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解体工事では、安全な作業環境を確保するために適切な足場の設置が不可欠です。足場の設置には、労働安全衛生法や建設業法などの規定があり、これに従わないと重大な事故につながる可能性があります。今回は、解体工事における足場設置の基準と注意点についてご紹介します。
解体工事において足場設置は重要
なぜ解体工事において足場設置は重要なのでしょうか。それは解体工事における足場の事故やトラブルを未然に防ぐためであり、足場の事故やトラブルには、以下のような問題点があります。
①足場の崩壊
設置不良や過積載、支柱の不安定さが原因で足場が倒壊する事故が発生することがあります。特に強風や地盤の沈下により、足場の安全性が損なわれるケースが多いです。
②墜落事故
作業員が足場から転落する事故が頻発しています。適切な手すりや安全帯の使用が不十分な場合や、滑りやすい足場板が原因となることがあります。
③落下物による事故
足場上の工具や資材が落下し、作業員や通行人に危険を及ぼすことがあります。
これらの問題を防ぐためには適切な施工管理と安全対策が不可欠です。
国が定める安全対策-足場の設置基準
解体工事の安全対策は法律や規制に基づいて厳格に定められています。国が定める安全対策として、解体業者の労働環境や労働条件の改善を促す内容が、①労働安全衛生法・②労働安全衛生規則・③建設業法によって定められています。
①労働安全衛生法
職場における労働者の安全と健康を確保するとともに、快適な職場環境を形成する目的で制定された法律です。その手段として、「労働災害の防止のための危害防止基準の確立」・「責任体制の明確化」・「自主的活動の促進の措置」など総合的、計画的な安全衛生対策を推進するとしています。
解体業者に対して快適な職場環境を形成すること、労働条件の改善を促しており、それが作業員の安全と健康を担保することにつながるとされています。
労働安全衛生法では、足場設置に関しても詳細な規定が存在します。
高さ2m以上の作業には足場を設置
→作業床の高さが2m以上になる場合は、足場を設け安全な作業環境を確保する必要があります。
手すりや落下防止措置の義務化
→足場には手すり、中さん(腰板)、踊り場を設置し、墜落防止措置を施す必要があります。
適切な積載荷重の確保
→足場の積載荷重を考慮し、使用する資材や作業者の重量に耐えられるように設計します。
②労働安全衛生規則
労働者の安全と健康を確保し、快適な作業環境を作り出すための規則です。厚生労働省が労働安全衛生法に基づき制定しました。
作業員が安心して働けるよう、安全かつ衛生的な環境づくりを進めることが目的とされています。
労働安全衛生規則では、具体的な足場の設置方法が定められています。
支柱の間隔は1.85m以内
→単管足場の建地間隔は、桁行方向(長手方向)を1.85m以下、梁間方向(巾方向)を1.5m以下と定められています。
作業床の幅は40cm以上
→足場の作業床の幅は40cm以上と定められていますが、床材と建地との隙間を12cm未満にすることが必要です。
足場板の隙間は3cm以下
→足場の隙間を狭くすることで、作業中に部品が落下しにくくしたり、踏み外しの防止にもつながります。
③建設業法
建設業法は、建設業を営む業者の資質の向上、建設工事の請負契約の適正化等を図ることによって、建設工事の適正な施工を確保し、発注者を保護するとともに、建設業の健全な発達を促進することを目的にされた法律です。許可をもたない業者が解体工事を行うことは違法です。
建設業法では、安全管理や施工計画の適正化が求められています。
施工計画書の作成
→解体工事では、足場の設置を含む施工計画書を作成し、適切な管理を行うことが義務付けられています。
有資格者による指導・監督
→足場の設置や点検は、足場の組立て等作業主任者の資格を持つ者が行う必要があります。
これらの基準を守ることで安全な足場を設置できます。
令和6年4月1日以降の労働安全衛生法改正に伴う法規制
令和6年4月1日の労働安全衛生法改正により、幅が1m以上の箇所において足場を使用する際は、原則本足場を使用し、一側足場を使用できなくなりました。本足場とは、建物の外側に独立して設置される足場のことで、一側足場とは、建物の壁面に沿って片側のみで支えられる足場のことです。
本足場(わく組足場以外)の使用に当たっては、特に「足場用墜落防止設備」としての手すり等及び中さん等の設置、物体の落下による危険を防止するための幅木等の設備の設置が重要となります。
また、この労働安全衛生法改正により、一側足場を使用することができるのは、原則として幅が1m未満の箇所に限られるようになりました。一側足場の使用にあたっては、法律上では足場で規定されている「足場用墜落防止設備」の設置義務はありませんが、高さ2m以上の端部においては、少なくとも手すり等の墜落防止措置が必要となります。また、法的義務はありませんが、可能な限り、中さん、巾木等の設置に努めることが推奨されます。
足場の種類と特徴
解体工事では、さまざまな種類の足場が使用されます。用途に応じた適切な足場を選ぶことが安全性向上につながります。それでは足場の種類と特徴について以下でみていきましょう。
①単管足場
単管足場は、鉄パイプとクランプを使用して組み立てられる足場で、その柔軟性から狭い場所でも設置可能です。小規模な解体工事、狭い場所での作業に適しています。その反面、強度が低く、大規模解体工事には不向きです。
②枠組足場
枠組足場は、銅管を門型に溶かした枠に基本部材を組み合わせて構成された足場で、強度が高く大規模な解体工事や高所作業に適しています。高い安全性と耐久性力をもちますが、その分設置に時間がかかりコストも高くなります。
③くさび緊結式足場
くさび緊結式足場は、くさびによってパーツを固定し、組立てや解体が容易な足場で、高層建築の解体工事に適しています。組立てや解体が迅速で、コストパフォーマンスが高いですが、重量があるため運搬が大変です。
④吊り足場
吊り足場は、上部から吊り下げて設置する足場で、橋梁や高所の特殊な解体工事で使用されます。地上に足場を設置できない場所でも使用可能ですが、設置が難しくコストも高くなります。
足場設置時の注意点
足場を安全に設置するためには、いくつかの注意点を抑える必要があります。
①地盤の安定性
足場を設置する場所の地盤が不安定だと、足場が崩壊するリスクがあります。そのため、軟弱地盤では、敷板や銅製ベースを使用して安定させます。またでこぼこがある場合は水平調整を行います。
②強風や天候への対策
解体工事中は、風や雨などの影響を受けやすいため、足場の安全性を高めるための対策が必要です。落下物を防ぐために養生シートや防護ネットを設置する、風速10m/sを超える強風時は足場上での作業を中止すること等で安全性を高めます。
③足場の点検と維持管理
足場は設置後も定期的に点検し、安全性を確保することが重要です。そのため、毎日作業開始前に接続部の緩み、支柱の歪みなどを点検することが求められます。その他にも長期間使用する場合は、1週間に1回以上の定期点検を行う、足場に影響を与える強風・地震等の自然災害後は異常がないか安全確認を行うことも重要です。

最後に
解体工事における足場設置は、安全性を確保するために不可欠な作業です。労働安全衛生法・労働安全衛生規則・建設業法に基づく基準を守り、適切な施工計画と点検を行うことで、事故を防ぐことができます。また、作業環境に適した足場を選び、気象条件や作業員の安全管理にも十分配慮することが重要です。
株式会社エコ・テックの解体工事について
株式会社エコ・テックでは、家屋、建物の事前調査から解体計画の作成だけでなく、解体工事の専門家として様々なアドバイスを行っています。
全国(東京・名古屋・大阪・岡山・福岡等)で、無料相談・無料見積もりを実施しておりますので解体工事に関するご相談がございましたら、お気軽にお問い合わせください
参考URL
・足場に関する労働安全衛生法上の規定について | 滋賀労働局・労働基準監督署
(https://jsite.mhlw.go.jp/shiga-roudoukyoku/content/contents/001495778.pdf)

環境問題に対する意識が高まる現代において、ダイオキシンの毒性やリスクについて正確な知識を持つことは、健康を守るために重要です。本記事では、「ダイオキシン毒性の理解」や「日常生活におけるリスク」を、わかりやすく解説します。
また、環境中のダイオキシン発生源や規制状況、家庭でできる具体的な対策についても詳しく紹介します。
ダイオキシンとは?特徴と発生源
ダイオキシンは環境中に広く存在する有害物質であり、その特徴や発生源を理解することは健康被害を予防するために重要です。ダイオキシン類は自然界には存在せず、主に人間の産業活動や燃焼過程によって生成される化学物質です。
ここではダイオキシンの特性から発生源、環境中での動きまでを解説します。
ダイオキシンの化学的構造と特性
ダイオキシン類はポリ塩化ジベンゾパラダイオキシンなどの総称であり、分子構造によって毒性が異なります。
主な特性は以下のとおりです。
・ 脂肪に溶けやすく水に溶けにくい性質を持つ
・ 熱や光、微生物による分解に対して非常に安定している
・ 極めて微量でも生物に悪影響を及ぼす高い毒性を持つ
これらの特性によって、環境中での長期残留や生物体内での蓄積が起こりやすくなっています。
主なダイオキシン発生源と環境への排出経路
ダイオキシンは自然界には存在せず、主に人間活動によって生成されます。
主な発生源としては以下が挙げられます。
・ 廃棄物(特にプラスチック含有物)の不完全燃焼
・ 製紙工場での塩素漂白過程
・ 金属製錬や化学工場での製造過程
発生したダイオキシンは大気中に排出され、最終的に土壌や水域に蓄積し、食物連鎖を通じて生物の体内に取り込まれていきます。
ダイオキシンの環境中での動態と半減期
ダイオキシンの環境中での動きは、その危険性を理解する上で重要です。
特徴をまとめると以下のとおりです。
・ 土壌中での半減期は約7〜10年と非常に長い
・ 生物の体内に取り込まれると脂肪組織に蓄積する
・ 食物連鎖の上位ほど高濃度になる「生物濃縮」が起こる
・ ヒトの体内での半減期は7〜11年と長期間にわたる
このような環境中での残留性と生物内での蓄積性が、ダイオキシンの長期的なリスクの原因となっています。
ダイオキシンの毒性メカニズムと健康への影響

