マンション解体に必要な期間について

マンションを解体するには多くの工程が必要です。そのためマンション解体に必要な期間は各工程ごとにそれぞれ時間を費やすことになります。またマンションの規模や状態によっても異なる場合があります。今回は一般的なマンションの解体に必要な期間についてご紹介いたします。

マンション解体工事の手順

マンションの解体工事を行うにあたって大まかにステップ8まであります。

①業者への問い合わせ、②解体現場の現地調査、③プランニング・お見積もりのご説明、④建設リサイクル法による届出書申請、⑤ライフラインの撤去、⑥近隣対策、⑦解体工事開始、⑧整地・立ち会い

ステップ①~⑧まで弊社、株式会社エコ・テックでの流れを用いて説明した後各ステップ事に解体に必要な期間と共に詳細をご説明します。

ステップ① 業者への問い合わせ

マンション解体工事の旨を業者に問い合わせします。弊社へのお問い合わせの場合は、お問い合わせフォーム(https://www.eco-j.co.jp/contact)または、電話、メール、ファックスにてお問い合わせください。メール・ファックスの場合は、「お名前・解体建築物の概要・連絡先」などを明記の上、ご連絡ください。解体工事の無料相談も実施しておりますので、お気軽にご相談ください。

ステップ② 解体現場の現地調査

解体業者が決まったら、解体工事の内容や費用を算出するため、建築物の面積や、その他の撤去物などを調査します。養生範囲の確認や、解体後の用途などの確認させていただきます。関西圏内(大阪・京都・兵庫・滋賀・奈良・和歌山)、いつでもご訪問いたします。

ステップ③ プランニング・お見積りのご説明

現地調査後、お見積もりをご提出いたします。土壌汚染対策やアスベスト対策・ダイオキシン対策を要する場合は、解体工事企画に含めてご提案させていただきます。特に土壌汚染対策・アスベスト対策・ダイオキシン対策に関しては、法令で対処方法が厳しく定められていますので、調査の実施方法や行政の届出などに関しても詳しくご説明させて頂きます。

ステップ④ 建設リサイクル法による届出書申請

建築の延床面積が80㎡を超える場合は、建設リサイクル法による事前届出が義務付けられており、各市町村へ届出を行います。

ステップ⑤ ライフライン撤去

ガス、電気、電話、水道などライフラインの引き込み配管、配線の撤去について段取りします。電力会社や水道局、ガス会社への連絡についてもご相談ください。

ステップ⑥ 近隣対策

着工前のご挨拶を行います。工事の概要をご説明し、騒音や振動、粉じんなどに関する近隣クレームが発生しないよう、ご説明にあがります。

ステップ⑦ 解体工事開始

工事看板の設置、足場養生や防音シート対策など、工事現場の安全性確保、騒音・粉じんを避ける対処を行い、解体工事を行います。安全第一の施工ですのでご安心ください。

ステップ⑧ 整地・立ち会い

建築物の基礎を撤去した後、更地化します。工事完了後、現地をご確認いただき、ご納得いただきましたら工事完了となります。

 

解体工事の流れ| 株式会社エコ・テック (https://www.eco-j.co.jp/project/kaitai

)より

ステップ① 業者へのお問い合わせの期間

マンション解体工事の旨を業者に問い合わせします。お問い合わせ自体は会社の営業日にもよりますが23日以内には業者からお問い合わせ回答がくる場合が多いため、ステップ①の業者へのお問い合わせは23日程度で出来ます。しかしながら業者の選定に時間がかかるので業者選びに1ヶ月ほど時間がかかる事が多いようです。

ステップ② 解体現場の現地調査の期間

業者へのお問い合わせで解体業者が決まったら、解体現場の現地調査を行います。現地調査の目的は、マンションの状態や周囲状況を明らかにし正式な見積もり金額を決定するためです。建物に関しては、図面だけでなく実際に床面積・高さを調べる、建物の構造が何か調査、水道管やガス管の位置、屋根や外壁にアスベストが含まれているか否かを調査します。

他にも現地調査で業者が調査する項目は、重機の搬入・搬出が出来るかを確認するため周辺の道路状況や、工事車両進入路の確認、解体範囲の選出などを詳しく調査します。

現地調査自体は規模が大きいマンションでない限り数時間で終わりますが、ステップ①のお問い合わせから現地調査する日程を双方話し合いで決めるため実際に現地調査をする日程はお問い合わせ後から数日~数ヶ月かかる可能性があります。

