2024/05/27
解体工事における粉じんの規制や基準について
解体工事は、建築物の老朽化や都市再開発などに伴い、日常的に行われる作業です。しかし、解体作業には多くのリスクが伴い、その中でも特に問題視されるのが「粉じん」です。粉じんは、健康被害を引き起こす可能性があり、適切な管理が求められます。今回は、解体工事における粉じんの規制や基準についてご紹介します。
粉じんとは
粉じんとは、解体工事や建設現場などで発生する微細な固体粒子のことを指します。これらの粒子は空気中に浮遊し、吸入することで呼吸器系に深刻な影響を及ぼすことがあります。特に、石綿(アスベスト)やシリカなど有害物質を含む粉じんは、長期にわたって健康に悪影響を与えることが知られています。
解体工事において発生する粉じんの種類・健康への影響
解体工事において発生する粉じんには、さまざまな種類が存在します。これらは主に解体される建物の材料や使用される工法によって異なります。解体工事で特に問題となる粉じんの種類を下記でみていきましょう。
①鉱物性粉じん
名称 |
発生源 |
健康被害 |
特徴 |
シリカ粉じん |
コンクリート、レンガ、タイル、石材の解体 |
吸入するとシリコーシスや肺がんのリスクが高まる |
微細なシリカ粒子は肺に侵入しやすく、長期的の吸入で健康被害を引き起こす |
石綿(アスベスト)粉じん |
古い建物の断熱材、屋根材、壁材などに使用されているアスベスト |
吸入すると石綿肺、中皮腫、肺がんなどの深刻な健康問題を引き起こす |
非常に細かい繊維状の粒子で、特に解体時に空中に飛散しやすい |
②金属粉じん
名称 |
発生源 |
健康被害 |
特徴 |
鉛粉じん |
古い塗料やパイプ、電気配線の被覆素材に含まれる鉛 |
吸入や接種によって鉛中毒を引き起こし、神経系や腎臓、血液に悪影響を与える |
微細な鉛粒子は長期間にわたって体内に蓄積される |
鉄粉じん |
鉄骨構造の建物の解体、鉄製の部材の切断や研磨作業 |
鉄粉じんは吸入すると肺や気道に炎症を引き起こすことがある |
鉄の粉じんは比較的大きく、主に呼吸器の上部に影響を与える |
③有機粉じん
名称 |
発生源 |
健康被害 |
特徴 |
木材粉じん |
木造建築物の解体、木製部材の切断や研磨 |
吸入するとアレルギー性鼻炎、喘息、さらには一部の木材に含まれる化学物質による発がん性リスクもある |
微細な木材粉じんは吸入しやすく、アレルギー反応を引き起こす可能性が高い |
④その他の粉じん
名称 |
発生源 |
健康被害 |
特徴 |
プラスチック粉じん |
プラスチック製品や合成樹脂を含む建材の解体 |
吸入すると呼吸器系に炎症を引き起こし、特に焼却時に発生する有毒ガスによる健康リスクが高い |
微細なプラスチック粉じんは空中に長時間浮遊することがある |
塗料や接着剤由来の粉じん |
古い塗料や接着剤を含む建材の解体 |
吸入すると化学物質によるアレルギー反応や中毒症状を引き起こすことがある |
粉じんは揮発性有機化合物(VOC)を含むことがあり、吸引すると体内で化学反応を起こす |
粉じんの規制や基準について
粉じんに関する法的規制や基準は、主に労働安全衛生法や大気汚染防止法および関連する政令や省令によって規定されています。
①労働安全衛生法
労働安全衛生法は、労働者の安全と健康を守るために制定された法律であり、粉じんに関する規定も含まれています。粉じんが発生する作業を行う場合、事業者は適切な管理措置を講じる義務があります。これは、局所排気装置の設置や作業環境測定の実施が含まれます。
作業者は防塵マスクなど個人保護具を着用しなければなりません。特に、高濃度の粉じんが発生する現場では、高性能の保護具が必要です。
粉じん作業に従事する労働者は、定期的に健康診断を受けることが義務付けられています。これにより、早期に健康被害を発見し、適切な対応を取ることができます。
②大気汚染防止法
大気汚染防止法は、環境中の汚染物質を規制する法律であり、解体工事における粉じんも対象となります。大気汚染防止法では、人の健康に被害を生じるおそれのある物質を「特定粉じん」(現在、石綿(アスベスト)を指定)、それ以外の粉じんを「一般粉じん」と定めています。