ダイオキシンが注目される最大の理由は、その強い毒性と健康への影響です。微量でも様々な健康障害を引き起こす可能性があり、特にその長期的な曝露のリスクが懸念されています。
ここでは、ダイオキシンがどのように体内に蓄積され、どのような健康影響をもたらすのかを解説します。
ダイオキシンの体内蓄積のメカニズム
ダイオキシンは主に食品から体内に取り込まれ、脂肪組織に蓄積されます。細胞内の「Ahレセプター」と結合することで毒性を発生し、遺伝子発現を変化させてホルモンバランスの乱れなどを引き起こします。
体内半減期は7〜11年と非常に長く、微量でも継続的な摂取により体内濃度が徐々に上昇する特徴があります。
ダイオキシンによる健康影響の違い
ダイオキシンの健康影響は曝露量と期間によって異なります。高濃度急性曝露では塩素座瘡や肝機能障害などが生じる可能性があります。
一方、低濃度長期曝露ではホルモンバランスの乱れ、免疫機能低下、一部のがんリスク上昇などが考えられるでしょう。現代の日本における一般的な環境では、深刻な健康影響が現れるほどの高濃度曝露は稀といえます。
特に影響を受けやすい胎児・乳幼児への影響
発育段階にある胎児や乳幼児はダイオキシンの影響を受けやすいとされています。母体に蓄積したダイオキシンは胎盤や母乳を通じて移行し、発達中の神経系や免疫系に影響を与える可能性があります。
研究では神経発達の遅延や免疫機能低下などが報告されており、この時期の曝露影響は成人期まで続く可能性があるため特に注意が必要です。
出典元:国立環境研究所【ダイオキシンによる胎児への影響と胎盤の機能変化】
日常生活におけるダイオキシン曝露のリスク
私たちの日常生活では、様々な経路からダイオキシンに曝露する可能性があります。しかし、現代の日本におけるリスクレベルは、過去に比べて大幅に低下しています。
ここでは、主な曝露経路とそのリスクについて解説します。
食品を通じたダイオキシン摂取とリスク
人のダイオキシン摂取の約90%は食品を通じて起こります。特に魚介類や肉、乳製品などの動物性食品に多く含まれています。これは食物連鎖による生物濃縮の結果です。
厚生労働省の令和2年度調査によると、日本人の食品からのダイオキシン類の一日摂取量は平均0.40 pg TEQ/kg 体重/日(範囲:0.11~0.91)と推定されています。
これは日本における耐容一日摂取量(TDI)4 pg TEQ/kg 体重/日よりも大幅に低い水準です。魚介類からの摂取が多いものの、現在の日本の食生活では健康リスクは低いと考えられます。バランスの取れた食生活を心がけることが重要です。
出典元:厚生労働省【令和2年度食品からのダイオキシン類一日摂取量調査等の調査結果について】
大気・水・土壌からの曝露経路とリスク
ダイオキシンは食品以外にも環境中から人体に取り込まれる可能性があります。環境からの曝露経路には主に以下のパターンがあります。
・ 大気中のダイオキシンを呼吸によって取り込む(全摂取量の約1〜5%)
・ 水道水などを通じて摂取する(現在の浄水処理で効果的に除去)
・ 土壌中のダイオキシンが付着した農作物を摂取する
・ 特に子どもが土や埃を口にすることによる直接摂取
これらの経路からの摂取量は食品経由と比較して非常に少ないのが一般的です。
ただし、過去に特定の産業活動が行われていた地域では、土壌中に高濃度で残留しているケースもあるため、地域によっては注意が必要となります。
ダイオキシン曝露を減らすための対策
ダイオキシンの曝露は現代の日本では大幅に低減されていますが、さらに健康リスクを最小限に抑えるための対策を知っておく必要があります。日常生活における簡単な工夫で、ダイオキシン摂取を減らせるでしょう。
家庭でできるダイオキシン曝露の予防法
家庭内でのダイオキシン曝露を減らすための具体的な方法には以下のようなものがあります。
・ 定期的な換気と掃除で室内のほこりを減らす
・ 特に乳幼児のいる家庭では床やおもちゃの清掃を徹底する
・ ビニール類や塩素を含む素材の家庭内焼却は絶対に避ける
・ ゴミの分別と適切な処理を徹底する
・ 室内喫煙を避ける(タバコの煙にもダイオキシン類が含まれる)
これらの対策は特別なものではなく、普段の生活の中で実践できる対応です。清潔な生活環境を保つことが、ダイオキシンだけでなく様々な有害物質からの曝露を減らすことにつながります。
食品選びと調理法による摂取量削減のポイント
食品からのダイオキシン摂取を減らすには、バランスの良い食生活が基本です。特定の食品に偏らず様々な食材を取り入れましょう。
以下のポイントを参考にしてください。
・ 魚介類は種類をバランスよく食べる(大型魚や脂肪の多い魚に偏らない)
・ 調理前に魚の皮を除去したり、肉の脂身を落としたりする
・ 野菜や果物は十分に水洗いして表面の汚染物質を減らす
・ 脂肪分の多い乳製品の過剰摂取を避ける
・ 自家製の燻製や過度な炭火焼きを控える
こうした調理法の工夫により、栄養バランスを保ちながらもダイオキシン摂取量を効果的に減らすことができます。
地域社会でのダイオキシン対策への参加方法
ダイオキシン対策は個人だけでなく地域全体で取り組むことも効果的です。地域レベルでの参加方法としては以下のような活動があります。
・ 地域の環境・清掃活動への参加
・ 廃棄物の適切な分別と処理の徹底
・ 廃棄物処理施設の住民説明会への参加と情報収集
・ 環境に配慮した製品の選択や消費行動
・ 地域の環境教育イベントへの参加や協力
これらの活動を通じて、地域全体の環境保全と健康保護のバランスを考えることが重要です。正確な情報を共有し、過度な不安に惑わされず、持続可能な対策を進めていくことが望ましいでしょう。

製造業や廃棄物処理に携わる事業者にとって、焼却炉の適切な運用は法令遵守の観点から非常に重要な課題となっています。特に近年は環境規制の強化や住民意識の高まりにより、焼却炉に関する法的リスク管理の必要性が増しています。
本記事では、「焼却炉に関する法律や規制の最新情報」や「事業者が遵守すべき具体的なポイント」を詳しく解説します。
焼却炉に関する法律の概要
焼却炉の設置・運用には複数の法律が関係しており、事業者はこれらを遵守しなければなりません。近年は環境規制の強化により、法令順守の重要性がさらに高まっています。
ここでは焼却炉を規制する主要な法律とその概要について解説します。
廃棄物処理法における焼却炉の位置づけ
廃棄物処理法では焼却炉は「廃棄物処理施設」として位置づけられ、一定規模以上の施設には許可が必要です。2000年の法改正以降は野焼きや簡易焼却炉での廃棄物焼却が原則禁止され、小規模な焼却炉でも適切な管理が求められています。
以下の条件に該当する焼却炉には都道府県知事の許可が必要です。
・ 一般廃棄物焼却炉:処理能力が1時間あたり200kg以上または火格子面積が2㎡
・ 産業廃棄物焼却炉:処理能力が1時間あたり200kg以上または火格子面積が2㎡以上
出典元:環境省【廃棄物処理法における廃棄物処理施設の設置の許可制度について】
大気汚染防止法の排出基準と焼却炉
大気汚染防止法では焼却炉は「ばい煙発生施設」として規制され、焼却能力が時間当たり50kg以上の施設は届出が必要です。
ばいじん、硫黄酸化物、窒素酸化物などの排出基準が定められており、2018年からは水銀の排出規制も加わりました
ダイオキシン類対策特別措置法の規制内容
大気汚染防止法では焼却炉は「ばい煙発生施設」として規制され、火格子面積が2m²以上または焼却能力が時間当たり200kg以上の施設が対象となります。
ばいじん、硫黄酸化物、窒素酸化物、塩化水素、水銀などの排出基準が定められており、届出と定期的な測定・記録が義務付けられています。2018年からは水銀に関する排出規制も強化されました。
出典元:環境省【廃棄物焼却炉に係る塩化水素及び窒素酸化物の排出規制について
焼却炉の種類と規模に応じた法的要件