ステップ③ プランニング・お見積りのご説明の期間

弊社、株式会社エコ・テックでは現地調査後お見積もりをご提出いたします。会社によって異なりますが、お見積もりは現地調査後1週間以内に出ることが多いです。そこから業者を決定するまでの期間が追加されるので見積もり確定・業者選定まで2週間はみておいた方が良いです。

ステップ④ 建設リサイクル法による届出書申請の期間

建築の延床面積が80㎡を超える場合は、建設リサイクル法による事前届出が義務付けられており、各市町村へ届出を行います。

建設リサイクル法では、コンクリート、木材、アスファルトなど建設資材を用いた解体工事等の建設工事を行う際に発生する廃材を正しく処理し再利用するために義務付けられた2002年に施行された法律です。各市町村への届出が必要で解体工事開始の7日前までに届出をする必要があります。

届け出をするのは工事の発注者すなわち業者で、届出書・分別解体等の計画等・工事の工程表・設計図又は写真・案内図を提出しなくてはなりません。書類を揃えて提出するのに12週間程度時間がかかります。

ステップ⑤ ライフライン撤去の期間

解体するマンションのガス、電気、電話、水道などライフラインの引き込み配管、配線の撤去について停止・解約を行います。ガスは配線を切り、電気、電話は電柱からの引き込み部分の取り外しを解体前に行います。水道は解体工事中に作業することがほとんどです。

どのライフラインも早めにライフライン会社への連絡が必要です。電気・水道に関しては特に時間がかかるため遅くても工事開始14日前までに連絡しなくてはなりません。ライフライン会社への連絡はすぐ終わりますが撤去出来るまでの期間を考えると2週間はみておいた方が良いと言えます。

ステップ⑥ 近隣対策の期間

解体工事着工前に近隣へ挨拶を行います。解体工事は騒音や振動、粉じんなどがし近隣へ迷惑をかけることとなります。そのため工事の概要を説明し、騒音や振動、粉じんなどに関する近隣クレームが発生しないよう説明し近隣をまわります。マンションの規模、近隣建物の規模にもよりますが、近隣トラブルにならないためにも1週間~2週間はみておいた方が賢明です。

ステップ⑦ 解体工事の期間・ステップ⑧整地・立ち会いの期間

工事看板の設置、足場養生や防音シート対策など、工事現場の安全性確保、騒音・粉じんを避ける対処を行い、解体工事を行います。解体するマンション内に不用品が残っている場合工期が長くなる場合があるため、事前に撤去しておき解体工事を開始することが良いとされています。安全第一で工事するため足場設置や養生を行います。足場設置は作業員の安全を確保するため、養生は粉じん飛散防止・防音対策につながるために行う必要があります。

建築物の基礎を撤去した後、解体工事で出た廃棄物・不用品をまとめて処理場へ運搬し、清掃作業を行い更地化します。近隣クレームを発生させないために近隣へ工事完了の挨拶も必要です。近隣への挨拶は解体工事前に行ったのと同様12週間ほど見ておくのが賢明です。

マンション解体期間は、建物の構造や面積によって異なります。マンションの構造は大きく分けて鉄筋コンクリート造(RC造)・鉄骨鉄筋コンクリート造(SRC造)、鉄骨造(S造)の3種類に分かれます。今回は構造別面積を50坪~100坪の場合の平均期間を算出します。

鉄筋コンクリート造(RC)の解体期間は20日~30日、鉄骨鉄筋コンクリート造(SRC)の解体期間は60日~80日、鉄骨造(S)の解体期間は15日~30日です。天候やその他の問題によって期間が伸びる場合があります。

これらが全て終わるとマンション解体工事完了となります。各工程ごとに期間を述べてきましたが、マンション解体に必要な期間は全工程で大体2ヶ月~半年ほど期間がかかるといえます。

最後に

マンションの解体工事の手順と共に解体における期間を述べてきました。マンションの解体に必要な期間は上記ステップ①~ステップ⑧までの工程を合わせて大体2ヶ月~半年ほどみておく必要があります。更に解体時にアスベストが使用されている場合は期間が長くなります。解体期間を短くしたい場合は段取り良く進めてくれる業者を見つけることが大切です。

