解体工事における付帯工事について

解体工事は、建物や構造物を取り壊す作業のことを指します。しかし、解体工事は単に建物を壊すだけではなく、その過程でさまざまな付帯工事が伴います。今回は、解体工事における付帯工事についてご紹介します。

付帯工事とは

 付帯工事は、解体する建物本体以外のものを撤去する工事のことです。建物本体以外のものの工事はすべて付帯工事となります。

具体的には、ブロック塀の解体、庭木、庭石、井戸、池、物置、門戸・フェンス、残置物、駐車場施工等が付帯工事にあたります。解体工事はあくまでも建物本体の解体であり、これらの撤去は含まれていません。そのため、これらを撤去したい場合は、解体工事とは別に付帯工事という形で解体業者に依頼することになります。

付帯工事費は別途必要

 付帯工事は解体工事とは別のため、一般的に、解体業者から提示される解体工事の見積もりには付帯工事の費用は含まれていません。そのため、解体工事を依頼する際は、解体費用のみならず付帯工事費用も忘れずに確認することが重要です。 

付帯工事にかかる費用は、解体業者によって見積もり方法が異なります。基本的には、廃棄物処理費と人件費ですが、作業範囲や危険度、使用する重機の種類によっても料金が変動します。

したがって、解体工事を依頼する際は、複数の解体業者から見積もりを取り、付帯工事の金額も検討に入れることが大事です。

付帯工事の種類と費用の目安

付帯工事の費用は解体業者によって異なりますが、相場を算出すると、1坪あたり50,000円から60,000円とされています。建物本体の解体費用は、1坪あたり25,000円から40,000円とされているので付帯工事がある場合は付帯工事がない場合と比べ2倍ほど費用がかかることになります。

それでは下記で付帯工事の種類と費用の目安についてみていきましょう。

ブロック塀の解体

ブロック塀の撤去にかかる費用相場は、1㎡あたり2,000円から3,000円とされています。壁を壊した後に出た廃棄物の処分費用が含まれない場合もあるため、事前に確認が必要です。 

庭木の撤去

庭木の撤去にかかる費用相場は、地面から上の部分のみを伐採する場合は110,000円から、地下の根まで除去する伐根もおこなう場合は、150,000円程かかるとされています。このように木の本数や幹の太さ、除去の方法により価格が変動します。

庭石の撤去

庭石の撤去にかかる費用相場は、1 tにつき10,000円とされています。

井戸や池の埋め戻し

井戸や池の埋め戻しにかかる費用相場は、一式30,000円から50,000円とされています。井戸の埋め戻しにはお祓いを伴うことがほとんどですが、これも費用の中に含まれていることが多いです。

物置の撤去

物置の撤去にかかる費用相場は、普遍的なサイズの物置で20,000円から30,000円とされています。物置の撤去の場合は面積あたりではなく、1個あたりという個数に応じた計算方式になることが多いです。

門戸・フェンスの撤去

門戸・フェンスの撤去にかかる費用相場は、一式20,000円とされています。地表面から上で良いのか、コンクリートの基礎ブロックごと撤去するのか等、切断地点や本体の材質等により価格が変動します。

残置物の撤去

残置物の撤去にかかる費用相場は、1㎡あたり8,000円から10,000円とされています。時間や手間はかかりますが、室内の家具や家電をはじめとした残置物の撤去は解体業者に頼まなくても自分で行うことができるため、費用を抑えたい場合は早めに室内の残置物の整理を始めることをおすすめします。

駐車場施工

解体工事後、更地にするのではなく駐車場として活用する場合、この駐車場施工も付帯工事の一つとなります。仕上げ方法は、砕石・アスファルト・コンクリートの中から仕上げ方を選ぶことになります。費用は砕石が一番安価でアスファルト・コンクリートとなると費用が高くなります。

また、駐車場を整備するには運搬費や廃棄物処分の費用も必要となりますが、これらの費用は施工費に含まれているケースが多いですが、すべての解体業者がこの方法をとっているとは限らないため注意が必要です。