焼却炉は用途や処理能力によって様々に分類され、それぞれに適用される法的要件が異なります。ここでは焼却炉の主要な分類と法的要件について解説します。
一般廃棄物焼却施設に適用される法規制
一般廃棄物焼却施設には、廃棄物処理法に基づく構造基準と維持管理基準が適用されます。主な要件をまとめると以下のとおりです。
・ 助燃装置の設置:燃焼ガスの温度を800℃以上に保つための助燃装置の設置
・ 二次燃焼室の設置:ダイオキシン類の発生抑制のため、二次燃焼室の設置
・ 排ガス処理設備の設置:排ガスの冷却設備や、ばいじん・有害ガス除去装置の設置
・ 燃焼ガスの温度管理:燃焼室内の温度管理と、燃焼ガスの滞留時間の確保
処理能力が1日100トン以上の廃棄物焼却施設の新設は、環境影響評価法の対象となり、計画段階から環境アセスメントが必要とされています。
産業廃棄物焼却施設の法的基準
産業廃棄物焼却施設は多様な性状の廃棄物を扱うため、より厳格な管理が求められます。一般廃棄物と同様の基準が適用されますが、特別管理産業廃棄物を処理する施設にはさらに厳しい基準が課されます。
また、施設設置には地域住民との合意形成が実質的に必要となるケースが多いです。
小型焼却炉に対する規制と免除条件
小型焼却炉の規制は焼却能力によって異なります。主な区分と規制は以下のとおりです。
- 時間当たり200kg以上:廃棄物処理法に基づき、設置許可が必要
- 時間当たり50kg以上200kg未満:設置許可は不要だが、大気汚染防止法およびダイオキシン類対策特別措置法の適用対象
- 時間当たり50kg未満:多くの規制が免除されるが、構造基準の遵守が求められる
近年、法的義務がない場合でも、事業者が自主的に高性能設備を導入したり、廃棄物処理を外部に委託するケースが増加しています。
焼却炉設置・運用における遵守すべきポイント
焼却炉を設置して運用するには、守るべき法律やルールが多く存在します。これらを管理することで、法律違反のリスクを避け、環境への影響を減らし、地域と良い関係を築くことができます。
ここでは、焼却炉を適切に管理するために大切なポイントを詳しく解説します。
焼却炉設置前の許可申請と手続き
焼却炉の設置には、規模や用途に応じた適切な許可申請や届出が必要です。
まず事前に所轄官庁に相談し、必要な手続きを確認しましょう。申請書類には設計図面や維持管理計画など詳細な資料が求められるため、専門家との連携が重要です。
申請から許可取得までは数ヶ月を要するケースも多いため、計画的な準備が必要です。
環境アセスメントと住民説明会の実施
大規模な焼却施設では法定の環境調査が必要であり、中小規模でも自主的な調査や住民説明会が重要です。
近隣住民の理解を得るためには以下のポイントに注意しましょう。
- 施設の必要性と環境対策の丁寧な説明
- 排出ガスデータの定期的な公開など情報開示の仕組み作り
- 住民意見の設計・運用への反映
- 施設見学会など継続的なコミュニケーション機会の創出
焼却灰の適正処理と管理
焼却灰は廃棄物焼却処理の最終段階であり、適切な管理と処理が法令で厳しく規制されています。
焼却灰の処理と管理についてまとめると以下のとおりです。
- 溶出防止処理:飛灰からの有害物質の溶出を防ぐため、セメント固化や薬剤処理などの安定化処理が義務
- マニフェスト管理:焼却灰の処理を委託する場合は、産業廃棄物管理票(マニフェスト)による厳格な追跡管理が必要
- 最終処分場の選定:処理後の焼却灰は、その性状に応じた適切な最終処分場で処分する
- 灰のリサイクル:近年は焼却灰を路盤材やセメント原料として再利用する
- 保管基準の遵守:焼却灰を一時保管する場合は、雨水侵入防止、周囲への飛散防止などの保管を徹底
焼却灰の不適切な処理は土壌汚染や水質汚染を引き起こす可能性があります。そのため、環境への影響が大きく、処理委託先の現地確認や監査を定期的に実施することが推奨されます。
焼却炉に関する法令違反と罰則
焼却炉に関する法令違反は、罰則の適用だけでなく社会的信用の損失や事業継続への影響も大きいため、確実な法令遵守が必要です。ここでは主な違反ケースについて解説します。
無許可設置・不適切運用の法的リスク
焼却炉の無許可設置や基準違反の運用は、厳しい罰則の対象となります。廃棄物処理法違反では5年以下の懲役もしくは1000万円以下の罰金(法人は3億円以下)、または併科という重い罰則が定められています。
違反事例として多いのは以下のようなケースです。
・ 必要な許可なく焼却炉を設置・運用
・ 構造基準に適合しない焼却炉での廃棄物焼却
・ 維持管理基準を満たさない不適切な運転(温度管理の不備など)
・ 廃プラスチックなど禁止物の焼却
排出基準超過時の対応と報告義務
排出ガス測定で基準値超過が判明した場合、速やかな対応が求められます。応急措置として運転条件の調整や一時停止を行い、原因究明と対策の実施が必要です。
また、基準超過の事実は所轄官庁に報告する義務があり、対応の遅れや報告義務違反は追加の罰則対象となることがあります。早期の情報開示と誠実な対応が重要です。

解体工事を行う際には、解体工事の安全性や近隣住民への配慮が求められます。その中でも特に重要なのが「表示義務」です。解体工事の表示義務とは、解体工事現場に関する情報を適切に表示し、関係者や近隣住民に明確に知らせることを指します。今回は、解体工事の表示義務の概要や遵守すべき内容、違反時のペナルティについてご紹介します。
解体工事における表示義務とは・表示義務の目的
解体工事における表示義務は、解体工事の透明性を確保し、トラブルを未然に防ぐために設けられています。具体的には、解体工事に関する情報を解体工事現場に掲示し、誰でも確認ができるようにすることが求められます。
解体工事における表示義務の目的は、解体工事の内容を明確に示すことで、近隣住民が安心して生活できる環境を整え、解体工事業者を明記することで責任の所在を明らかにします。また、適正な解体工事であることを示すことで違法工事を防ぎ、解体工事現場の管理を徹底することで事故を未然に防ぐことができます。
解体工事における表示義務に関連する法律
解体工事における表示義務は、主に掲示物、看板設置を指しており、建設業法第40条・建設リサイクル法第33条によって義務付けられています。そのため、解体工事を行う際は必ず看板を設置しなければなりません。
建設業法は、建設業を営む者の資質の向上、建設工事の請負契約の適正化等を図ることによって、建設工事の適正な施工を確保し、発注者を保護するとともに、建設業の健全な発達を促進し、公共の福祉の増進に寄与することを目的として作られた法律です。
建設業法第40条
建設業者は、その店舗及び建設工事(発注者から直接請け負ったものに限る。)の現場ごとに、公衆の見やすい場所に、国土交通省令の定めるところにより、建設業の名称、一般建設業又は特定建設業の別その他国土交通省令で定める事項を記載した標識を掲げなければならない。
建設リサイクル法は、特定の建設資材について、その分別解体等及び再資源化等を促進するための措置を講ずるとともに、解体工事業者について登録制度を実施すること等により、再資源の十分な利用及び廃棄物の減量等を通じて、資源の有効な利用の確保及び廃棄物の適正な処理を図り、もって生活環境の保全及び国民経済の健全な発展に寄与することを目的として作られた法律です。
建設リサイクル法第33条
解体工事業者は、主務省令で定めるところにより、その営業所及び解体工事の現場ごとに、公衆の見やすい場所に、商号、名称又は氏名、登録番号その他主務省令で定める事項を記載した標識を掲げなければならない。
法令検索| e-Govポータル (https://laws.e-gov.go.jp/)より
また、石綿(アスベスト)を含む建築物の解体工事については、建設業法、建設リサイクル法の他にも、大気汚染防止法・石綿生涯予防規則により石綿(アスベスト)の事前調査の内容と撤去作業の実施内容を記載した看板の設置、立入禁止の看板の設置が義務付けられています。
解体工事における表示義務についての補足
解体工事の掲示物、看板設置は法律で義務付けられていますが、施主の個人情報は掲示しなくて構いません。解体工事の掲示物、看板では解体工事業者の連絡先掲示は必要ですが、施主の個人情報は掲示する必要がありません。そのため、許可なく個人情報が掲示された場合は確認及び各自治体等へ問い合わせをするようにしましょう。
また、石綿(アスベスト)を含まない解体工事でも、「石綿(アスベスト)を使用していない」旨を記載した掲示物、看板の設置が必要となります。
解体工事における表示義務の詳細
解体工事の表示義務には、主に以下の内容を掲示する必要があります。詳しくみていきましょう。
①解体工事の基本情報
解体工事現場には、主に基本情報を明記した掲示板を設置する必要があります。
・解体工事名(例:◯◯建物解体工事)
・解体工事業者の名称・連絡先
・解体工事の期間(開始日と終了予定日)
・許可番号や許可証の有無
②近隣住民への周知
解体工事が始まる前に、近隣住民に対して事前に通知を行うことが推奨されています。
・解体工事のお知らせ文の配布(解体工事開始の1週間前までに)
・騒音・振動対策の説明
・連絡先の明示(苦情対応窓口の設置)
③安全対策に関する表示
解体工事現場では、安全対策の表示も重要です。
・作業員の安全対策(ヘルメット・安全帯の着用義務等)
・解体工事の立ち入り禁止表示
・粉じん・騒音対策の実施状況
④産業廃棄物に関する情報
解体工事では大量の産業廃棄物が発生するため、その適正処理が求められます。そのため、情報を表示する義務があります。
・廃棄物の処理方法
・廃棄物の種類と量
・処分業者の名称・連絡先
解体工事の表示義務違反に対するペナルティ
解体工事の表示義務を怠った場合、以下のようなペナルティが科される可能性があります。
①行政指導・是正勧告
適切な掲示がない場合、自治体から指導が入る場合があります。
②罰則の適用
重大な違反がある場合、建設業法や建設リサイクル法に基づいて罰則が科されることがあります。
③近隣住民とのトラブル
表示が不適切だと、近隣住民とのトラブルの原因となることがあります。
解体工事の表示義務を遵守すべきポイント
解体工事の表示義務を適切に遵守するためにはいくつかポイントがあります。下記でみていきましょう。
①適切な掲示板を設置する
雨風に強い素材で掲示板を作成し、見やすい場所に設置する、必要に応じて大きく目立つデザインにすることで、周囲の人々に注意を促すことができます。そして掲示板は、通行人や作業員が容易に見つけられる場所に設置する必要があります。解体工事現場の入口や主要な通行路沿いに設置することが重要です。
②定期的に内容を更新する
解体工事の進行状況や予定が変更された場合、掲示物の内容もそれに応じて更新する必要があります。古い情報を掲示したままにしておくと、誤解を招き、トラブルの原因になることがあります。定期的に内容を確認し、必要に応じて修正を行うことが大切です。
③近隣住民への説明を怠らない
解体工事着工前に近隣住民へ解体工事の概要を説明することにより、騒音や振動、粉じん等に関する近隣住民からのクレームが発生しないようにする必要があります。具体的には、何時から何時まで解体工事を行うか・解体工事の期間・いつが解体工事のない休日なのかということも伝えることが大切です。解体工事の1週間前くらいまでには近隣住民への挨拶を終わらせることが理想です。
通常は解体工事業者が主導として行います。解体工事の専門的知識を解体工事業者が近隣住民へ説明することにより、説明不足による近隣クレームの回避になります。施主も一緒に挨拶に回ることでトラブルを回避しやすくなります。菓子折りなどを用意して持参することがおすすめです。
また、解体工事終了後も解体工事の騒音や振動、粉じん等による迷惑をかけたことに関するお礼の挨拶をすることも重要です。