株式会社エコ・テックの解体工事について

株式会社エコ・テックでは、家屋、建物の事前調査から解体計画の作成だけでなく、解体工事の専門家として様々なアドバイスを行っています。

全国(東京・名古屋・大阪・岡山・福岡等)で、無料相談・無料見積もりを実施しておりますので解体工事に関するご相談がございましたら、お気軽にお問い合わせください

参考URL

建設業法|法令検索

(https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=324AC0000000100)

建設リサイクル法の概要|環境庁

(https://www.env.go.jp/recycle/build/gaiyo.html)

建設リサイクル法に係る届出の添付書類追加のお願い|千葉県

(https://www.pref.chiba.lg.jp/gikan/tetsuzuki/recycle-tenpu.html)

建設工事に係る資材の再資源化等に関する法律 | 法令検索 (https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=412AC0000000104)

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土壌汚染対策に必要な資格について

土壌汚染対策に関わるためには実務経験も必要ですが、土壌汚染対策法に基づく指定調査機関は技術管理者を専任しなければならなく、その技術管理者になるためには、国家資格「土壌汚染調査技術管理者試験」に合格しなければなりません。今回は土壌汚染対策法に基づく調査・指定調査機関について述べた後、こちらの「土壌汚染調査技術管理者試験」についてご紹介していきます。

土壌汚染対策法の目的

土壌汚染とは、土壌が人間にとって有害な物質によって汚染された状態をいいます。原因としては工場の操業に伴い原料として用いる有害な物質を不適切に取り扱ってしまったり、有害な物質を含む液体を地下に染み込ませてしまったりすることなどが考えられます。土壌汚染の中には人間の活動に伴って生じた汚染だけでなく、自然由来で汚染されているものも含まれます。

この土壌汚染による人の健康被害を防止するために出来たのが土壌汚染対策法です。土壌汚染対策法では、土壌汚染を見つけ(調査のきっかけ及び方法)、公に知らせ(区域の指定及び公示)、健康被害が生じる恐れがある土地は汚染の除去等の措置を行い、健康被害が生じないような形で管理していく(形質変更時及び搬出時の事前届出等)しくみを定めています。(1)

土壌汚染対策法に基づく指定調査機関について

土壌汚染が見つかった場合、土壌汚染対策法に基づく調査を行わなくてはなりません。この土壌汚染状況調査には大きく分けて4つあります。

①有害物質使用特定施設の使用の廃止時

②一定規模以上の土地の形質変更の届出の際に土壌汚染のおそれがあると都道府県知事が認めるとき

③土壌汚染により健康被害が生ずるおそれがあると都道府県知事が認めるとき

④自主調査

いずれも環境大臣又は都道府県知事が指定する指定調査機関が環境省令で定める方法により調査を行わなければならなくなっています。

この土壌汚染対策法に基づく指定調査機関とは、土壌汚染対策法第3条、第4条、第5条及び第16条に基づいて土壌汚染状況調査等を実施することのできる唯一の機関のことです。指定調査機関以外が行う調査は法に基づいた調査とはなりません。指定調査機関は、土壌汚染状況調査等を行うことを求められた時には、正当な理由がある場合を除き土壌汚染状況調査等を行わなければならない義務が課せられています。

土壌汚染の調査は、試料の採取地点の選定、試料の採取方法などにより結果が大きく左右されるため、調査結果の信頼性を確保するためには調査を行うものに一定の技術的能力が求められます。そのため、調査を的確に実施出来る者を環境大臣又は都道府県知事が指定し、土壌汚染対策法に基づく調査を行う者は、当該指定を受けたもののみに限るとともに、指定調査機関について、必要な監督等を行っています。(2)

土壌汚染調査技術管理者試験について

土壌汚染調査技術管理者試験は、環境大臣が実施する土壌汚染対策法に基づく技術管理者の資格取得のための試験です。先述したように土壌汚染対策法に基づく指定調査機関は、土壌汚染状況調査等の技術上の管理をつかさどる者として技術管理者を専任し、土壌汚染状況調査等に従事する他の者を監督させなければなりません。

技術管理者は環境大臣が実施する試験に合格し、環境大臣が交付する技術管理者証の公布を受けた者である必要があります。(3)