500万円以上の付帯工事

付帯工事においては、基本的に専門の技術者は必要ありませんが、500万円以上の費用がかかる工事を行う場合、施工方法は以下の2通りになります。

①自社で主任技術者または監理技術者を配置し施工する

②付帯工事を専門とする他の業者に発注して依頼する

自社に主任技術者または監理技術者がいない場合は付帯工事の建設許可を受けた建設業者に下請を出す必要があります。

解体工事の付帯工事費用を抑えるための業者選定のポイント

 付帯工事の費用を抑えるためには、適切な解体業者の選定が非常に重要です。解体業者選定における主要なポイントを以下でみていきましょう。

複数の解体業者からの見積もりをとる

複数の解体業者から見積もりを取得し、費用や工事内容を詳細に比較します。見積もりの内訳を確認し、どの項目にどれだけの費用がかかるのかを把握することで、費用対効果を検討できます。

また、相見積もりを取ることで、業者間の価格競争が生まれ、最適な価格で契約できる可能性が高まります。そして複数の見積もりを比較することで、業者の価格設定の理由や工事内容の違いを理解しやすくなります。

業者の信頼性と実績

解体業者の過去の実績を確認し、同様の工事をどの程度経験しているかをチェックします。実績のある業者は、工事の品質やスムーズな進行を期待できます。他にもインターネット上の口コミサイトや業者のホームページに掲載されているお客様の声を確認します。実際にその業者を利用した人の評価を参考にすることで、業者の信頼性を把握できます。

コミュニケーション能力

見積もり依頼や問い合わせに対する業者の対応を観察します。迅速かつ丁寧に対応する業者はコミュニケーション能力が高く、信頼できる可能性が高いです。また、工事内容や費用について相談しやすい業者を選びます。疑問点や不安点を丁寧に説明してくれる業者はトラブル発生時にも迅速に対応してくれるでしょう。

契約条件の確認

契約書の内容を詳細に確認し、不明点や不利な条件がないかをチェックします。特に追加費用の発生や工期の変更についての規定は重要です。さらに、工事後の保証内容も確認しましょう。保証期間や対応範囲を把握することで、工事後に問題が発生した場合の対応を事前に確認できます。

コストパフォーマンスの高い業者を選ぶ

見積もり金額が相場に比べて極端に高いまたは低い場合は注意が必要です。極端に安い見積りは、後から追加費用が発生するリスクがあるため、内容を慎重に確認します。また、見積もりの内容だけではなく、提供されるサービスの質も評価します。例えば、現場管理の有無やアフターサービスの内容を確認し、コストパフォーマンスの高い業者を選びます。

付帯工事の費用を抑えるためには適切な業者選定が不可欠です。これらのポイントをしっかりと確認し、慎重に業者を選定することで、付帯工事の費用を効果的に抑えることができます。

最後に

解体工事における付帯工事は、ご紹介したとおり、解体工事とは別物と考える必要があります。複数の業者から見積もりを取って依頼する業者を選ぶことで費用を抑えることができます。また、付帯工事が本当に必要かどうかの判断も大切です。例えば、家具や家電など残置物は自分たちで自治体の粗大ごみ回収業者に依頼して撤去すると付帯工事費用を抑えることができます。解体工事はもちろんのこと、付帯工事も希望通りしてくれる解体業者を探しましょう。

株式会社エコ・テックの解体工事について

株式会社エコ・テックでは、家屋、建物の事前調査から解体計画の作成だけでなく、解体工事の専門家として様々なアドバイスを行っています。

全国(東京・名古屋・大阪・岡山・福岡等)で、無料相談・無料見積もりを実施しておりますので解体工事に関するご相談がございましたら、お気軽にお問い合わせください。

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土壌汚染対策基金について

土壌汚染対策法に基づき実施される土壌汚染対策を円滑に推進するため必要な基金として設置された、「土壌汚染対策基金」という土壌汚染対策のための助成金制度があります。今回は、土壌汚染対策基金についてご紹介します。

土壌汚染対策基金とは

 土壌汚染対策基金は、土壌汚染対策法に基づき実施される土壌汚染対策を円滑に推進するため、環境大臣が指定する指定支援法人(公益財団法人日本環境協会)が、支援業務を行うために必要な基金として設置されたものです。