最後に
解体工事における表示義務は、解体工事の透明性を確保し、安全対策や近隣住民への配慮を徹底するために不可欠です。表示義務を怠ると、行政指導や罰則の対象となる可能性があるため、適切に対応することが求められます。適正な掲示を行い、解体工事関係者との円滑なコミュニケーションを図ることで、スムーズな解体工事進行が可能となります。解体工事を実施する際は、必ず表示義務を守り、安全でトラブルのない解体工事を目指しましょう。
株式会社エコ・テックの解体工事について
株式会社エコ・テックでは、家屋、建物の事前調査から解体計画の作成だけでなく、解体工事の専門家として様々なアドバイスを行っています。
全国(東京・名古屋・大阪・岡山・福岡等)で、無料相談・無料見積もりを実施しておりますので解体工事に関するご相談がございましたら、お気軽にお問い合わせください
参考URL
・法令検索| e-Govポータル
(https://laws.e-gov.go.jp/)
・特定建設作業の規制について| 大阪府
(https://www.pref.osaka.lg.jp/kotsukankyo/oto/kensetsu.html)

解体工事では、建物を撤去する過程で様々な埋設物が発見されることがあります。これらの埋設物は、解体工事の進行に影響を及ぼすだけでなく、安全管理や法的な対応も求められる場合があります。今回は、解体工事中に発見される埋設物への対応方法についてご紹介します。
解体工事における埋設物について
埋設物とは、土壌や地下に埋められた各種の物質を指します。これらは建物やインフラの一部として配置されており、解体工事中や解体工事後に見つかることがあります。
以下でどのような埋設物の種類があるのかみていきましょう。
建物基礎
これから解体しようとしている建物以前の建物基礎が残っている場合があります。建物基礎は解体工事に伴い取り崩し処分して更地にしなければなりません。
井戸や浄化槽
井戸や浄化槽は、これから解体しようとしている建物以前にそのまま放置されたり埋め戻されたりしている場合があり地中埋設物となっている場合があります。
瓦やコンクリートガラ
瓦やコンクリートガラは最も多く見つかる地中埋設物の一つです。瓦やコンクリートガラは建築廃材と呼ばれます。これから解体しようとしている建物以前に建築廃材を撤去していれば地中から見つかることはないのですが、ずさんな解体工事など地中に埋めてしまっていると、解体工事の際に見つかることがあります。
岩
地中から岩が発見される場合はほとんどが自然発生です。重機などを使って掘り起こしをしていると見つかることがあります。
地中埋設配管・ケーブル類
電気・ガス・水道・通信ケーブルなどが地中に埋設されていることがあります。これらが撤去されずに残っていると、解体工事中に損傷を受ける可能性があり、事故につながる恐れがあります。
産業廃棄物
過去に埋められた建築廃材や生活ゴミ、産業廃棄物が地中から見つかることがあります。特に石綿(アスベスト)を含む廃棄物や有害物質を含む廃棄物が発見された場合は、適切な処理が必要です。
地歴に関わる埋設物(文化財・遺跡)
特に歴史のある地域では、遺跡や文化財が埋まっていることがあります。こうした埋設物が発見された場合、文化庁や自治体に報告し、発掘調査の許可を得る必要があります。
未爆弾・危険物
戦時中の爆弾やガスボンベなどの危険物が埋まっている場合があります。これらが発見された際には、すぐ警察や専門機関に連絡し、適切な対応を取る必要があります。
なぜ埋設物の撤去が必要なの?
埋設物の撤去は、主に安全性の確保、法的遵守、土地の有効活用の観点から重要です。地中に残された埋設物は、解体工事や建築の際の障害となるだけでなく、事故の原因となる可能性があります。例えば、古いガス管や電気ケーブルが破損すると、ガス漏れや感電事故の可能性がありますし、未爆弾や有害廃棄物が埋まっている場合、それらが発見されずに掘削された際に大きな危険を伴います。
また、埋設物の中には、産業廃棄物処理法、文化財保護法、労働安全衛生法などの法律で適切な処理が義務付けられているものがあります。例えば、遺跡が発見された場合は発掘調査が必要となり、不法投棄された廃棄物を撤去しないと罰則を受ける可能性があります。
そして、建物の基礎や埋設物が残ったままでは、解体工事後の新しい建築物の施工が困難になります。土地の価値を最大限に活用するためにも、埋設物を除去し、適切な整地を行うことが必要です。
このような理由から、埋設物の撤去は解体工事の円滑な進行と安全な環境の確保のために欠かせない作業です。
解体工事を行う前に埋設物の有無を確認する事前調査をしよう
解体工事を行う前に、埋設物の有無を確認するための事前調査を行うことが重要です。
調べる方法として、①地歴調査、②非破壊検査、③ボーリング調査の3種類あります。下記でみていきましょう。
①地歴調査
地歴調査とは、地中に埋設された物質や施設の歴史的な文書や図面、記録を収集し、それを基に現地での調査を行うプロセスです。歴史的な地図や建設プラン、建物の設計図などの資料を参照し、地中埋設物の位置や性質を把握します。地歴調査によって、地中埋設物の種類や用途、過去の変更点などが明らかになり、調査の方針や計画を立てる上で重要な情報源になります。3種類の調査方法の中で一番手軽に行うことが出来ます。
②非破壊検査
非破壊検査とは、地中埋設物を損傷せず調査するために使用され、主に地中の状態や位置を確認するプロセスです。非破壊検査の中でも地中レーダー探査が一般的です。地中レーダー探査は、高周波の電磁波を地中に送りこみ、その反射パターンを解析して地中埋設物を検知します。地中レーダー探査は、非常に迅速で地下の異なる密度の物質を区別することが出来ます。実際の現場に行って調査する点から地歴調査と比べてより実践的な調査方法です。地歴調査・非破壊検査の両方を組み合わさることにより地中埋設物を見つける精度が高くなります。
③ボーリング調査
地歴調査、非破壊検査を経て、地中埋設物がある可能性が高い場合に、ボーリング調査が行われます。ボーリング調査では地中に直径の異なる穴(ボーリング)を掘り進め、その穴に挿入された試料を分析することで地下構造を詳細に調査します。土壌汚染を発見するのにも有効です。地中埋設物がある場合、ボーリング調査を通じてこれらの情報を得ることが出来ます。
解体工事中に発見される埋設物への対応方法
解体工事中に埋設物が発見された際には、以下のような手順で対応することが推奨されています。
①埋設物の発見時には作業を停止する
解体工事の安全を確保するため、埋設物が発見された時点で作業を一時停止します。埋設物には、有害物質を含むものやガス・電気などのインフラ設備、さらには未爆弾などの危険物が含まれている可能性があります。無理に作業を続けると、爆発や感電、ガス漏れによる中毒などの重大な事故につながる恐れがあるため、直ちに作業を停止する必要があります。
②発見された埋設物の状況の確認と記録を行う
発見された埋設物の詳細を確認し、記録を行います。埋設物の記録には、以下の項目を含めることが推奨されています。
・発見日時
・発見場所
・埋設物の種類
・埋設物の状態
・周辺環境の確認
③専門機関への報告と相談
埋設物の状況の確認と情報を記録した上で、関係者と共有し適切な対応を協議します。埋設物の種類によっては、専門機関への報告が必要になる場合があります。例えば、電気・ガス・通信ケーブルの場合は、各インフラ事業者へ連絡し対応を依頼する必要があります。また、文化財が発見された場合は、自治体の文化財課へ報告し、発掘調査の指示を受けなければなりません。
④適切な処理・撤去作業の実施
埋設物の記録と報告が完了した後は、適切な処理方法を決定し、安全に埋設物の撤去作業を進めます。産業廃棄物や有害物質を含む埋設物は、法令に基づいた処理方法で適切に処分し、処理証明を取得することが求められます。
⑤解体工事の再開
適切な処理・撤去作業が完了した後、最終的に安全を確認し、解体工事を再開する流れとなります。
埋設物への対応は、適切な記録と報告が不可欠です。これにより、後のトラブルを防ぐだけでなく、法的な問題を回避し、安全な解体工事を実現することができます。