この技術管理者の制度は平成22年の土壌汚染対策法改正によって指定調査機関の指定基準の厳格化の一貫であり、土壌汚染調査技術管理者試験に合格した技術管理者、3年以上の実務経験等がなければ指定調査機関としての要件を満たせず土壌汚染対策法に基づく調査を行うことが出来ません。

令和4年度の土壌汚染調査技術管理者試験概要

令和5年度の土壌汚染調査技術管理者試験についてはまだ概要が発表されていません。試験日時や試験会場等は変更があると思いますが、受験資格や出題分野などは変更がほとんどないと思うので、昨年令和4年度の試験概要を紹介します。

受験資格

年令、学歴、実務経験などに関係なく受験できます。

注 技術管理者証の発行には土壌汚染対策法に基づく指定調査機関及び指定支援法人に関する省令第5条第1項第2号の規定に適合することを証明した書類が必要です。

②試験方法

土壌汚染状況調査等を的確かつ円滑に遂行するために必要な知識及び技能を有するかどうかを判断します。

筆記試験(択一式マークシート方式)

③出題分野

.土壌汚染の調査に関する技術的事項

.土壌汚染の対策並びに汚染土壌の搬出、運搬及び処理に関する技術的事項

.土壌汚染対策法そのほか環境関係法令に関する事項

④受験手数料

土壌汚染調査技術管理者試験受験手数料6,400

受験申請に必要なもの

.受験申請書:一式

.収入印紙

Ⅲ.写真1

.申請書送付用封筒

土壌汚染調査技術管理者試験について| 環境省 (https://www.env.go.jp/water/dojo/kikan/exam/post_23.html)より

技術管理者証交付のための申請手続き

土壌汚染調査技術管理者に合格した後、技術管理者証の交付を受けるためには、技術管理者試験合格後、別途手続きが必要になります。

以下①~⑥を揃えて交付申請書を土壌汚染調査技術管理者試験運営事務局に送付しなくてはなりません。

①技術管理者証交付申請書(合格通知に同封)

②収入印紙

③本籍の記載のある住民票の写し

④技術管理者試験の合格証書(原本)

⑤土壌汚染対策法に基づく調査機関及び指定支援法人に関する省令第5条第1項第2号の規定に適合することを証明した書類

以下のイ~ハのいずれかに該当する者である必要があります。

.土壌の汚染の状況の調査に関し3年以上の実務経験を有する者(3年以上とは、技術管理者証の交付申請時において、年1回以上調査を実施した年が3回以上あり、かつ、最初に調査を行った時期から交付申請日までに3年間以上の期間が経過していることが必要です。)

.地質調査業又は建設コンサルタント業(地質又は土質に係わるものに限る。)の技術上の管理をつかさどる者

.土壌の汚染の状況の調査に関しイ及びロに掲げる者と同等以上の知識及び技術を有すると認められる者

⑥交付申請手数料

合格した日から3年以内に技術管理者証の交付申請を行わなければ合格証書が無効となるので注意が必要です。

パンフレット「令和4年度 土壌汚染調査技術管理者試験受験の手引き」| 環境省 (https://www.env.go.jp/content/000038974.pdf)より

技術管理者証の更新・再交付について

技術管理者証には有効期限があり、5年で更新となります。有効期限の更新を受けたい場合は、有効期限が満了する日の1年前から満了する日までの間に、環境大臣が行う講習を受講し、更新講習を修了した旨の証明書を受け取り、これを添付して環境大臣に提出する必要があります。更新講習を受講しただけでは技術管理者証は更新されないため注意が必要です。また、技術管理者証の有効期限が満了する日の直前ではなく可能な限り早めに受講・申請することが大切です。

技術管理者証の交付を受けている者が技術管理者証を破り、汚し、又は失ったときは、再交付の申請ができます。再交付の場合は指定の申請書に再交付申請手数料分の収入印紙を貼ることにより納付して申請する必要があります。

最後に

昨年令和4年度の土壌汚染調査技術管理者試験の受験申請者数は979名、受験者数は748名、合格者数は113名の合格率は15.1%でした。年に1回の試験なので計画を立てて勉強することが大切です。また令和5年度以降の試験概要についてはまだ発表されていないため受験を希望される方は、環境省のホームページを随時チェックすることをおすすめします。