公益財団法人日本環境協会は、昭和52年、当時の環境省の呼びかけにより民学館の協働のもとで設立され、環境問題や環境保全について国民が理解し、国民各層が自発的、積極的に環境保全活動に参加できるよう、環境保全に関する知識の普及啓発を行っています。

土壌汚染対策基金の支援業務の内容は、

①指定区域内の汚染の除去等の措置を講じる者に対する助成

②土壌汚染状況調査又は汚染の除去等の措置についての相談・助言

③土壌汚染が人の健康に及ぼす影響に関する知識の普及等

です。

土壌汚染対策基金の助成金交付のしくみ

 助成金は、政府からの補助と民間からの出えんによる土壌汚染対策基金から拠出されます。

土壌汚染対策基金からの助成額は、「助成事業により都道府県等が助成する額の2/3の額または当該助成の対象となる対策費用の1/2の額のいずれか低い額以内」です。都道府県等の助成金額は予算の状況等により変わります。

仮に対象となる汚染対策工事費が1億円の場合は、基金からは5000万円、都道府県等からは2500万円助成され、土地所有者は2500万円の負担で済むようになります。

助成金の交付を受けるまでの流れは、

①都道府県等へ交付申請

②都道府県等は交付申請を受理・審査し交付が適当と判断した場合、土壌汚染対策基金へ助成金交付申請を行う

③土壌汚染対策基金は都道府県等からの申請を受け、基金運営委員会を開き申請内容の審議を行う

④基金運営委員会の審議で適当と認められると都道府県等に助成金交付の決定を通知する

⑤都道府県等は基金から助成金に都道府県等負担分の助成金を上乗せする形で土地所有者に対して助成する

となります。

土壌汚染対策基金の助成の対象者について

 土壌汚染対策基金の助成の対象者は、土壌汚染対策法第7条第1項の規定により、汚染の除去等の措置を指示された者(当該汚染を生じさせる行為をした者を除く。)であって、当該者の負担能力が低い場合に助成されます。

土壌汚染対策法第7条第1項とは、

「ただし書の確認に係る土地の所有者等は、当該確認に係る土地について、土地の掘削その他の土地の形質の変更をし、又はさせるときは、あらかじめ、環境省令で定めるところにより、当該土地の形質の変更の場所及び着手予定日にその他環境省で定める事項を都道府県知事に届出なければならない。」

を指しています。

土壌汚染対策法について(法律、政令、省令、告知、通知)| 環境省 (https://www.env.go.jp/water/dojo/law/kaisei2009.html)より

土壌汚染原因者ではない土地の所有者等が汚染除去等の措置をするにあたり、費用負担が困難な場合、都道府県等を通じて助成金の交付が行われます。

土壌汚染対策基金の助成の対象となる条件について

 土壌汚染対策基金の助成の対象となる条件は、次の3つの条件をすべて満たしていることが必要となります。

①「要措置区域」に指定された土地であること

②「汚染原因者が不明・不存在」であること

③「費用負担能力が低い」こと

以下で詳しくみていきましょう。

①「要措置区域」に指定された土地であること

→土壌汚染状況調査で、土壌の汚染状態が指定基準を超過した場合、「要措置区域」または「形質変更時要届出区域」に指定されます。助成対象は、その土地が「要措置区域」に指定され、汚染除去等計画の作成及び提出の指示が出されていることが必要となります。

要措置区域とは、土壌汚染状況調査の結果汚染状態が土壌溶出量基準又は土壌含有量基準に適合せず、土壌汚染の摂取経路がある区域のことです。健康被害が生ずるおそれがあるため、汚染の除去等の措置が必要となります。土地の所有者等は、都道府県知事等の指示に係る汚染除去等計画を作成し、確認を受けた汚染除去等計画に従った汚染の除去等の措置を実施し、報告しなければなりません。また、土地の形質変更を原則禁止とされています。

②「汚染原因者が不明・不存在」であること

→助成対象となる要件は、汚染原因者が不明または不存在であることです。汚染原因者が自ら工事主体となって土壌汚染対策措置を行う場合は助成の対象にはなりません。これは、汚染原因者に対して助成を行うことは汚染者負担の原則に反すると考えられるためです。また、汚染原因者である事業会社等が存在する場合も助成の対象とはなりません。