最後に
解体工事中に発見される埋設物は多岐にわたり、その対応には慎重な判断と法令遵守が求められます。事前調査をしっかり行い、万が一埋設物が発見された場合には、速やかに対応をとることが重要です。埋設物の撤去を含め、解体工事をスムーズに進めるためにもコミュニケーションを取りやすく、サポートが万全な業者を見つけることが大事といえます。
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アスベストの記事一覧

目次:
アスベストに関する都道府県の補助金(島根編)について
1. アスベストに関する国の補助金の対象について
アスベストに関する国の補助金につきましては、
https://www.eco-j.co.jp/blog/20230418.html(アスベスト除去の補助金について)
こちらの記事で以前記載しております。
アスベストに関する都道府県の補助金は、実はさまざまな種類がありますので、今回は現時点で公開されている島根県の補助金について、説明いたします。
※本コラムは、2024年11月5日時点での情報を元に記載しております。実際の補助金についてはご相談時に内容が変わっている可能性がございますので、必ず自治体に直接確認するようにお願いいたします。
2. 吹付けアスベスト等の対策に関する補助制度について(島根県)
島根県にはフリーダイヤルをはじめとしたアスベストに関する相談窓口が設置されていますが、具体的な補助金制度については市町村ごとの対応となります。
2024年11月5日現在で、島根県内でアスベストに関連する補助金制度を設けていることが確認できているのは、下記の市町村となります。
・浜田市(都市建設部 建築住宅課)※除去工事のみ
その他の市町村でもアスベストに関する対策が進められている可能性があります。詳細は各市町村の公式サイトや担当部署で確認することをお勧めします。
3. 吹付けアスベスト除去等事業補助金交付(浜田市)
浜田市では、令和5年4月1日より吹付けアスベストの除去等に対する補助制度を設けています(令和8年3月31日まで)。
補助対象建築物
市内に存する建築物(国、地方公共団体その他の公共団体が所有し、又は所有していた建築物を除く。)であって、アスベスト含有調査により吹付けアスベスト等が施工されていることを確認されたもの
補助対象事業
補助対象建築物について吹付けアスベスト除去等を行う事業。
補助対象建築物の敷地内に存する全ての補助対象建築物について当該吹付けアスベスト除去等を行うことが条件となります。
吹付けアスベスト等の除去を行う場合は、交付申請日の属する年度の3月31日までに耐火被覆等の施工を行ってください。ただし、当該吹付けアスベスト等の除去を行った後に、補助対象建築物を使用せず、当該年度の翌年度の3月31日までに当該補助対象建築物の解体を開始する場合については、この限りではありません。
次のいずれかに該当するものは補助対象事業とはなりません。
- ①アスベスト含有調査
- ②申請日の属する年度の 3月 31 日までに補助対象事業が完了しないもの
- ③他の同種の補助金等の交付を受けて行うもの
- ④その他市長が適当でないと認めるもの
補助対象者
補助対象建築物の所有者又はその相続人
補助対象経費
吹付けアスベスト除去等の工事(補助対象建築物の天井等の撤去及び復旧に係る工事を除きます。)に要する経費(吹付けアスベスト等の除去を行った後に講じる耐火被覆等の施工に係る経費を含みます。)
補助金額
補助対象経費の3分の2以内の額(その額に1,000円未満の端数が生じたときは、これを切り捨てた額)とします。ただし、500万円を限度とし、補助金の総額については、予算の範囲内とします。
交付申請
次に掲げる書類を添えて、補助対象事業の着手前7日までに市長宛に提出してください。
- ①補助対象者であることを証する書類
- ②補助対象建築物の位置図
- ③アスベスト含有調査報告書(アスベスト含有調査により、吹付けアスベスト等が施工されていることを確認できる書類をいう。以下同じ。)の写し
- ④特定管理産業廃棄物管理責任者証(廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行規則(昭和 46年厚生労働省令第 35号)第 8条の 17に規定する特別管理産業廃棄物管理責任者の資格を証する書類をいう。以下同じ。)及び石綿作業主任者証(石綿障害予防規則(平成 17 年厚生労働省令第21 号)第 19 条に規定する石綿作業主任者の資格を証する書類をいう。以下同じ。)の写し
- ⑤吹付けアスベスト除去等の工事着工前の写真
- ⑥見積書の写し
- ⑦その他市長が必要と認めるもの
なお、この申請は、補助対象建築物の敷地当たり1回に限り行うことができます。
実績報告
補助事業が完了したときは、速やかに吹付けアスベスト除去等事業実績報告書(様式第3号)に次に掲げる書類を添えて、市長宛に提出してください。
- ①領収書の写し
- ②吹付けアスベスト除去等の工事期間中及び工事完了後の写真
- ③マニフェストE票の写し(吹付けアスベスト等の除去を行う場合に限る。)
- ④その他市長が必要と認めるもの
交付請求
補助金の交付の請求をしようとするときは、吹付けアスベスト除去等事業補助金交付請求書(様式第5号)に市長が必要と認める書類を添えて、市長宛に提出してください。
申請から補助金振込までの流れ
①交付申請書(様式第1号)の提出【申請者→建築住宅課】
※工事着工の7日前までに提出
↓
②交付決定通知書の交付【建築住宅課→申請者】 ※概ね1週間程度
↓
③アスベスト除去等の契約と工事着手
↓
④アスベスト除去等の工事完了
↓
⑤実績報告書(様式第3号)の提出【申請者→建築住宅課】
↓
⑥確定通知書の交付【建築住宅課→申請者】 ※概ね1週間程度
↓
⑦請求書(様式第5号)の提出【申請者→建築住宅課】
↓
⑧補助金の振り込み【建築住宅課→申請者】
※概ね1か月程度
※必ず、除去等の工事着手前に申請を行ってください。工事着手後の申請は受付けておりませんのでご注意ください。
※申請書等の作成・提出・受取については、申請者に代わって工事業者が行っていただきますようお願いいたします。なお、補助金は申請者の口座に振り込みます。
※予算がなくなり次第、申請の受付を終了します。
Q&A ※一部のみ掲載
Q:既に吹付けアスベストを除去しましたが、補助の申請をすることはできますか。
A:できません。補助の対象となるのは、除去等を行う前の申請のみです。
Q:自分で吹付けアスベストを除去しても補助の対象となりますか。
A:補助の対象とはなりますが、吹付けアスベストは有資格者でなければ除去することができません。なお、適正に撤去・処分を行っていないものは補助の対象となりません。
Q:以前公共建築物だったものに吹付けアスベストがあった場合も補助の対象となりますか。
A:公共建築物又は公共建築物であったものは補助の対象となりません。市内にある民間建築物のみが補助の対象となります。
Q:建築物の所有者が共有名義となっている場合は、他の所有者の同意書の添付は必要ですか。
Q:建築物に抵当権等の他の権利がある場合は、その権利者の同意書の添付は必要ですか。
A:同意書の添付は不要ですが、申請者において他の所有者や権利者の同意を取っておいてください。なお、所有者や権利者に関するトラブルが発生しても、市では対応いたしません。
Q:吹付けアスベスト除去等の工事業者は、申請者になれますか。
A:工事業者は申請者にはなれません。建築物の所有者か相続者に限定しています。
問合先
浜田市 都市建設部 建築住宅課
〒697-8501 島根県浜田市殿町1番地
電話番号:0855-25-9632