飛散防止対策として、解体工事中に粉じんが周囲に飛散しないように、防塵シートの設置や散水による抑制が義務付けられています。また、一定規模以上の解体工事を行う場合、事前に行政機関への届出が必要です。これには、工事計画や飛散防止対策の詳細が含まれます。
③特定粉じん障害予防規則
特定粉じん障害予防規則は、特に有害な粉じんに対する予防策を定めた規則です。これには、石綿(アスベスト)やシリカなどの取り扱いに関する厳しい基準が含まれています。
石綿(アスベスト)を含む建材の解体作業を行う場合、石綿作業主任者の配置が義務付けられています。主任者は、作業の適切な管理と指導を行います。また、石綿(アスベスト)を扱う作業場では、定期的に作業環境を測定し、その結果を記録・保存する必要があります。これにより、労働者の安全を確保します。
特定建設材料に該当する建築材料
大気汚染防止法により、解体等工事の元請負業者又は自主施工者は、建築物又は工作物の解体等を行うときはあらかじめ特定建設材料の使用の有無を調査することなどが義務づけられています。特定建設材料とは、吹付け石綿、石綿を含有する断熱材、保温材及び耐火被覆材、石綿含有成型板等、石綿含有仕上塗材のことを示します。
改正前は、石綿含有仕上塗材は規制対象ではありませんでしたが、改正後に追加されすべての石綿含有建材が対象になりました。
特定建築材料の区分 |
建築材料の具体例 |
吹付け石綿 |
① 吹付け石綿、②石綿含有吹付けロックウール(乾式・湿式)、③石綿含有ひる石吹付け材、④石綿含有パーライト吹付け材 |
石綿を含有する断熱材 |
① 屋根用折板裏断熱材、②煙突用断熱材 |
石綿を含有する保温材 |
① 石綿保温材、②石綿含有けいそう土保温材、③石綿含有パーライト保温材、④石綿含有けい酸カルシウム保温材、⑤石綿含有水練り保温材 |
石綿を含有する耐火被覆材 |
① 石綿含有耐火被覆板、②石綿含有けい酸カルシウム板第2種 |
石綿を含有する仕上塗材 |
① 石綿含有建築用仕上塗材 |
石綿含有成形板等 |
① 石綿含有成形板、②石綿含有セメント管、③押出成形品 |
特定建設材料に該当する建築材料の例
(www.env.go.jp/air/asbestos/litter_ctrl/)より
粉じん対策・管理
解体工事においては、これらの粉じんの発生を最小限に抑えることが重要です。具体的な対策・管理方法を以下みていきましょう。
①防塵シート
解体工事を囲むように防塵シートを設置し、粉じんの外部への飛散を防止します。シートは建物全体を覆う形で取り付けることが一般的です。防塵シートは風による粉じんの飛散を抑える効果があり、周囲の環境や住民への影響を減少させます。補足対策として、シート自体に散水することで、粉じんの付着を促し、さらに飛散を抑える効果が期待できます。
②散水による抑制
解体工事が行われる現場全体、特に粉じんが大量に発生する建材の破砕や切断作業周辺に散水装置を設置します。作業中および作業前後に定期的に散水を行い、粉じんの舞い上がりを抑えます。散水により、粉じんが湿気を帯びて重くなり、地面に落ちやすくなるため、空気中の粉じん濃度を低減できます。
③局所排気装置の設置
粉じんが発生する作業エリアに排気フードを設置し、ダクトを通じて外部に粉じんを排出する方法と、高濃度の粉じんが発生する作業エリアや機械の近くに集塵機を設置する方法があり、排気フードとダクトの設置は、発生源から直接粉じんを吸引するため、作業環境中の粉じん濃度を大幅に低減することができて、集塵機の設置は、粉じんをフィルターで捕集し、クリーンな空気を排出するため、作業者の吸入リスクを軽減することができます。
④個人保護具の着用
防塵マスク・保護メガネ・作業服を着用することで、粉じんの吸入、皮膚への粉じんの付着を最小限に防ぐことができます。
⑤作業環境の定期的な測定と管理
重力法や光散乱法を用いて、作業環境中の粉じん濃度を定期的に測定します。これにより粉じん濃度が基準値を超えた場合、直ちに対策を講じることができます。また、作業環境の安全性を常に最適な状態に保つため、測定結果に基づき、排気装置の設置箇所の見直しや散水頻度の増加、作業手順の改善などを行うことで粉じんの管理ができます。
最後に
解体工事における粉じん対策は、労働者の健康と安全を守るために欠かせない要素です。業者は、労働安全衛生法や大気汚染防止法、特定粉じん障害予防規則に基づく管理を徹底し、環境や地域住民への影響も考慮した対策を行うことが求められます。