株式会社エコ・テックの土壌汚染対策工事について

株式会社エコ・テックでは、調査・分析だけでなく対策方法のプランニングや土地の活用方法のご提案まで、土壌汚染の専門家として様々なアドバイスを行っています。土壌汚染にまつわる一連の問題解決に向け、調査から浄化、リサイクルまで、トータルで承ります。全国(東京・名古屋・大阪・岡山・福岡等)で、無料相談・無料見積もりを実施しておりますので土壌汚染に関するご相談がございましたら、お気軽にお問い合わせください。

(1) パンフレット「土壌汚染対策法のしくみ」| 環境省 (https://www.env.go.jp/water/dojo/pamph_law-scheme/index.html)

(2) 土壌汚染対策法に基づく指定調査機関の指定について| 神奈川県 (https://www.pref.kanagawa.jp/docs/pf7/dojyou/tyousakikan-sitei.html)

(3) 土壌汚染調査技術管理者試験について| 環境省 (https://www.env.go.jp/water/dojo/kikan/exam/post_23.html)

 

参考URL

土壌汚染対策法について(法律、政令、省令、告知、通知)| 環境省 (https://www.env.go.jp/water/dojo/law/kaisei2009.html)

土壌汚染調査技術管理者試験について| 環境省 (https://www.env.go.jp/water/dojo/kikan/exam/post_23.html)

令和4年度土壌汚染調査技術管理者講習について| 環境省 (https://www.env.go.jp/water/dojo/kikan/exam/post_25.html)

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アスベスト除去の補助金について

アスベストが含まれる建物を解体する際は、通常の解体工事作業に加え、アスベスト除去の工事も実施する必要があります。アスベストの除去工事は危険を伴うため、専門知識や特別な措置や作業が必要なので、通常の解体作業と比較すると高額になります。高額となるアスベスト処理ですが、国土交通省や地方自治体が補助金・助成金制度があるので上手く利用しましょう。各自治体によって申請方法や必要な手続きが異なるので事前にしっかりと確認しましょう。この記事ではアスベスト除去の助成金について説明していきます。

アスベストとは

石綿(アスベスト)は安価で、耐火性、断熱性、防音性、絶縁性耐、薬品性、耐腐食性、耐摩耗性など多くの機能において優れていたため、耐火、断熱、防音等の目的で使用されてきました。

アスベストの危険性について

アスベストは、非常に細かな繊維でできており、空気中に飛散すると呼吸とともに人間の肺に入り込み、分解されることなく肺に残ってしまう性質を持ちます。そして10~40年という長い期問を経て、肺がん、じん肺、中皮腫という重大な病気を発症させます。

労働安全衛生法等の法令の規制対象となるアスベストは、現在では製造や使用が禁止されています。しかしアスベストが規制される以前に建てられた建物にはアスベストが含まれており、今後そのような建物の解体が必要となります。アスベストを含む建築物等の解体・改修工事を行う場合には、石綿障害予防規則等の法令に基づき、アスベスト含有の有無の事前調査、労働者に対するアスベストばく露防止措置、作業の記録・保存などを行う必要があります。

アスベストの解体費用について

解体する建物にアスベストが含まれていた場合、解体工事前にアスベスト除去工事を行う必要があります。

アスベストの解体費用の相場は以下です。

アスベスト処理面積

解体費用相場

300㎡以下           

2.0万円/㎡ ~ 8.5万円/㎡

300㎡~1000㎡    

1.5万円/㎡ ~ 4.5万円/㎡

1000㎡以下         

1.0万円/㎡ ~ 3.0万円/㎡

上野表を見ると、1㎡あたりに価格幅があるのがわかります。アスベストは発じん性によってレベル分けがされています。

アスベストレベルは1~3まであり、アスベストレベル1が最も危険性が高いです。

アスベストレベル1解体費用相場

アスベストレベル1の解体費用相場は1.5万円~8.5万円です。アスベストレベル1は最も発じん性が高く、建物の柱や梁、天井に石綿とセメントの合剤の「アスベスト含有吹付け材」が吹き付けられていることが多く、アスベスト濃度と飛散性の両方が高いので非常に注意が必要です。「アスベスト含有吹付け材」が吹き付けられているため、処理免責が広くなる傾向にあるため、除去の作業費用は高額になりやすいです。