4. まとめ
アスベストに関する補助金としては、アスベスト調査にかかる費用を補助対象とした補助金と、アスベストの除去にかかる工事費用などを補助対象とした補助金に分けられます。一般的にはアスベスト調査にかかる補助金の方がかかるコストも少ないことから補助金の総額が15万円〜25万円ほどと少なく、一方でアスベスト除去に関する補助金は2/3以内を上限としており、120~180万円が上限額(地域によって異なります)とされているなど、比較的大きい金額の補助を受けることができます。
自治体に事前の連絡や相談は必要ですが、2022年4月1日にアスベスト関連法令の改正が実施され、アスベスト含有を調べる事前調査の結果報告が義務付けられており、これには当然、調査や除去工事はコストがかかるため、解体工事全般のコスト増が懸念されているという中で、国や都道府県、市区町村などで補助金が適用できるようになっております。
これは島根県だけでなく、他の都道府県でも補助金がありますので、これらについては追って記事にしたいと思います。本記事の情報をぜひ有効にご活用ください。
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目次:
アスベスト調査の都道府県の補助金(群馬編)について
- 1. アスベストに関する国の補助金の対象について
- 2. 吹付けアスベスト等の対策に関する補助制度について(群馬県)
- 3. 高崎市民間建築物アスベスト含有調査事業について
- 4. 民間建築物アスベスト含有調査事業費補助金について(明和町)
- 5. まとめ
1.アスベストに関する国の補助金の対象について
アスベストに関する国の補助金につきましては、
https://www.eco-j.co.jp/blog/20230418.html(アスベスト除去の補助金について)
こちらの記事で以前記載しております。
アスベストに関する都道府県の補助金は、実はさまざまな種類がありますので、今回は現時点で公開されている群馬県の補助金について、説明いたします。
※本コラムは、2024年10月8日時点での情報を元に記載しております。実際の補助金についてはご相談時に内容が変わっている可能性がございますので、必ず自治体に直接確認するようにお願いいたします。
2. 吹付けアスベスト等の対策に関する補助制度について(群馬県)
群馬県にはアスベストに関する対策についての窓口が設置されています(感染症・疾病対策課疾病対策係、地域の保健所・保健福祉事務所、環境事務所・環境森林事務所、土木事務所等)が、具体的な補助金制度については市町村ごとの対応となります。
高崎市:
民間建築物のアスベスト含有調査に対する補助金があり、上限25万円/棟の補助を提供しています。調査費用が対象となり、申請期間が定められています(建設部建築指導課)。
明和町:
アスベスト含有調査費用に対する補助金制度があり、こちらも上限25万円です。町内の民間建築物に対するアスベスト調査費用を補助し、申請期間が年度ごとに設定されています(都市建設課 都市開発係)。
伊勢崎市:
アスベストに関する補助金については確認できませんでしたが、アスベストに関する相談窓口が設置されています。
その他の市町村でもアスベストに関する対策が進められている可能性がありますが、補助金制度の有無は確認できませんでした。詳細は各市町村の公式サイトや担当部署で確認することをお勧めします。
3. 高崎市民間建築物アスベスト含有調査事業について
高崎市では、民間建築物の壁、柱及び天井等に吹付けられたアスベスト等の飛散による市民の健康被害を予防し、生活環境の保全を図るため、アスベスト含有調査を行う建築物の所有者等に調査の費用を補助しています。
対象となる建築物
1. 吹付けアスベスト等※1が施工されているおそれがある市内の建築物であること。
ただし、解体を予定している建築物は対象となりません。
2. 過去に国等から同様の補助金の交付を受けていない建築物であること。
※1 吹付けアスベスト、吹付けロックウールでアスベストの重量が、当該吹付け建築材料の重量の0.1パーセントを超えるもの。
対象となる者
1. 含有調査を行う建築物の所有者※2
2. 国、地方公共団体、独立行政法人、地方独立行政法人、その他地方公共団体が設立し、または出資等を行っている法人ではない者
3. 同一棟の建築物について、この事業による補助の交付を受けていない者
※2 建物の区分所有等に関する法律(昭和37年法律第69号)に規定する区分所有者の団体及び管理者を含みます。
対象となる事業
調査方法はJISA1481-1、JISA1481-2、JISA1481-3又はJISA1481-4によるものとします。調査機関はJISA1481-1、JISA1481-2、JISA1481-3又はJISA1481-4の付属書の仕様に適合する装置及び機器を備え付ける機関を選定してください。
調査者は、建築物石綿含有建材調査者講習登録規程(平成30年厚生労働省・国土交通省・環境省告示第1号)第2条第2項、第3項又は第4項に規定する者であること。
補助金の額
含有調査事業に要する費用(検体の採取に要する費用を含む。)で、当該事業を実施する請負者に対して支払う額(消費税を除く。)に相当する額とし、上限は25万円/棟とします。
※1,000円未満の端数があるときは、これを切り捨てた額とします。
申請期間
令和6年度の募集は令和6年5月13日(月曜日)から令和6年12月13日(金曜日)までです。
募集棟数
募集棟数は先着で予算額に達するまでです。
申請に必要な書類
・申請書
・建築物の登記事項証明書または所有者を確認できる書類
・所有者全員の合意があることを証する書類(建築物が共有である場合。区分所有者は除く)
・区分所有者の集会等において、当該事業を実施する決議がなされたことを証する書類
・位置図、配置図及び調査箇所を確認できる平面図
・設計図書等がある場合は、調査箇所の使用が確認できる書類
・建物の全景及び調査箇所の状況を確認できる書類
・分析調査機関の調査仕様書
・見積書
・作業環境測定法に規定する作業環境測定機関のうちJISA1481-1、JISA1481-2、JISA1481-3又はJISA1481-4の仕様書に適合する装置及び機器を備える機関であることを証する書類
・委任状(代理者が申請する場合に限る。)
注意事項
- アスベスト含有調査の契約前に、必ず補助金交付申請の手続きを行ってください。
- 実績報告は、事業完了後30日以内または令和7年2月28日(金曜日)のいずれか早い日までに提出してください。
- 交付決定を受けた計画を変更しようとする場合は、変更の手続きが必要です。変更することが明らかになった時点で市に連絡してください。
問合先
建設部建築指導課
〒370-8501高崎市高松町35番地1 11階
電話番号:027-321-1271 ファックス番号:027-323-5296
4. 民間建築物アスベスト含有調査事業費補助金について(明和町)
明和町では、アスベストの有無を把握し、飛散による住民の健康被害の予防及び住環境の
保全を図ることを目的として、町内の民間建築物に吹付けられたアスベストの含有調査
に要する費用に対し補助金を交付しています。
対象となる建築物
吹付けアスベスト等が施行されているおそれがある町内の民間建築物
必要な書類
・含有調査に関する事業の積算内訳書
・建築物の位置図、区域図、配置図、平面図
・現況写真その他
申請書等
・明和町民間建築物アスベスト含有調査事業費補助金交付要綱
・アスベスト含有調査事業費補助金交付申請書
・アスベスト含有調査事業費補助金交付変更申請書
・アスベスト含有調査事業の中止(廃止)承認申請書
・アスベスト含有調査事業完了実績報告書
・アスベスト含有調査事業完了期日変更報告書
・アスベスト含有調査事業補助金交付請求書
補助金
調査費用に対して25万円を上限として補助します
募集期間(令和6年度)
令和6年4月1日から令和6年10月31日まで
問合先
都市建設課 都市開発係
〒370-0795
群馬県邑楽郡明和町新里250番地1 役場庁舎1階
電話番号:0276-84-3111(代表) ファックス番号:0276-84-3114