株式会社エコ・テックの解体工事について
株式会社エコ・テックでは、家屋、建物の事前調査から解体計画の作成だけでなく、解体工事の専門家として様々なアドバイスを行っています。
全国(東京・名古屋・大阪・岡山・福岡等)で、無料相談・無料見積もりを実施しておりますので解体工事に関するご相談がございましたら、お気軽にお問い合わせください。
参考URL
・大気環境中へのアスベスト飛散防止対策について | 環境省
(www.env.go.jp/air/asbestos/litter_ctrl/)
・石綿総合情報ポータルサイト | 厚生労働省
(ishiwata.mhlw.go.jp/)
2024/05/21
土壌汚染の要措置区域について
土壌汚染の要措置区域について
土壌汚染された場所は、要措置区域・形質変更時要届出区域に指定されます。今回は土壌汚染の要措置区域について、汚染の除去等、汚染土壌の搬出についてご紹介します。
土壌汚染区域の指定(要措置区域・形質変更時要届出区域)
都道府県知事は、土壌汚染状況調査の結果報告を受けた際に報告を受けた土地を、健康被害のおそれの有無に応じて①要措置区域又は②形質変更時要届出区域に指定します。(以下2つまとめて「要措置区域等」とする)
①要措置区域
要措置区域とは、土壌汚染状況調査の結果汚染状態が土壌溶出量基準又は土壌含有量基準に適合せず、土壌汚染の摂取経路がある区域のことです。健康被害が生ずるおそれがあるため、汚染の除去等の措置が必要となります。
②形質変更時要届出区域
形質変更時要届出区域とは、土壌汚染状況調査の結果汚染状態が土壌溶出量基準又は土壌含有量基準に適合せず、土壌汚染の摂取経路がない区域のことです。健康被害が生ずるおそれがないため、汚染の除去等の措置は必要ではありません。
下記で詳しくみていきましょう。
要措置区域・形質変更時要届出区域に指定されるまで
土壌溶出量基準・土壌含有量基準を超える有害物質がない場合は要措置区域・形質変更時要届出区域に指定されません。それではどうなると指定されるのでしょうか。
①土壌溶出量基準・土壌含有量基準を超える有害物質がある
→健康被害のおそれがある場合・・・土壌汚染の摂取経路があり、健康被害が生じるおそれがあるため、汚染の除去等の措置が必要な区域、すなわち要措置区域に指定されます。
②土壌溶出量基準・土壌含有量基準を超える有害物質がある
→健康被害のおそれがない場合・・・土壌汚染の摂取経路がなく、健康被害が生じるおそれがないため、汚染の除去等の措置が不要な区域(摂取経路の遮断が行われた区域を含む)、すなわち形質変更時要届出区域に指定されます。
つまり、要措置区域・形質変更時要届出区域に指定されるのに共通していることは、「土壌溶出量基準・土壌含有量基準を超える有害物質がある」ということです。そこから健康被害があるかないかにより要措置区域又は形質変更時届出区域に指定されます。
汚染の除去等の措置について
健康被害のおそれのある要措置区域では、都道府県知事等は土地の所有者等に対し、人の健康被害を防止するために必要な限度において講ずべき汚染の除去等の措置(指示措置)等を示して汚染除去等計画の作成及び提出を指示します。
指示措置は、
■地下水等経由の摂取リスクの観点からの土壌汚染がある場合(土壌溶出量基準に適合しない場合)は地下水の水質の測定、封じ込め等です。封じ込めとは、汚染土壌を封じ込めて地下水等による汚染の拡散を防止する措置です。原位置封じ込めや遮水工封じ込め、遮断工封じ込め等があります。
■直接摂取のリスクの観点からの土壌汚染がある場合(土壌含有量基準に適合しない場合)は、盛土等です。
なお、指示措置が土壌汚染の除去とされるのは、土地の用途からみて限定的な場合になります。土地の所有者等は、指示措置のほか、これと同等以上の効果を有すると認められる汚染の除去等の措置のうちから講じようとする措置(実施措置)を選択することが出来ます。
汚染除去等計画に記載された実施措置については、各措置に応じ技術的基準が定められており、これに適合しない場合は、都道府県知事等から計画の変更命令が出されます。
土地の所有者等は、汚染除去等計画に記載された実施措置が完了したときは、都道府県知事等に措置の完了等の報告をしなければなりません。