アスベストレベル2の解体費用相場

アスベストレベル2の解体費用は、1㎡あたり1万円~6万円が目安です。アスベストレベル2の取り扱い建材の種類は石綿含有保温材、耐火被覆材、断熱材などが挙げられます。

アスベストレベル2も飛散性とアスベスト濃度が高く、解体工事には注意が必要です。

アスベストレベル3の解体費用相場

アスベストレベル3の解体費用の目安は0.3万円/㎡です。アスベストレベル3の解体作業はアスベストレベル1や2と比較するとアスベストの飛散リスクが低いため、解体費用は低くなります。

一般的な住宅もアスベストレベル3に相当する可能性があるので、住宅を例に挙げると30坪二階建ての建物の場合、屋根にアスベストが使用されていた場合は解体費用がおおよそ20万円です。同じく30坪二階建ての建物で外壁にアスベストが使用されていた場合は、解体費用がおおよそ30万円~40万円となります。

その他、内壁や配管にスベスト含有建材が貼り付けられている場合は、1㎡あたり1万円~6万円程度の除去費用がかかり、天井や梁、柱などにアスベストが吹き付けられている場合は、撤去に1㎡あたり1.5万円~8.5万円程度かかります。

アスベストの補助金・助成金について

アスベストに関する補助金・助成金には地方公共団体によって異なりますが、アスベスト解体の調査または除去に対して補助金が支給されます。

アスベスト除去工事の補助金

民間建築物に対するアスベスト除去、または囲い込み、封じ込めに関して国土交通省は補助制度を創設しており、補助金制度がある地方公共団体において、活用することができます。

吹付けアスベスト、アスベスト含有吹付けロックウールが補助の対象です。

対象建築物

吹付けアスベスト等が施工されている住宅・建築物

対象とする費用内容

対象建築物の所有者等が行う吹付けアスベスト等の除去、封じ込めまたは囲い込みに要する費用(建築物の解体・除去を行う場合にあってはアスベスト除去に要する費用相当分)

国の補助率

地方公共団体の補助額の1/2以内(かつ全体の1/3以内)

アスベスト調査の補助金

民間建築物に対するアスベスト調査等に関して、国土交通省は補助制度(住宅・建築物アスベスト改修事業)を創設しており、補助金制度がある地方公共団体において、活用することができます。

吹付けアスベスト、アスベスト含有吹付けロックウールが対象です。

対象建築物

吹付けアスベスト等が施工されているおそれのある住宅・建築物

補助内容

吹付け建材中のアスベストの有無を調べるための調査に要する費用

国の補助額

限度額は原則として25万円/棟(民間事業者等が実施する場合は地方公共団体を経由)

アスベスト除去作業までの手順

1.事前調査

解体予定の建築物にアスベスト建材が含まれているか調査します。

1.)書面調査

2.)現地調査(現地による目視調査)

3.)採取

4.)分析調査

5.)報告書の作成

2.作業計画の作成

1.)作業の方法及び順序

2.)粉じんの発散の防止方法

3.)労作業者の石綿等の粉塵のばく露を防止する方法

4.)石綿作業主任者の選任

5.)石綿濃度の測定

6.)解体廃棄物等の処理方法

7.)周辺環境対策

3.除去作業準備

1.)養生の実施

2.)仮設工事の実施

3.)設備機器等撤去作業

4.除去作業

レベル1はそのまま解体工事してしまうと、大量のアスベストが飛散する危険性があります。まずはアスベスト撤去作業が必要になるのです。

除去方法の種類

①囲い込み

封じ込め工法とは建物内のアスベストを固定させるための溶剤を吹きかけて外側からアスベストが飛散しないように封じ込めるという方法です。

封じ込め工法の特徴は外側からアスベストを固める作業のため工事期間が短く、アスベストが飛散する可能性も極端に低いことから工事中に近隣にアスベストが蔓延する可能性も避けることができます。また工事費用も比較的抑えられるというメリットがあります。