5. まとめ
アスベストに関する補助金としては、アスベスト調査にかかる費用を補助対象とした補助金と、アスベストの除去にかかる工事費用などを補助対象とした補助金に分けられます。一般的にはアスベスト調査にかかる補助金の方がかかるコストも少ないことから補助金の総額が15万円〜25万円ほどと少なく、一方でアスベスト除去に関する補助金は2/3以内を上限としており、120~180万円が上限額(地域によって異なります)とされているなど、比較的大きい金額の補助を受けることができます。
自治体に事前の連絡や相談は必要ですが、2022年4月1日にアスベスト関連法令の改正が実施され、アスベスト含有を調べる事前調査の結果報告が義務付けられており、これには当然、調査や除去工事はコストがかかるため、解体工事全般のコスト増が懸念されているという中で、国や都道府県、市区町村などで補助金が適用できるようになっております。
これは群馬県だけでなく、他の都道府県でも補助金がありますので、これらについては追って記事にしたいと思います。本記事の情報をぜひ有効にご活用ください。
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目次:
アスベストに関する都道府県の補助金(栃木編)について
- 1. アスベストに関する国の補助金の対象について
- 2. 建築物の吹付けアスベスト補助金制度について(小山市)
- 3. 民間建築物アスベスト除去等補助制度(宇都宮市)
- 4. 民間建築物吹付けアスベスト対策事業補助金(日光市)
- 5. まとめ
1. アスベストに関する国の補助金の対象について
アスベストに関する国の補助金につきましては、
https://www.eco-j.co.jp/blog/20230418.html(アスベスト除去の補助金について)
こちらの記事で以前記載しております。
アスベストに関する都道府県の補助金は、実はさまざまな種類がありますので、今回は現時点で公開されている栃木県の補助金について、説明いたします。
※本コラムは、2024年8月4日時点での情報を元に記載しております。実際の補助金についてはご相談時に内容が変わっている可能性がございますので、必ず自治体に直接確認するようにお願いいたします。
2. 建築物の吹付けアスベスト補助金制度について(小山市)
令和6年度の受付は4月1日から開始しています。
民間建築物吹付けアスベスト対策補助金制度について
民間建築物の壁、柱、天井等に吹付けられたアスベスト(石綿)の飛散による市民の健康障害を予防し、生活環境の保全を図るため、建築物に吹付けられた建材について行う、アスベスト含有等の「分析調査」及び吹付けアスベスト等の「除去等工事」を行う場合に、予算の範囲内でその費用の一部を補助します。
受付前には事前相談が必要となります。建築指導課までお問合せください。
「分析調査」の受付期間は、毎年度 4月1日から1月下旬です。
「除去等工事」の受付期間は、毎年度4月1日から9月下旬です。
上記受付期間中であっても、予算が無くなり次第、受付終了となります。
受付は先着順です。
アスベスト分析調査の費用の補助について
補助内容
吹付けアスベストに該当する恐れのある吹付け建材(綿状のもの、または吹付仕上塗材に限る)について、アスベストの含有の有無に係る定性分析及び含有量に係る定量分析に要する費用についての補助です。
「分析調査」は、建築物石綿含有建材調査者が実施します。
「分析調査」の方法は、「建材中の石綿含有率の分析方法について」(平成18年8月21日付け基発第0821002号厚生労働省労働基準局長通達)により示された分析方法を標準とします。
補助対象建築物
小山市内の建築物
吹付アスベストに該当する恐れのある吹付け建材が施工されている建築物
対象者
対象建築物の所有者または管理者
補助金の額
分析調査に要する経費(上限25万円)
実施期間
交付決定通知を受けてから30日以内に分析調査を完了してください。
申請した年度の2月末までに分析調査を完了してください。
分析機関
分析機関への見積りなどの相談は、一般社団法人 日本環境測定分析協会・公益社団法人 日本作業環境測定協会のホームページを参考にしてください。
除去等工事の費用の補助について
補助内容
吹付けアスベスト等(綿状のものに限る)の除去等に要する費用についての補助です。
なお、アスベスト除去等工事に併せてアスベスト除去等以外の改修工事を行う場合には、除去等工事相当分の費用のみが補助対象となります。
「除去等工事」とは、以下のいずれかの措置を行うことをいいます。
・除去
除去吹付け材をすべて除去する工事をいいます。
吹付け材が耐火被覆材として使用されている場合は、除去後は同等の耐火性能に戻す工事が必要です。
・封じ込め
吹付け材の表面に固化剤を吹付け、塗膜を形成したり、浸透させ、結合力を強化することによりアスベストを封じ込める工事をいいます。
・囲い込み
吹付けアスベストが存在する天井、壁等を非石綿建材で覆いアスベストを囲い込む工事をいいます。
対象建築物
小山市内の建築物
分析調査の結果、アスベスト含有率が0.1パーセントを超える吹付アスベスト及び石綿含有吹付ロックウール(綿状のもの、または吹付仕上塗材に限る)が施工されている建築物
対象者
対象建築物の所有者または管理者
補助金の額
除去等工事に要する経費の3分の2以内の額(上限180万円)
実施期間
交付決定通知を受けてから90日以内かつ除去等工事を完了してください。
申請した年度の2月末までに除去等工事を完了してください。
工事内容などによりやむを得ない事情がある場合は、小山市役所建築指導課までご相談ください。
その他
工事に伴い、その他届出等が必要な場合があります。詳細については各担当部署にお問い合わせくさだい。
小山市役所 建築指導課 建築指導係
〒323-8686 栃木県小山市中央町1丁目1番1号 4階
電話番号:0285-22-9233
ファクス番号:0285-22-9685
3. 民間建築物アスベスト除去等補助制度(宇都宮市)
建築物に使用されている吹き付けアスベストによる、健康被害を未然に防止するため、除去等にかかる費用を補助する制度です。(含有調査の補助は、平成29年度末で終了しました。)
補助制度の概要は下記のとおりですが、さらに詳しい内容についてや、アスベストに関する質問は、お問い合わせ先へお願いします。
当該補助事業は、市の予算の範囲内、かつ、活用している国の防災・安全交付金の交付決定を受けた場合に実施します。
令和6年(2024年)度は 1件 募集します。
(注意)補助制度の受付は先着順で、予算の範囲内での実施となります。
1. 補助の対象となる事業内容
・建築物石綿含有建材調査者による調査および建築物石綿含有建材調査者が除去等工事にかかる計画の策定等を行い、当該計画に基づく現場体制に基づき実施する除去等
・調査(平成29年度末で含有調査の補助を終了しました。)
・飛散の恐れのある吹付けアスベストの含有調査(成形板等の石綿含有建材は対象外)
・除去等
・露出していて、飛散の恐れのある吹付けアスベストの除去等(除去等とは、除去、封じ込め、囲い込み工事をいいます。)ただし、含有調査で石綿含有量が0.1パーセントを超えた場合に限ります。
(注意)建築物石綿含有建材調査者とは、建築物石綿含有建材調査者講習登録規程(平成25年国土交通省告示第748号)第2条第2項に規定する者をいいます。
2. 対象建築物の用途
・多数の人が利用する建築物(店舗・工場・事務所等)
・住宅(周辺に被害を及ぼす恐れのある住宅)
3. 補助金の額
・調査(平成29年度末で終了しました。)
・除去等:対象事業費の3分の2(1棟あたり、上限200万円)
4. 申請者
当該申請物件の所有者(市税の滞納がないことが条件になります。)
5. 問い合わせ先
宇都宮市役所 都市整備部 建築指導課 管理グループ(市役所11階)
電話番号:028-632-2573 ファクス:028-632-5421
4. 民間建築物吹付けアスベスト対策事業補助金(日光市)
建築物の壁、柱、天井等に吹付けられたアスベストの飛散による市民の健康被害を予防し、生活環境の保全を図るため、建築物に吹付けられたアスベストの除去、封じ込め又は囲い込みの措置に関する費用の一部を補助します。
(注意)令和6年度は事業費を予算化していないため受け付けしていません。
補助金額
補助金額は対象建築物1棟に関するアスベスト除去等事業に要する経費で、施工者に対して支払うものです。
補助対象経費に2分の1を乗じて得た額(1,000円未満の端数があるときは、これを切り捨てた額)とし、100万円を上限とします。また、対象建築物1棟に対し、1回限りとし、予算の範囲内で交付します。
受付状況
予算の都合により補助件数には限りがあります。申請を検討している場合は、早めに相談してください。
補助金に関する問い合わせ
日光市役所建設部建築住宅課建築指導係
電話番号:0288-21-5197
ファクス番号:0288-21-5176

5. まとめ
アスベストに関する補助金としては、アスベスト調査にかかる費用を補助対象とした補助金と、アスベストの除去にかかる工事費用などを補助対象とした補助金に分けられます。一般的にはアスベスト調査にかかる補助金の方がかかるコストも少ないことから補助金の総額が15万円〜25万円ほどと少なく、一方でアスベスト除去に関する補助金は2/3以内を上限としており、120~180万円が上限額(地域によって異なります)とされているなど、比較的大きい金額の補助を受けることができます。
自治体に事前の連絡や相談は必要ですが、2022年4月1日にアスベスト関連法令の改正が実施され、アスベスト含有を調べる事前調査の結果報告が義務付けられており、これには当然、調査や除去工事はコストがかかるため、解体工事全般のコスト増が懸念されているという中で、国や都道府県、市区町村などで補助金が適用できるようになっております。
これは栃木県だけでなく、他の都道府県でも補助金がありますので、これらについては追って記事にしたいと思います。本記事の情報をぜひ有効にご活用ください。
株式会社エコ・テックのアスベスト対策工事について
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土壌調査の記事一覧

製造業や廃棄物処理に携わる事業者にとって、焼却炉の適切な運用は法令遵守の観点から非常に重要な課題となっています。特に近年は環境規制の強化や住民意識の高まりにより、焼却炉に関する法的リスク管理の必要性が増しています。
本記事では、「焼却炉に関する法律や規制の最新情報」や「事業者が遵守すべき具体的なポイント」を詳しく解説します。
焼却炉に関する法律の概要
焼却炉の設置・運用には複数の法律が関係しており、事業者はこれらを遵守しなければなりません。近年は環境規制の強化により、法令順守の重要性がさらに高まっています。
ここでは焼却炉を規制する主要な法律とその概要について解説します。
廃棄物処理法における焼却炉の位置づけ
廃棄物処理法では焼却炉は「廃棄物処理施設」として位置づけられ、一定規模以上の施設には許可が必要です。2000年の法改正以降は野焼きや簡易焼却炉での廃棄物焼却が原則禁止され、小規模な焼却炉でも適切な管理が求められています。
以下の条件に該当する焼却炉には都道府県知事の許可が必要です。
・ 一般廃棄物焼却炉:処理能力が1時間あたり200kg以上または火格子面積が2㎡
・ 産業廃棄物焼却炉:処理能力が1時間あたり200kg以上または火格子面積が2㎡以上
出典元:環境省【廃棄物処理法における廃棄物処理施設の設置の許可制度について】
大気汚染防止法の排出基準と焼却炉
大気汚染防止法では焼却炉は「ばい煙発生施設」として規制され、焼却能力が時間当たり50kg以上の施設は届出が必要です。
ばいじん、硫黄酸化物、窒素酸化物などの排出基準が定められており、2018年からは水銀の排出規制も加わりました
ダイオキシン類対策特別措置法の規制内容
大気汚染防止法では焼却炉は「ばい煙発生施設」として規制され、火格子面積が2m²以上または焼却能力が時間当たり200kg以上の施設が対象となります。
ばいじん、硫黄酸化物、窒素酸化物、塩化水素、水銀などの排出基準が定められており、届出と定期的な測定・記録が義務付けられています。2018年からは水銀に関する排出規制も強化されました。
出典元:環境省【廃棄物焼却炉に係る塩化水素及び窒素酸化物の排出規制について
焼却炉の種類と規模に応じた法的要件