一方、形質変更時要届出区域では、土壌汚染の摂取経路がなく健康被害の生ずるおそれがないため、汚染除去等の措置を求められることはありません。ただし、土地の形質の変更を行う場合は、都道府県知事等にあらかじめ届出が必要となります。
搬出の規制について
要措置区域・形質変更時要届出区域から汚染土壌を搬出する場合には、事前の届出義務があります。このほか汚染土壌の運搬は運搬基準の遵守と管理表の交付・保管義務があります。
さらに汚染土壌を要措置区域等外へ搬出する者は、原則としてその汚染土壌の処理を汚染土壌処理業者に委託しなければならないと定められています。汚染土壌処理業者とは、汚染土壌の処理を業として営む者を言い、営業に当たっては、都道府県知事等の許可が必要です。
なお、汚染土壌の処理の委託の例外として、汚染土壌について処理の委託を行わずに、一定の条件を満たした他の要措置区域等へ移動することができます。
搬出の届出
要措置区域等内から汚染土壌を搬出する場合は、搬出する汚染土壌の所在を把握しておく必要があります。
汚染土壌を搬出する際には、搬出する者は搬出に着手する日の14日前までに都道府県知事等に対する届出の義務があります。
届出書には、汚染土壌を要措置区域等内から搬出する際に、人への健康被害のおそれを生じさせないようにしなければならないという観点から、要措置区域等の所在地や特定有害物質による汚染状態、運搬の方法、汚染土壌を処理する者及びその施設等を記載することになります。
また、汚染土壌を一定の条件を満たした他の要措置区域等へ移動する場合の届出書には、要措置区域等の所在地や特定有害物質による汚染状態、運搬の方法、搬出先の要措置区域等の所在地等を記載し、一定の条件を満たすことを証する書類を提出することになります。
一方、搬出する汚染土壌を再度分析して指定基準に適合していることが確認され、その旨について都道府県知事等の認定を受けている場合は、前述の14日前の届出書の提出は不要になります。
運搬基準
汚染土壌の運搬とは、要措置区域等内の汚染土壌を、当該要措置区域等の境界線を越えるところから汚染土壌処理施設又は一定の条件を満たした他の要措置区域等まで移動させる行為すべてをいいます。
土壌の運搬に伴い、汚染を拡散させるおそれがあるため、運搬に関する基準が定められており、自動車・船舶・列車等の車両の両側面に汚染土壌を運搬している旨の表示義務等があります。
また、運搬には自動車等に積載している状態のほか、保管施設での一時的保管も含まれます。
特定有害物質を含まない砂利等の運搬とは違い、汚染土壌を基準に適合しない方法で運搬を行った場合には、罰則規定も設けられています。
管理票
汚染土壌がきちんと運搬され処理又は他の要措置区域等で土地の形質の変更に使用されたかどうかを管理することは大事なことです。これは、汚染土壌が運搬途中で不法投棄され適正に処理されない可能性があるためです。
そのため、土壌汚染対策法では、汚染土壌を搬出、運搬、処理又は使用する際に管理票を使用することを定めています。管理票は、汚染土壌を運搬するときや処理するときなどに、期限内に関係者に交付し、又は回付する義務などがあります。
なお管理票ついては定まった様式があります。
また、管理票の保存については、書面による保存か電磁的記録による保存が可能です。
汚染土壌処理業
汚染土壌処理業とは、都道府県知事等から許可を受けて汚染土壌の処理を行う事業のことです。
許可を受けるには、施設と申請者の能力が基準を満たしていることのほか、欠格要件に該当していないことが必要です。
また汚染土壌処理業者は、汚染土壌の処理に当たって処理の基準を遵守する義務があります。
そのほか、汚染土壌処理業者が所有する汚染土壌処理施設(浄化等処理施設・セメント製造施設・埋立処理施設・分別等処理施設・自然由来等土壌利用施設)に変更が生じた際には、変更の許可又は届出が必要となることがあります。
最後に
要措置区域における土壌汚染対策は地域の持続可能な発展のために不可欠です。早急な対策が求められるため、真剣に取り組み土壌汚染を適切に除去・搬出する汚染土壌処理業者を見つけることが大事です。
株式会社エコ・テックの土壌汚染対策工事について
株式会社エコ・テックでは、調査・分析だけでなく対策方法のプランニングや土地の活用方法のご提案まで、土壌汚染の専門家として様々なアドバイスを行っています。土壌汚染にまつわる一連の問題解決に向け、調査から浄化、リサイクルまで、トータルで承ります。全国(東京・名古屋・大阪・岡山・福岡等)で、無料相談・無料見積もりを実施しておりますので土壌汚染に関するご相談がございましたら、お気軽にお問い合わせください。
