました(厚生労働省・環境省)。調査費用は数万円から、除去費用は石綿のレベルや面積により大きく変動します。2006年以前の建物は含有の可能性があるため、調査を省いた見積もりはかえって危険です。

産業廃棄物の処分費・運搬距離

解体費用の3〜4割を占めるのが廃棄物の処分・運搬費です。木くず、コンクリート殻、金属くず、混合廃棄物は品目ごとに処分単価が異なり、分別が甘いほど高い「混合廃棄物」として計上されます。家財や在庫が残っていると廃棄物の区分も複雑になるため、可能な範囲で事前に片付けておくと費用を抑えられます。

見積もりの妥当性を見極めるポイント

相場を知る目的は、届いた見積もりが適正かを判断することにあります。金額の高低より、内訳の書き方に注目してください。

極端に安い見積もりに潜むリスク

相場より3割以上安い見積もりには理由があります。よくあるのが、アスベスト調査費や整地費が含まれていない、廃棄物処分費が「一式」でしか書かれていない、契約後に追加請求が積み上がるといったパターンです。不法投棄や不適正処理が行われた場合、排出事業者である発注者が責任を問われる可能性もあります。処理を委託した際はマニフェスト(産業廃棄物管理票)の写しを受け取り、適正に処理されたことを確認しましょう。

相見積もりで比較すべき項目

2〜3社に依頼し、次の項目が揃っているかを横並びで確認します。

  • 建物本体・付帯工事・整地の費用が分けて書かれているか
  • 廃棄物の処分費が品目ごとに数量と単価で示されているか
  • アスベスト事前調査の実施と報告義務への対応が明記されているか
  • 建設リサイクル法の届出や道路使用許可などの手続きが誰の負担か
  • 地中埋設物が出た場合の追加費用の考え方
  • 解体工事業の登録または建設業許可、産業廃棄物収集運搬業許可の有無

金額だけを並べても比較になりません。同じ条件で見積もってもらうため、各社に同じ図面と現地情報を渡すことが前提です。

解体費用の負担を軽くする方法

解体費は決して小さな出費ではありませんが、制度の活用や出口戦略の見直しで負担を抑えられる場合があります。

自治体の補助金・助成金を確認する

老朽化した空き家の除却に補助金を設けている自治体は多く、費用の1/5〜1/2、上限50万円前後という設計が一般的です。要件は自治体ごとに異なり、耐震性の不足や老朽度判定の点数といった条件が付きます。多くの制度は着工前の申請が必須で、契約後や解体後の申請では対象外になります。工事を依頼する前に、建物所在地の市区町村の担当課へ確認してください。

相続・空き家は売却も選択肢に入れる

相続した家屋や長く使っていない土地では、解体してから売るか、現況のまま売るかで手残りが変わります。更地にすると買い手は付きやすくなる一方、住宅用地の特例が外れて翌年度の固定資産税が上がる点には注意が必要です。相続した空き家を一定の要件のもとで売却した場合に譲渡所得から最大3,000万円を控除できる特例もあるため、税理士や不動産事業者に早めに相談すると判断しやすくなります。土壌汚染の懸念がある工場跡地などは、調査結果を整えたうえで売却したほうが取引がスムーズに進みます。

よくある質問

この記事に関してよく寄せられる質問をまとめました。

坪単価に整地費用は含まれますか?

業者によって異なります。砕石を敷く、転圧するなど仕上げのレベルで費用が変わるため、「解体後にどの状態で引き渡されるか」を見積もり段階で確認してください。売却予定なら、買い手に見せられる状態まで含めて依頼すると二度手間になりません。

解体工事の期間はどのくらいですか?

木造30坪の戸建てで、足場設置から整地まで7〜14日程度が目安です。RC造や工場は1か月以上かかることもあります。これに加えて建設リサイクル法の届出(着工7日前まで)やアスベスト事前調査の期間が必要なため、契約から着工まで2〜4週間ほど見ておくと安心です。

アスベストが見つかったら費用はどれくらい増えますか?

石綿のレベル(飛散性の高さ)と面積で大きく変わります。飛散性の低い成形板(レベル3)は比較的抑えられますが、吹付け石綿(レベル1)は隔離養生と負圧除じん装置が必要で、費用も工期も増えます。まずは事前調査で有無と種類を確定させることが第一歩です。

建物が古いほど解体費用は高くなりますか?

傷み具合そのものより、使われている建材の影響が大きいと考えてください。2006年以前の建物は石綿含有建材が使われている可能性があり、その場合は調査・除去費が加算されます。築年数だけで一律に高くなるわけではありません。

まとめ

解体費用の坪単価は木造3〜5万円、鉄骨造4〜7万円、RC造6〜9万円が目安で、店舗の内装スケルトンは3〜5万円、工場・倉庫は4〜8万円、マンションは6〜10万円が中心帯です。ただしこの数字はあくまで出発点で、実際の総額は現場条件で決まります。

  • 坪単価は「総額÷延床面積」。含まれる工事範囲は業者ごとに違う
  • 木造30坪なら90〜150万円が中心帯。付帯工事で20〜50万円上乗せされることもある
  • 立地、付帯工事、地中埋設物、アスベスト、処分費の5つが総額を動かす
  • 安さより内訳の透明性で選ぶ。「一式」表記が多い見積もりは要注意
  • 空き家の除却補助金は着工前申請が原則。契約前に自治体へ確認する

次のアクションはシンプルです。建物の構造と延床面積から本記事の表でおおよその総額を掴み、そのうえで2〜3社に同じ条件で見積もりを依頼してください。相場の当たりが付いていれば、内訳の違いを見抜けるようになります。

アスベスト調査や土壌汚染の懸念がある建物、工場・プラントのように設備撤去を伴う現場では、解体・調査・処分を一貫して扱える事業者に早い段階で相談すると、想定外の追加費用を減らせます。私たちエコ・テックは建築物・プラント解体からアスベスト対策、土壌汚染対策、相続・汚染物件の売買まで対応しています。現地の条件を踏まえた見積もりが必要な際は、お気軽にご相談ください。

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