ここでの「不明」とは、汚染原因者が判明しない場合、「不存在」とは、汚染原因者が倒産等により存在しない場合のことを指します。

③「費用負担能力が低い」こと

→交付を受けようとする方の助成の条件は、「負担能力に関する基準の告示」によって下記のように定められています。

個人(事業を行う個人を除く)の場合

①交付を受けようとする年の前年の所得の額が2000万円未満である者

②助成金の交付を受けようとする年の前年の所得の額が、その者が法第7条第1項の規定により指示された汚染の除去等の措置に要する費用に3分の2を乗じた額に2000万円を加えた額未満である者

③助成金の交付を受けようとする年の前年の所得の額が、その者が法第7条第1項の規定により指示された汚染の除去等の措置に要する費用に2を乗じた額未満である者

ここでの「交付を受けようとする年の前年の所得の額」とは、退職所得の金額、一時所得の金額等継続的でない所得の金額がある場合等その額をその者の継続的所得金額とすることが著しく不適当である場合においては、直前3年の所得の額の平均額のことを指します。

事業を行う個人および法人の場合

助成金の交付を受けようとする事業年度の前年事業年度の自己資本、正味財産又は元入金の額が3億円未満である者 

負担能力に関する基準| 環境省
(https://www.env.go.jp/content/900539998.pdf)より

土壌汚染対策基金の助成金交付申請手続きについて

 土壌汚染対策基金の助成金交付は、要措置区域内で汚染の除去等の措置を講ずる者に対して助成を行う都道府県等に対して行うものです。その後の土壌汚染対策基金への申請手続きは都道府県等が行います。そして土壌汚染対策基金では申請内容の審査を行います。そのため、助成を受けようとする土地所有者等は当該対象地の都道府県等へ申請を行うことで手続きを進めることができます。

土地所有者等から都道府県等への交付申請書は、各都道府県等が定める助成金交付要網の様式によるものとなります。申請時は、当該土地のある都道府県等へご照会ください。

土地所有者等の申請者が申請書以外に用意する書類は、主に下記のとおりです。

申請時

土地に関するもの

閉鎖事項全部証明書、賃貸借契約書の写し(必要に応じて)

所得に関するもの

前年の確定申告書の写しまたは源泉徴収票の写し(個人の場合)

前事業年度の貸借対照表(法人の場合)

汚染対策に関するもの

土壌汚染状況調査結果報告書、詳細調査結果報告書(必要に応じて)、汚染除去等計画書、措置に係る業者の費用見積書(数社)

助成金交付決定後

汚染対策に関するもの

工事の進捗報告書(必要に応じて)、 基金事業完了報告書

精算に関するもの

対策業者との契約書の写し、見積書の写し(内訳書を含む)

支払った事業費用の領収書の写し

土壌汚染対策基金助成金交付事業~土壌汚染対策費用の支援について~|公共財団法人日本環境協会
(https://www.jeas.or.jp/dojo/business/promote/booklet/files/08/all.pdf)より

最後に

土壌汚染対策基金の助成金についての相談は、公益財団法人日本環境協会土壌環境課が、電話・面談による相談を行っています。助成の対象になるかなど、気になる点があれば、まずは公益財団法人日本環境協会土壌環境課へ電話で問い合わせすることをおすすめします。

株式会社エコ・テックの土壌汚染対策工事について

株式会社エコ・テックでは、調査・分析だけでなく対策方法のプランニングや土地の活用方法のご提案まで、土壌汚染の専門家として様々なアドバイスを行っています。土壌汚染にまつわる一連の問題解決に向け、調査から浄化、リサイクルまで、トータルで承ります。全国(東京・名古屋・大阪・岡山・福岡等)で、無料相談・無料見積もりを実施しておりますので土壌汚染に関するご相談がございましたら、お気軽にお問い合わせください。

参考URL

パンフレット「土壌汚染対策法のしくみ」| 環境省
(
https://www.env.go.jp/water/dojo/pamph_law-scheme/index.html) 

土壌汚染対策基金による助成制度について| 環境省
(
https://www.env.go.jp/water/dojo/kikin_josei.html)

負担能力に関する基準| 環境省
(https://www.env.go.jp/content/900539998.pdf) 