【参考URL】
・土壌汚染対策法について(法律、政令、省令、告知、通知)| 環境省
(https://www.env.go.jp/water/dojo/law/kaisei2009.html)
・パンフレット「土壌汚染対策法のしくみ」| 環境省
(https://www.env.go.jp/water/dojo/pamph_law-scheme/index.html)
・第3章要措置区域の指定| 環境省
(https://www.env.go.jp/press/files/jp/20572.pdf)
2024/05/15
アスベストに関する都道府県の補助金(兵庫編)について
目次:
アスベストに関する都道府県の補助金(兵庫編)について
- 1. アスベストに関する国の補助金の対象について
- 2. アスベスト調査に関する都道府県の補助金(兵庫県)
- 3. 兵庫県建築物アスベスト分析調査に対する補助(神戸市)
- 4. 神戸市アスベスト除去等工事に対する補助(神戸市)
- 5. まとめ
1. アスベストに関する国の補助金の対象について
アスベストに関する国の補助金につきましては、
https://www.eco-j.co.jp/blog/20230418.html(アスベスト除去の補助金について)
こちらの記事で以前記載しております。
アスベストに関する都道府県の補助金は、実はさまざまな種類がありますので、今回は現時点で公開されている東京都の補助金について、説明いたします。
※本コラムは、2024年2月7日時点での情報を元に記載しております。実際の補助金についてはご相談時に内容が変わっている可能性がございますので、必ず自治体に直接確認するようにお願いいたします。
2. アスベスト調査に関する都道府県の補助金(兵庫県)
兵庫県では、アスベストによる健康被害を防ぐために、建築物や施設のアスベスト調査や除去に関する補助金制度が設けられている場合があります。このような補助金は、建物のオーナーや管理者に対して、安全な建物の環境を確保するための負担を軽減することを目的としています。
兵庫県の補助金制度について正確な情報を入手するためには、兵庫県の自治体や関連する部署、または兵庫県のウェブサイトを確認することが必要です。自治体や県によって異なるケースもありますが、一般的には次のような手順で補助金の申請が行われます。
補助金の対象範囲の確認: 兵庫県の補助金制度がどのような対象範囲を持つか確認します。特定の建物や施設、または特定の用途に対して補助金が適用される場合があります。
申請資格の確認: 補助金を受けるための申請資格を確認します。これには、所有している建物や施設の条件、あるいは他の要件が含まれます。
具体的な補助金の内容や申請方法は都道府県によって異なりますが、一般的には以下のような内容が含まれます。
アスベスト調査費用の一部補助
アスベストの有無や状況を把握するための調査費用の一部を補助する制度があります。これには建物や施設の調査費用が含まれます。
アスベスト除去費用の一部補助
アスベストが確認された場合、その除去にかかる費用の一部を補助する制度があります。この補助は、除去工事に必要な作業や材料費などをカバーします。
対象施設の種類
一般的には、住宅、学校、公共施設、事業所などが対象となります。
申請手続き
補助金の申請手続きは、各都道府県の環境部門や保健部門などにお問い合わせいただくか、ホームページなどで案内されている場合があります。申請には一定の書類や条件が必要です。
審査と承認
申請が提出されると、関連する部署が申請を審査し、条件が満たされているかどうかを確認します。審査が通過すると、補助金が承認されます。
施工と報告
補助金を受けてアスベスト調査や除去を行った場合、その施工や作業の報告が必要な場合があります。
3. 兵庫県建築物アスベスト分析調査に対する補助(神戸市)
神戸市では、アスベストによる健康被害を防ぐために、建築物のアスベスト分析調査や除去に関する補助金制度を実施しています。この補助金制度は、所有者や管理者が安全な建物の環境を確保するための負担を軽減することを目的としています。
申請の流れ
補助対象となる建築物の確認