②封じ込め

囲い込み工法とはアスベストが露出している部分をそのままに、非アスベストをその外側から取り付けてアスベストを完全に密封し飛散を防ぐという方法です。

囲い込み工法の特徴としては封じ込め工法同様に工事期間を短縮できるという点とフォーム工事期間に囲い込み工法を行うことで一定の効果を得られるという利点があります。

しかし、封じ込め工法や囲い込み工法のどちらの場合も工程に違いはありますが、アスベストを完全に除去できるわけではありません。

そのため、またアスベストが露出して飛散する確率はゼロではないという懸念があるため、飛散性が高い場合には除去工法が積極的に進められています。

除去の手順

1.)集塵・排気装置の稼動

2.)抑制剤による湿潤化

3.)抑制剤の効果を確認後、ケレン棒等により吹付けアスベストを掻き落とす

4.)状態に応じて、再度抑制剤を吹付けた後、ワイヤーブラシ当を使用して付着しているアスベストを取り除く

5.)目視により除去が十分に行われたことを確認後、吹付けアスベスト除去面に粉塵飛散防止処理剤を散布する

事後作業

1)施工区画内の清掃         

2.)養生・仮設物等の撤去

3.)除去した建材の搬出   

4.)後片付け、仕上清掃

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アスベスト調査の検体について

大気汚染防止法および石綿障害予防規則の改正により、令和4年4月1日以降、個人宅を含む一定規模以上の解体・改造・補修工事について、アスベストの有無に関わらず石綿(アスベスト)の事前調査結果の報告が義務化されます。さらに令和5年(2023年)10月からは有識者によるアスベストの事前調査・分析が義務化されることが決まっています。この記事ではアスベスト調査や調査に必要な機械についてご説明していきます。

アスベストとは

石綿(アスベスト)は安価で、耐火性、断熱性、防音性、絶縁性耐、薬品性、耐腐食性、耐摩耗性など多くの機能において優れていたため、耐火、断熱、防音等の目的で使用されてきました。しかし、アスベストに関する健康への被害が判明し、1975年に5重量%を超えるアスベストの吹き付けが原則禁止とされました。

アスベストの危険性

アスベストは肉眼では見ることができない程繊維が細かいため、飛散しやすく人が吸い込んだ際に人体に影響を及ぼすことが判明しています。またその健康被害はアスベストを吸い込んでから長い月日をかけて現れると言われており、その潜伏期間は平均40年ということがわかっています。また、WHOの報告により、アスベストの繊維は、肺線維症(じん肺)、悪性中皮腫の原因になることがわかっており、肺がんを起こす可能性があることが知られています。

アスベスト調査とは?

解体予定の建物にアスベストが含まれているかどうかの調査を意味します。アスベストが含まれた建物をそのまま解体してしまうと、作業者や近隣住民に重大な健康被害をもたらす可能性があるため、解体前にしっかりとアスベストの有無を調査した上でアスベストが含まれていた場合は慎重に除去作業を行う必要があります。

アスベストの種類

アスベストは石綿(いしわた、せきめん)とも呼ばれる天然の鉱石です。蛇紋石族と角閃石族に分類され、下記に示す6種類があります。分析対象もこの6種類全てとなっています。

分類

石綿名  

備考

蛇紋石族

クリソタイル(白石綿)

ほぼ全ての石綿製品に使用されていて、世界で使用された石綿の約9割を占めると言われています。

角閃石族

アモサイト(茶石綿)

クリソタイルに比べ、毒性が高く1995年に製造、使用が禁止されました。

クロシドライト(青石綿)

 

2008年より分析対象として新たに追加された石綿

アクチノライト 

トレモライト

アンソフィライト

サンプル採取作業について

採取場所の養生

サンプル採取の際は保護具の着装と採取場所の養生を行います。採取作業時に床に落ちたり、飛散したりする可能性があり、通行人や周囲の第三者が吸引してしまう恐れがあります。必ず養生は行いましょう。また、採取場所に第三者が近づいたり通行する場合、近づかないように周知や立ち入り禁止区画をしましょう。

採取作業

採取場所の養生が完了したら、実際にサンプル採取作業を行います。サンプル採取は建材ごとに異なり、主な建材は以下の4つに分かれます。

・吹付材

・形成板

・保温材・断熱材・耐火被覆材

・仕上げ塗料材

それぞれの建材によって、採取方法や使用する道具が異なります。

吹付材

1つ目の建材は、吹付材です。吹付材は、主に天井や壁に使用されている場合が多いです。採取方法としては、採取箇所に水を使って飛散防止措置を行います。このとき、スプレー用の容器に入れて吹くと、効率よく飛散防止ができます。