日本環境協会について|公共財団法人日本環境協会
(https://www.jeas.or.jp/about/)

 

助成金交付業務|公共財団法人日本環境協会
(https://www.jeas.or.jp/dojo/business/grant/)

土壌汚染対策基金助成金交付事業~土壌汚染対策費用の支援について~|公共財団法人日本環境協会
(https://www.jeas.or.jp/dojo/business/promote/booklet/files/08/all.pdf)

土壌汚染対策法について(法律、政令、省令、告知、通知)| 環境省
(
https://www.env.go.jp/water/dojo/law/kaisei2009.html)

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アスベストに関する都道府県の補助金(京都編)について

目次:
アスベスト調査の都道府県の補助金(京都編)について

1. アスベストに関する国の補助金の対象について

アスベストに関する国の補助金につきましては、

https://www.eco-j.co.jp/blog/20230418.html(アスベスト除去の補助金について)

こちらの記事で以前記載しております。 

アスベストに関する都道府県の補助金は、実はさまざまな種類がありますので、今回は現時点で公開されている京都府の補助金について、説明いたします。 

※本コラムは、2024年6月7日時点での情報を元に記載しております。実際の補助金についてはご相談時に内容が変わっている可能性がございますので、必ず自治体に直接確認するようにお願いいたします。

2. 京都市吹付けアスベスト除去等助成事業

全国的にアスベストによる健康被害が顕在化し、大きな社会問題となっています。過去にアスベストを扱う仕事をされていた方やその家族、アスベストを扱う事業所周辺に居住していた方々に健康被害が発生しており、アスベストを吸入すると、肺がんやアスベスト肺、悪性中皮腫等の原因となるおそれがあると言われています。

そうした状況を踏まえ、京都市では、市民の安心・安全な市街地環境を確保するとともに、アスベストの被害を未然に防止するため、民間の建築物に使用された吹付けアスベストの対策について、次のような支援を行っています。

補助内容

① 含有調査

・補助対象となる費用:吹付け建材についてアスベスト含有の有無及び量を分析調査する費用(消費税及び地方消費税を除く。)

・補助率:100%

・限度額:25万円

② 除去等工事

・補助対象となる費用:吹付けアスベスト(※)の除去、封じ込め又は囲い込みの工事に要する費用(消費税及び地方消費税を除く。)

※吹付け石綿及び含有する石綿の重量が当該建築材料の重量の0.1%を超える吹付けロックウール

・補助率:3分の2

・限度額:100万円

補助対象者の要件

補助対象建築物の所有者で、補助事業を行う者であること。

  • ※ 補助対象建築物が分譲住宅等の区分所有建築物である場合は、管理組合の代表者が補助対象者となります。また、事業を実施する旨の管理組合の決議が必要です。
  • ※ 補助対象建築物に共有者がある場合は、事業の実施に関する共有者全員の同意が必要です。

補助対象建築物の要件

以下の全ての条件にあてはまる建築物であること。

  • ・本市の区域内に存する建築物
  • ・含有調査にあっては、アスベスト含有のおそれがある吹付け建材が使用されている建築物(石綿含有仕上塗材、石綿含有成形版等の吹付け建材以外の建材は対象になりません。)
  • ・除去等工事にあっては、吹付けアスベスト及び含有する石綿の重量が当該建築材料の重量の0.1%を超える吹付けロックウールが現に存する建築物
  • ・継続して使用する予定である建築物(解体予定の建築物には御利用いただけません)
  • ・本補助金のほかに、本補助金の交付の対象となる費用に対して、公的機関から、同種類似の補助金その他の金銭的給付の交付を受けていない建築物
  • ・建築基準法(以下「法」という。)第28条の2の規定について、法第3条第2項の規定の適用を受けている建築物

含有調査について

① 補助の対象となる含有調査

  • ・建築物石綿含有建材調査者が、調査を実施する必要があります。
  • ・含有調査のうち、吹付け建材中のアスベストの有無(定性分析)、アスベストの量(定量分析)を調べる分析調査は、建築物石綿含有建材調査者とは別の方が行うことも可能です。
  • ・建築物石綿含有建材調査者の所属については、元請・下請の別はありません。