神戸市の補助金制度がどのような建築物に適用されるか確認します。一般的には、建築物の種類や用途によって適用範囲が異なる場合があります。
申請資格の確認
補助金を受けるための申請資格を確認します。これには、建築物の所有者や管理者であること、特定の条件を満たしていることが含まれます。
申請手続きの実施
補助金を申請するために必要な手続きを実施します。これには、申請書類の提出や申請フォームの記入が含まれます。
審査と承認
申請が提出されると、関連する部署が申請内容を審査し、条件が満たされているかどうかを確認します。審査が通過すると、補助金が承認されます。
施工と報告
補助金を受けてアスベスト分析調査や除去を行った場合、その施工や作業の報告が必要な場合があります。
補助金交付までの流れ
1事前協議
↓
2業者に見積を依頼
↓
3神戸市に補助金交付申請
↓
4補助金交付決定通知後に、アスベスト調査または除去等工事の契約・実施
↓
5業者に対して支払い(補助金受理後でもかまいません)
↓
6神戸市に実績報告
↓
7神戸市より補助金額の通知を受けた後、請求・受け取り
補助金の限度額
(1)アスベスト調査事業に対する補助金の限度額は、25 万円。
(2)アスベスト除去等事業に対する補助金の限度額は、300 万円。
(3)上記各号の適用にあたっては、建築基準法に基づく一敷地ごとに 1 回のみ。
4. 神戸市アスベスト除去等工事に対する補助(神戸市)
調査の補助対象となる建築物
吹付け建材にアスベストが含有されているおそれのある、神戸市内の全ての民間建築物
対象外となるもの
解体予定の建築物、吹付け建材以外の建材(保温材、外壁塗材、成形板など)
調査に関する注意事項
6種類のアスベストについて、所定の分析調査を行うこと。
資格者(建築物石綿含有建材調査者)が調査すること。
申請方法
所定の申請書類で提出
必要書類
(1)事業の完了状況を撮影した写真
(2)アスベスト除去等に関して施工業者と締結した契約書の写し
(3)アスベスト除去等に関して前号契約書に基づく施工業者からの請求書の写し
(4)アスベストの除去等を講じる前及び講じた後について当該室内及び室外の、又作業中においては当該室内及び室外の更衣施設出入口、負圧・除じん装置排出装置吹出し口付近、養生シートの外側の、アスベスト粉じん濃度の測定結果を記載した書面
(5)アスベスト廃材の処分に関する法令等の届出の写し及び適正に処理したことを証する書類の写し
(6)前各号に掲げるものの他、市長が必要と認めるもの
注意
原則として、申請は建築物の所有者が行うこととなります。
調査・工事等業務の契約は、補助金の交付が決定した後に行ってください。
補助金の交付決定前に契約した場合は補助を受けることができません。
他の国庫補助金が交付されている場合は補助を受けることができません。
アスベスト除去等工事への補助
調査により吹付け建材が吹付けアスベスト等(※)であると判明したものについて、除去・封じ込め・囲い込みによる対策工事の費用を補助します。
※吹付けアスベスト・吹付けロックウール(アスベスト含有率が重量比0.1%を超えるもの)
除去等工事の補助対象となる建築物
含有調査の結果、吹付け建材が吹付けアスベスト等であると判明した民間建築物で、多数の者が利用するもの
「多数の者が利用するもの」とは、工場、集会所、病院、ホテル、共同住宅、学校、百貨店、展示場、物販店、飲食店、倉庫、自動車車庫、事務所、工場などを指します。
対象外となるもの
解体予定の建築物
吹付けアスベスト・吹付けロックウール(アスベスト含有率が重量比0.1%を超えるもの)以外の建材
多数の者が利用しないもの(一戸建ての住宅など)
除去等工事の補助金額
消費税を除く除去等工事費用の3分の1以内(上限は300万円)
工事に関する注意事項
確実に施工できる者(一般財団法人日本建築センターが審査証明した処理技術を有する者など)が施工すること。
資格者(建築物石綿含有建材調査者)が事業計画を策定し、その計画に基づく現場体制で実施すること。
除去等工事の完了後、建築物の全ての箇所において、アスベスト飛散防止対策が完了すること。
除去等工事を行った後、建築基準法関係規定に適合するものであること。
5. まとめ