採取箇所が湿ったら、約10㎤程度をスクレーパーで採取します。約3箇所分の採取ができたら、最後に採取部分に飛散防止材を吹き付けて完了です。

形成板

2つ目の建材は、形成板です。形成板は、主に床や壁、天井に使用されている場合が多いです。採取方法は、採取箇所に水を使用して飛散防止を行います。採取箇所が湿ったら、約100㎤程度をカッターで採取します。約3箇所分の採取ができたら、補修用のプレートで採取箇所の穴を塞ぐと完了です。

保温材・断熱材・耐火被覆材

3つ目の建材は、保温材・断熱材・耐火被覆材です。主に、天井裏の建材として使用されている場合が多いです。採取方法は、基本的に吹付材と同様の採取方法となっており、カッターやスクレーパーで採取していきます。

仕上げ塗料材

4つ目の建材は、仕上げ塗装材です。仕上げ塗装材は、主に内壁や外壁などに使用されている場合が多いです。採取方法は、採取箇所をビニール袋や養生材で手元を簡易養生します。養生ができたら、約10㎠程度をハンマーとスクレーパーを使って採取します。

このとき、ハンマーで削っていくと、サンプルの破片が飛んでくる恐れがあるため、目に入らないようにゴーグルを確実にしておきましょう。採取ができたら、飛散防止材や変性シリコンなどで補修すれば完了です。

アスベストの主な分析方法

「定性分析」と「定量分析」

アスベストの分析方法である「定性分析」と「定量分析」の違いは以下の通りとなります。

・定性分析:アスベストの有無を調査

・定量分析:アスベストの含有率を調査

アスベストが含まれているかどうかを調べるためには定量分析を行い、アスベストがどの程度含まれているかを調べるためには定量分析を行います。

いずれの分析方法も、試料を採取して検査する点では同じですが、分析の仕方によってアスベストが含まれているかどうか、あるいはアスベストがどの程度含まれているかを調べられます。

定性分析 偏光顕微鏡法

定性分析の方法として「偏光顕微鏡法」があります。アスベストを分析する方法は厚生労働省によって指定されており、偏光顕微鏡法は日本工業規格の「JIS A 1481-1」が該当します。偏光顕微鏡を使用すると、偏光と呼ばれる光を試料に当てることで試料の色の変化や輝度を観察することができます。なお、偏光とは光の振動が規則的であるものを指します。

アスベスト繊維そのものは一般的な顕微鏡である実体顕微鏡で観察できますが、アスベストの種類までは判別できません。判別するためには偏光顕微鏡を利用します。実体顕微鏡で確認した繊維に特定の液剤を浸し、偏光顕微鏡で観察すると、アスベストの種類によって色が変化したり、光の屈折の状態を調べたりすることができます。偏光顕微鏡で観察した状況に基づいて、アスベストの種類を特定することが可能となります。

定性分析 X線回折分析法・位相差分散顕微鏡法

そのほか、定性分析の方法として、「X線回折分析法」と「位相差分散顕微鏡法」があります。これらの分析方法は、日本工業規格の「JIS A 1481-2」が該当します。

X線回折による分析とは、試料にX線を照射した場合に、X線がどのような反応するかを調べたうえで、アスベストの種類を特定する方法です。

ただし、X線回折分析法では、アスベストの種類のうち、トレモライトとアクチノライトを判別することができません。それを判別するための方法が「位相差分散顕微鏡法」です。

位相差分散顕微鏡法では、アスベストを特殊な液剤に浸し、顕微鏡で観察します。アスベストの屈折率に基づいてアスベストの種類を判断します。

定量分析 X線回折分析法

X線回折分析法は、定性分析のほかに定量分析でも行われます。この分析方法は、日本工業規格の「JIS A 1481-3」が該当します。

X線回折装置を利用して試料にX線を照射すると、アスベストが含まれている場合にはX線が反射します。反射したデータをくわしく調べることにより、資料に含まれているアスベストの質量が求められます。

なお、たいていはアスベストの含有率が低いため、試料を作る際に加熱処理をして試料の質量をできる限り減らしておくことで、より正確な含有率を測定できます。加熱後の試料の質量を加熱前の試料の質量で割れば、減量率が求められます。

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