② 建築物石綿含有建材調査者とは

  • ・アスベストに関する知識があるだけでなく、建築物の調査の実務に精通しているアスベスト調査の専門家です。

③ 分析調査について

  • ・厚生労働省の通達(令和3年12月22日 基発1222第18号 等)に規定された分析法により行う必要があります。
  • ・定性分析、定量分析の2つの分析により、アスベスト含有の有無、含有量の判定を行います。

除去等工事について

① 補助の対象となる除去等工事

  • ・建築物石綿含有建材調査者が、除去等工事の実施計画の策定等を行う必要があります。
  • ・建築物石綿含有建材調査者の所属については、元請・下請の別はありません。

② 除去等工事の工法について

以下のいずれかの工法により実施する必要があります。

  • ・(一財)日本建築センター又は(一財)ベターリビングが審査証明を行った「吹付けアスベスト粉じん飛散防止処理技術」を有する者が実施する、同審査証明を受けた工法
  • ・「建築物等の解体等に係る石綿ばく露防止及び石綿飛散漏えい防止対策徹底マニュアル」又は「既存建築物の吹付けアスベスト粉じん飛散防止処理技術指針・同解説」に従った工法

補助金交付申請に必要な書類

① 含有調査

  • (ア)(第1号様式)含有調査補助金交付申請書
  • (イ)補助対象建築物の位置図
  • (ウ)アスベストの含有のおそれがある吹付け建材のある場所を示す図面(平面図、天井伏図、断面図等)
  • (エ)アスベストの含有のおそれがある吹付け建材の現況写真(1箇所につき異なる角度から撮影した複数枚)又は吹付け建材が使用されていることが判断できる設計図書等(仕上げ表、矩計図等)
  • (オ)確認済証又は検査済証の写しその他補助対象建築物の建築年代の証明となるもの
  • (カ)補助対象建築物の登記事項証明書(3箇月以内に法務局で取得したもの)
  • (キ)含有調査に係る費用の複数の事業者が作成した見積書(建築物の所在地及び分析方法を明記したもの)
  • (ク)含有調査を行う建築物石綿含有建材調査者の調査者登録証の写し

② 除去等工事

  • (ア)(第2号様式)除去等補助金交付申請書
  • (イ)含有調査の添付書類 (イ) (オ) (カ) と同様の書類
  • (ウ)吹付けアスベストが施工された場所を示す図面(平面図、天井伏図、断面図等)
  • (エ)吹付けアスベストの現況写真(箇所ごと)
  • (オ)含有調査結果を記した書類
  • (カ)除去等に係る費用の複数の事業者が作成した見積書(建築物の所在地を明記したもの)
  • (キ)審査証明書の写し
  • (ク)実施計画の策定を行う建築物石綿含有建材調査者の調査者登録証の写し

※ 補助対象建築物が区分所有者建築物である場合は、事業を実施する旨の決議があることを証明する書類等が必要です。
※ 補助対象建築物に共有者がある場合は、事業の実施に関する共有者全員の同意書が必要です。
※ 補助対象者が交付申請等の手続きを代理人に委任される場合は、委任状が必要です。
※ その他市長が必要と認める書類の提出を求める場合があります。

3. まとめ

アスベストに関する補助金としては、アスベスト調査にかかる費用を補助対象とした補助金と、アスベストの除去にかかる工事費用などを補助対象とした補助金に分けられます。一般的にはアスベスト調査にかかる補助金の方がかかるコストも少ないことから補助金の総額が15万円〜25万円ほどと少なく、一方でアスベスト除去に関する補助金は2/3以内を上限としており、120~180万円が上限額(地域によって異なります)とされているなど、比較的大きい金額の補助を受けることができます。

自治体に事前の連絡や相談は必要ですが、2022年4月1日にアスベスト関連法令の改正が実施され、アスベスト含有を調べる事前調査の結果報告が義務付けられており、これには当然、調査や除去工事はコストがかかるため、解体工事全般のコスト増が懸念されているという中で、国や都道府県、市区町村などで補助金が適用できるようになっております。