アスベストに関する補助金としては、アスベスト調査にかかる費用を補助対象とした補助金と、アスベストの除去にかかる工事費用などを補助対象とした補助金に分けられます。一般的にはアスベスト調査にかかる補助金の方がかかるコストも少ないことから補助金の総額が15万円〜25万円ほどと少なく、一方でアスベスト除去に関する補助金は2/3以内を上限としており、120~180万円が上限額(地域によって異なります)とされているなど、比較的大きい金額の補助を受けることができます。
自治体に事前の連絡や相談は必要ですが、2022年4月1日にアスベスト関連法令の改正が実施され、アスベスト含有を調べる事前調査の結果報告が義務付けられており、これには当然、調査や除去工事はコストがかかるため、解体工事全般のコスト増が懸念されているという中で、国や都道府県、市区町村などで補助金が適用できるようになっております。
これは岡山県だけでなく、他の都道府県でも補助金がありますので、これらについては追って記事にしたいと思います。本記事の情報をぜひ有効にご活用ください。
株式会社エコ・テックのアスベスト対策工事について
株式会社エコ・テックでは、事前調査からアスベスト除去工事の専門家として様々なアドバイスを行っています。
全国(東京、名古屋、大阪、岡山、福岡など)で無料相談、無料見積もりを実施しておりますので、土壌汚染に関するご相談がございましたら、お気軽にお問い合わせください。
2024/05/09
アスベストに関する都道府県の補助金(神奈川編)について
目次:
アスベスト調査の都道府県の補助金(神奈川編)について
- 1. アスベストに関する国の補助金の対象について
- 2. アスベスト調査に関する都道府県の補助金(神奈川県)
- 3. 神奈川県建築物アスベスト分析調査に対する補助(横浜市)
- 4. 横浜市アスベスト除去等工事に対する補助(横浜市)
- 5. まとめ
1. アスベストに関する国の補助金の対象について
アスベストに関する国の補助金につきましては、
https://www.eco-j.co.jp/blog/20230418.html(アスベスト除去の補助金について)
こちらの記事で以前記載しております。
アスベストに関する都道府県の補助金は、実はさまざまな種類がありますので、今回は現時点で公開されている東京都の補助金について、説明いたします。
※本コラムは、2024年2月7日時点での情報を元に記載しております。実際の補助金についてはご相談時に内容が変わっている可能性がございますので、必ず自治体に直接確認するようにお願いいたします。
2. アスベスト調査に関する都道府県の補助金(神奈川県)
神奈川県のアスベスト調査に関する補助金は、特定の建物におけるアスベストの調査や除去に対して支援を提供するものです。具体的な補助金の内容や条件は時期や政策の変化によって異なる場合がありますが、一般的な例を挙げると、以下のようなものがあります。
アスベスト調査補助金
建物のアスベスト調査を行う際の費用の一部を補助する制度です。これには、建物内のアスベストの有無や量を調査する費用が含まれます。
アスベスト除去補助金
アスベストが検出された場合、その除去作業にかかる費用の一部を補助する制度です。アスベストの除去は専門知識や装備が必要なため、費用が高額になることがあります。
対象となる建物
一般的には、古い建物やアスベストが使用された可能性の高い建物が対象となります。特に、昭和30年代から昭和40年代にかけて建設された建物が重点的に対象とされることがあります。
補助金の申請条件
補助金を受けるためには、一定の条件を満たす必要があります。例えば、所有者が法人である場合や、一定の所得制限内にある場合などがあります。また、アスベストが含まれる建材の除去に関しては、一定の技術基準を満たす業者に依頼する必要があることがあります。
補助金の申請手続き
補助金を受けるためには、申請手続きが必要です。これには、必要な書類の提出や申請書の記入などが含まれます。申請手続きについては、神奈川県の環境局や関連部署のウェブサイトで詳細を確認できます。
3. 神奈川県建築物アスベスト分析調査に対する補助(横浜市)
横浜市では、建築物におけるアスベスト分析調査に対する補助金制度が提供されています。これにより、建物所有者がアスベストの有無や量を調査し、必要な場合には適切な対策を取るための費用の一部を補助しています。
具体的には、以下のような内容が含まれます。