これは京都府だけでなく、他の都道府県でも補助金がありますので、これらについては追って記事にしたいと思います。本記事の情報をぜひ有効にご活用ください。

株式会社エコ・テックのアスベスト対策工事について

株式会社エコ・テックでは、事前調査からアスベスト除去工事の専門家として様々なアドバイスを行っています。

全国(東京、名古屋、大阪、岡山、福岡など)で無料相談、無料見積もりを実施しておりますので、土壌汚染に関するご相談がございましたら、お気軽にお問い合わせください。

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アスベストに関する都道府県の補助金(静岡編)について

目次:
アスベスト調査の都道府県の補助金(静岡編)について

1. アスベストに関する国の補助金の対象について

アスベストに関する国の補助金につきましては、

https://www.eco-j.co.jp/blog/20230418.html(アスベスト除去の補助金について) 

こちらの記事で以前記載しております。

アスベストに関する都道府県の補助金は、実はさまざまな種類がありますので、今回は現時点で公開されている静岡県の補助金について、説明いたします。

※本コラムは、2024年6月7日時点での情報を元に記載しております。実際の補助金についてはご相談時に内容が変わっている可能性がございますので、必ず自治体に直接確認するようにお願いいたします。

2. 吹付けアスベスト等の対策に関する補助制度について(静岡県)

静岡県内には、アスベスト含有建材の調査や除去工事に対する補助制度を用意している市町があります。

南伊豆町 地域整備課 含有調査・除去工事

西伊豆町 産業建設課 含有調査のみ

沼津市 まちづくり指導課 含有調査・除去工事

三島市 住宅政策課 含有調査・除去工事

御殿場市 建築住宅課 含有調査のみ

伊豆市 都市計画課 除去工事のみ

伊豆の国市 環境政策課 含有調査のみ

清水町 都市計画課 除去工事のみ

長泉町 建設計画課 除去工事のみ

富士宮市 建築住宅課 含有調査・除去工事

富士市 建築指導課 含有調査・除去工事

静岡市 建築指導課 含有調査・除去工事

焼津市 建築指導課 含有調査のみ

掛川市 都市政策課 含有調査・除去工事

御前崎市 都市政策課 除去工事のみ

浜松市 建築行政課 含有調査・除去工事

3. 静岡市におけるアスベスト対策補助金制度

静岡市では、建築物に吹付けられているアスベストの飛散による健康被害を防止するとともに、健康被害に対する市民の不安の解消を図るため、吹付けアスベストが施工されている民間建築物等に対して、分析調査や除去等にかかる費用の一部について補助金を交付しています。平成7年度(1995年度)以前に施工された建築物には、耐火、吸音・断熱、結露防止のためにアスベストが含有された建材が使用されています。アスベスト含有吹付け材は、現場で施工されたもので、経年劣化によりもろくなり飛散するおそれがあります。

補助金の対象 

静岡市内の民間建築物の所有者等が行う民間建築物吹付けアスベスト対策事業 

  • ① アスベスト分析調査事業
    建築物の壁、柱、天井等に吹付けられた建材に含有しているアスベスト有無の分析調査をする事業
  • ② アスベスト除却等事業
    建築物の壁、柱、天井等に吹付けられたアスベストを除去し、封じ込め、又は囲い込みをする事業

補助金の額

  • ① アスベスト分析調査事業
    当該事業に要する経費の額以内(ただし上限25万円/建築物)
  • ② アスベスト除却等事業
    当該事業に要する経費の3分の1以内(建築物を除却する場合は、アスベスト除去等費用相当分。ただし上限60万円/敷地)

申請手続き

補助金の申請には以下の書類が必要です。 

  • ① アスベスト分析調査事業の補助金交付申請に必要な書類
    • (ア)補助金交付申請書(様式第1号)
    • (イ)建築物の所有者が確認できるもの
    • (ウ)建築物の建築年月日及び用途が確認できるもの
    • (エ)写真(建築物の全景、対象部位及び状況が確認できるもの)
    • (オ)図面(案内図、配置図、各階平面図、立面図、断面図など)
    • (カ)アスベスト分析調査事業費の見積書
    • (キ)分析調査者が建築物石綿含有建材調査者であることを証する書類
    • (ク)その他

 