アスベスト分析調査費用の補助
建物内のアスベストの有無や量を調査するための費用を一部補助します。これには、サンプリングや分析のための費用が含まれます。
補助対象となる建物
対象となる建物は、横浜市内にある住宅や事業所、学校、公共施設などが含まれます。特に古い建物や、アスベストが使用された可能性の高い建物が重点的に対象とされます。
補助金の申請条件
補助金を受けるためには、一定の条件を満たす必要があります。所有者が個人である場合や、所得制限内にある場合などがあります。また、アスベスト分析調査を行う業者は、横浜市が指定する業者を利用する必要があります。
申請手続き
補助金を受けるためには、申請手続きが必要です。これには、必要な書類の提出や申請書の記入などが含まれます。申請手続きについては、横浜市の建築局や環境局のウェブサイトで詳細を確認できます。
4. 横浜市アスベスト除去等工事に対する補助(横浜市)
横浜市民間建築物吹付けアスベスト対策事業制度は民間建築物で天井や壁等に露出して吹き付けられているアスベストの飛散による健康被害を予防し、市民の安全・安心を確保することを目的にしています。
補助対象となる建築物と対象部分
多数の人が利用する民間建築物(店舗、事務所、駐車場など)で、露出して吹付けアスベストが施工されている部分(空調機械室などを含み、共同住宅は共用部分に限る)
補助対象事業と補助金額
アスベスト含有調査
・露出して施工されている吹付け建材について行うアスベスト含有の調査
・調査に要する費用の 2/3 以内の額。ただし 10万円を限度とします。
アスベスト除去等
・吹付けアスベストの除去又は封じ込め
・除去等に要する費用の 2/3 以内の額。ただし、300 万円を限度とします。
※ 除去:全部除去して、非アスベスト建材に代替えする方法
※ 封じ込め①表面に固化剤を吹き付けて塗膜を形成する方法②内部に固化剤を浸透させ結
合力を強化する方法
補助申請手続きの流れ
事前相談(施行者→横浜市)
・補助対象内容の確認を行う。
・配置図、平面図、現況写真等を添付
・除去等の場合はアスベストであることを証する書類(調査報告書等)を添付
↓
補助金交付申請書(施行者→横浜市)
↓
補助金交付決定通知(横浜市→施行者)
↓
施工業者等と契約
含有調査又は除去等の実施
↓
完了実績報告(施行者→横浜市)
↓
完了検査(横浜市)
↓
補助金額確定通知(横浜市→施行者)
↓
補助金請求(施行者→横浜市)
↓
補助金交付(横浜市→施行者)
注意
・アスベスト除去等に関する他の補助を受けているものは対象外です。
・除却を予定している建築物は対象外です。
・補助申請は「敷地」単位で1事業1回とします。
・アスベスト除去等を実施するときは、関係法令による事前の届出や処分についても届出が必要な場合があります。担当部署に確認してくだ
さい。
・その他関係法令の遵守も必要です。
5. まとめ
アスベストに関する補助金としては、アスベスト調査にかかる費用を補助対象とした補助金と、アスベストの除去にかかる工事費用などを補助対象とした補助金に分けられます。一般的にはアスベスト調査にかかる補助金の方がかかるコストも少ないことから補助金の総額が15万円〜25万円ほどと少なく、一方でアスベスト除去に関する補助金は2/3以内を上限としており、120~180万円が上限額(地域によって異なります)とされているなど、比較的大きい金額の補助を受けることができます。
自治体に事前の連絡や相談は必要ですが、2022年4月1日にアスベスト関連法令の改正が実施され、アスベスト含有を調べる事前調査の結果報告が義務付けられており、これには当然、調査や除去工事はコストがかかるため、解体工事全般のコスト増が懸念されているという中で、国や都道府県、市区町村などで補助金が適用できるようになっております。
これは岡山県だけでなく、他の都道府県でも補助金がありますので、これらについては追って記事にしたいと思います。本記事の情報をぜひ有効にご活用ください。
株式会社エコ・テックのアスベスト対策工事について
株式会社エコ・テックでは、事前調査からアスベスト除去工事の専門家として様々なアドバイスを行っています。
全国(東京、名古屋、大阪、岡山、福岡など)で無料相談、無料見積もりを実施しておりますので、土壌汚染に関するご相談がございましたら、お気軽にお問い合わせください。