  • ②アスベスト除却等事業の補助金交付申請に必要な書類
    • (ア)補助金交付申請書(様式第2号)
    • (イ)アスベスト分析調査結果報告書
    • (ウ)建築物の所有者が確認できるもの
    • (エ)建築物の建築年月日及び用途が確認できるもの
    • (オ)写真(建築物の全景、対象部位及び状況が確認できるもの)
    • (カ)図面(案内図、配置図、各階平面図、立面図、断面図など)
    • (キ)アスベスト除却等事業費の見積書
    • (ク)アスベスト除却等事業に関する計画書(調査者が記名押印したものに限る)
    • (ケ)事業計画策定者が建築物石綿含有建材調査者であることを証する書類
    • (コ)その他

その他

  • アスベスト分析調査事業は、建築物石綿含有建材調査者による調査に基づき実施する必要があります。補助金の交付を受ける前に、建築物石綿含有建材調査者がいる分析調査機関に分析調査を依頼してください。
  • 詳しくは、静岡市ホームページ等でご確認ください。

4. 民間建築物吹付けアスベスト対策事業について(浜松市)

浜松市では、吹付けアスベストの飛散による健康被害の防止と市民の不安解消を図る為に、吹付けアスベストの分析調査や「飛散防止工事」を行う民間建築物に対して、補助金を交付しています。

規制の対象となる吹付けアスベスト

石綿障害予防規則等に基づき、クリソタイル(白石綿)・クロシドライト(青石綿)・アモサイト(茶石綿)・アクチノライト・アンソフィライト・トレモライトなどのアスベストが重量で0.1パーセントを超えて含有する吹付けアスベストが規制の対象となります。

アスベスト分析調査について

吹付けアスベストの使用が疑われる建築物において、アスベストの含有の有無を調査する場合に補助金を受けることができます。【アスベスト分析調査事業】 

飛散防止工事について(除去・封じ込め・囲い込み)について

規制の対象となる吹付けアスベストが存在する建築物において、アスベストの除去、封じ込め、囲い込み等の飛散防止工事を行う場合に補助金を受けることができます。【アスベスト除去等事業】

それぞれの工法には特徴があり、工事費も異なりますので、専門家(建築物石綿含有建材調査者等)に相談して下さい。 

補助条件と内容等

補助対象者は下記のとおりです。

浜松市内に建築された民間建築物の所有者等で、以下の条件を満たす方

  • ・浜松市の納税義務者である場合、市税を滞納していない
  • ・浜松市補助金交付規則による暴力団排除条項の各号に該当しない

手続きの方法

申請窓口は、建築行政課(市役所本館4階)です。北部都市整備事務所、区役所、市民サービスセンター、協働センターでは申請できません。

事後の申請はできませんので、分析機関や飛散防止工事の施工業者と契約する前に、建築行政課と事前協議を行ってください。

5. まとめ

アスベストに関する補助金としては、アスベスト調査にかかる費用を補助対象とした補助金と、アスベストの除去にかかる工事費用などを補助対象とした補助金に分けられます。一般的にはアスベスト調査にかかる補助金の方がかかるコストも少ないことから補助金の総額が15万円〜25万円ほどと少なく、一方でアスベスト除去に関する補助金は2/3以内を上限としており、120~180万円が上限額(地域によって異なります)とされているなど、比較的大きい金額の補助を受けることができます。

自治体に事前の連絡や相談は必要ですが、2022年4月1日にアスベスト関連法令の改正が実施され、アスベスト含有を調べる事前調査の結果報告が義務付けられており、これには当然、調査や除去工事はコストがかかるため、解体工事全般のコスト増が懸念されているという中で、国や都道府県、市区町村などで補助金が適用できるようになっております。

これは静岡県だけでなく、他の都道府県でも補助金がありますので、これらについては追って記事にしたいと思います。本記事の情報をぜひ有効にご活用ください。

株式会社エコ・テックのアスベスト対策工事について

株式会社エコ・テックでは、事前調査からアスベスト除去工事の専門家として様々なアドバイスを行っています。

全国(東京、名古屋、大阪、岡山、福岡など)で無料相談、無料見積もりを実施しておりますので、土壌汚染に関するご相談がございましたら、お気軽にお問い合わせください。

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