焼却炉は用途や処理能力によって様々に分類され、それぞれに適用される法的要件が異なります。ここでは焼却炉の主要な分類と法的要件について解説します。
一般廃棄物焼却施設に適用される法規制
一般廃棄物焼却施設には、廃棄物処理法に基づく構造基準と維持管理基準が適用されます。主な要件をまとめると以下のとおりです。
・ 助燃装置の設置:燃焼ガスの温度を800℃以上に保つための助燃装置の設置
・ 二次燃焼室の設置:ダイオキシン類の発生抑制のため、二次燃焼室の設置
・ 排ガス処理設備の設置:排ガスの冷却設備や、ばいじん・有害ガス除去装置の設置
・ 燃焼ガスの温度管理:燃焼室内の温度管理と、燃焼ガスの滞留時間の確保
処理能力が1日100トン以上の廃棄物焼却施設の新設は、環境影響評価法の対象となり、計画段階から環境アセスメントが必要とされています。
産業廃棄物焼却施設の法的基準
産業廃棄物焼却施設は多様な性状の廃棄物を扱うため、より厳格な管理が求められます。一般廃棄物と同様の基準が適用されますが、特別管理産業廃棄物を処理する施設にはさらに厳しい基準が課されます。
また、施設設置には地域住民との合意形成が実質的に必要となるケースが多いです。
小型焼却炉に対する規制と免除条件
小型焼却炉の規制は焼却能力によって異なります。主な区分と規制は以下のとおりです。
- 時間当たり200kg以上:廃棄物処理法に基づき、設置許可が必要
- 時間当たり50kg以上200kg未満:設置許可は不要だが、大気汚染防止法およびダイオキシン類対策特別措置法の適用対象
- 時間当たり50kg未満:多くの規制が免除されるが、構造基準の遵守が求められる
近年、法的義務がない場合でも、事業者が自主的に高性能設備を導入したり、廃棄物処理を外部に委託するケースが増加しています。
焼却炉設置・運用における遵守すべきポイント
焼却炉を設置して運用するには、守るべき法律やルールが多く存在します。これらを管理することで、法律違反のリスクを避け、環境への影響を減らし、地域と良い関係を築くことができます。
ここでは、焼却炉を適切に管理するために大切なポイントを詳しく解説します。
焼却炉設置前の許可申請と手続き
焼却炉の設置には、規模や用途に応じた適切な許可申請や届出が必要です。
まず事前に所轄官庁に相談し、必要な手続きを確認しましょう。申請書類には設計図面や維持管理計画など詳細な資料が求められるため、専門家との連携が重要です。
申請から許可取得までは数ヶ月を要するケースも多いため、計画的な準備が必要です。
環境アセスメントと住民説明会の実施
大規模な焼却施設では法定の環境調査が必要であり、中小規模でも自主的な調査や住民説明会が重要です。
近隣住民の理解を得るためには以下のポイントに注意しましょう。
- 施設の必要性と環境対策の丁寧な説明
- 排出ガスデータの定期的な公開など情報開示の仕組み作り
- 住民意見の設計・運用への反映
- 施設見学会など継続的なコミュニケーション機会の創出
焼却灰の適正処理と管理
焼却灰は廃棄物焼却処理の最終段階であり、適切な管理と処理が法令で厳しく規制されています。
焼却灰の処理と管理についてまとめると以下のとおりです。
- 溶出防止処理:飛灰からの有害物質の溶出を防ぐため、セメント固化や薬剤処理などの安定化処理が義務
- マニフェスト管理:焼却灰の処理を委託する場合は、産業廃棄物管理票(マニフェスト)による厳格な追跡管理が必要
- 最終処分場の選定:処理後の焼却灰は、その性状に応じた適切な最終処分場で処分する
- 灰のリサイクル:近年は焼却灰を路盤材やセメント原料として再利用する
- 保管基準の遵守:焼却灰を一時保管する場合は、雨水侵入防止、周囲への飛散防止などの保管を徹底
焼却灰の不適切な処理は土壌汚染や水質汚染を引き起こす可能性があります。そのため、環境への影響が大きく、処理委託先の現地確認や監査を定期的に実施することが推奨されます。
焼却炉に関する法令違反と罰則
焼却炉に関する法令違反は、罰則の適用だけでなく社会的信用の損失や事業継続への影響も大きいため、確実な法令遵守が必要です。ここでは主な違反ケースについて解説します。
無許可設置・不適切運用の法的リスク
焼却炉の無許可設置や基準違反の運用は、厳しい罰則の対象となります。廃棄物処理法違反では5年以下の懲役もしくは1000万円以下の罰金(法人は3億円以下)、または併科という重い罰則が定められています。
違反事例として多いのは以下のようなケースです。
・ 必要な許可なく焼却炉を設置・運用
・ 構造基準に適合しない焼却炉での廃棄物焼却
・ 維持管理基準を満たさない不適切な運転(温度管理の不備など)
・ 廃プラスチックなど禁止物の焼却
排出基準超過時の対応と報告義務
排出ガス測定で基準値超過が判明した場合、速やかな対応が求められます。応急措置として運転条件の調整や一時停止を行い、原因究明と対策の実施が必要です。
また、基準超過の事実は所轄官庁に報告する義務があり、対応の遅れや報告義務違反は追加の罰則対象となることがあります。早期の情報開示と誠実な対応が重要です。

ダイオキシンは、産業活動や廃棄物の不適切な処理過程で発生する有機化合物群であり、その中でも特に毒性が高い物質として知られています。ダイオキシンの土壌汚染は、人間の健康や環境に深刻な影響を及ぼすため、ダイオキシン対策は非常に重要です。今回は、ダイオキシンによる土壌汚染対策についてご紹介します。
ダイオキシンとは
ダイオキシンは、ポリ塩化ジベンゾ-p-ジオキシン(PCDDs)やポリ塩化ジベンゾフラン(PCDFs)などの化学物質の総称で、約400種類の異なる化合物を含んでいます。その中でも、2,3,7,8-四塩化ジベンゾ-p-ジオキシン(TCDD)は特に毒性が高い物質として知られています。ダイオキシンは自然環境ではほとんど分解されず、土壌や水中に長期間残留します。
ダイオキシンの主な発生源は以下の通りです。
■廃棄物の焼却処理(特に不完全燃焼)
■化学工業による副産物
■農業や除草剤の使用
■森林火災や家庭ごみの焼却
これらの活動によってダイオキシンが大気中に放出され、それが降雨などを介して土壌に蓄積されることで、土壌汚染が発生します。
ダイオキシンの土壌汚染の影響
ダイオキシンは、非常に微量でも人体に有害な影響を及ぼす可能性があります。ダイオキシンが土壌に蓄積されると、以下のようなリスクが生じます。
①食物連鎖への影響
ダイオキシンは、植物や動物に吸収され、それを食べる人間の体内に蓄積されます。特に脂肪組織に蓄積されやすく、長期にわたって体内に残留します。
②健康リスク
ダイオキシンは発がん性があることが知られており、免疫系、内分泌系、神経系にも悪影響を及ぼす可能性があります。特に発達中の子どもにとっては、少量の暴露でも深刻な健康問題を引き起こすことがあります。
③生態系への影響
ダイオキシンは、環境中で分解されにくいため、土壌や水中で長期間残存し、生態系全体に悪影響を与える可能性があります。
ダイオキシンによる土壌汚染対策を実施する契機
ダイオキシンによる土壌汚染のおそれがある土地では、施設の廃止等の契機を捉えて土壌汚染対策を実施することが望ましいと考えられます。ダイオキシンによる土壌汚染対策を実施する契機としては、以下の通りです。
①特定施設を廃止したとき
②ダイオキシン類を含む固体、液体の飛散、漏洩等のおそれがある事故が発生したとき
③特定施設を設置している土地または過去に特定施設やその他ダイオキシン類を発生させるおそれがある施設が存在していた土地、廃棄物等が埋設されている土地等で土地の形質の変更を行うとき
④PCB(ポリ塩化ビフェニル)による土壌汚染が確認されたとき
事業者や土地の所有者は、これらの契機が生じた場合は、ダイオキシンによる土壌汚染対策の実施を検討することが望ましいとされています。
ダイオキシンによる土壌汚染の調査
ダイオキシンによる土壌汚染の調査を行う際は、まず、資料等調査を行い、調査対象地のダイオキシンによる土壌汚染のおそれの有無や汚染のおそれが存在する位置及び深さ等を把握します。
資料等調査で調査対象地に土壌汚染のおそれが存在することが確認された場合は、資料等調査の結果をもとに試料採取地点や深さを設定した試料採取計画を作成し、計画に従って試料採取、測定を行います。この場合、調査は土壌汚染対策法に基づき指定された指定調査機関が実施することが求められます。
測定の結果、測定値が1,000pg-TEQ/gを超過した場合は、土壌環境基準の超過した試料を採取した位置の周囲で汚染範囲確認のための調査を行うことが考えられます。
調査の結果は、汚染が確認された場合及び確認されなかった場合のいずれにおいても、試料等調査結果や試料採取位置、測定結果等をとりまとめ、事業者や土地の所有者が保管しておくことが望ましいとされます。
ダイオキシンによる土壌汚染対策
ダイオキシン汚染を効果的に対策するためには、汚染の防止、除去、および管理が重要です。以下で具体的な対策方法を紹介します。
土壌汚染の防止
ダイオキシンによる土壌汚染を防止するためには、まずその発生源を特定し、適切な対策を講じることが重要です。具体的には以下の方法が考えられます。
①廃棄物焼却施設の適正管理
不完全燃焼がダイオキシンの発生原因となるため、焼却温度の適正管理や、排ガス処理装置の導入・メンテナンスを徹底する必要があります。高温での完全燃焼や、廃棄物の適切な分別によりダイオキシンの発生を抑制できます。
②農薬の適正使用
過去にはダイオキシンを含む除草剤が使用されていましたが、現在ではその使用は禁止されています。しかし、土壌や水中に残存するダイオキシンが依然として問題となっているため、今後の農薬使用についても環境負荷を考慮した選択が重要です。
③工場排出の管理
化学工場からの排出ガスや排水には、ダイオキシンが含まれる可能性があります。これらの排出物の処理を厳格に管理し、ダイオキシンの環境放出を防ぐための技術導入が必要です。
土壌の浄化
すでにダイオキシンで汚染された土壌に対しては、浄化技術が必要です。主な浄化技術は、以下の通りです。
①掘削除去法
汚染された土壌を物理的に掘削し、汚染部分を除去する方法です。この方法は迅速に土壌汚染を取り除くことができますが、大量の土壌を処理する必要があるため、コストが高く、環境への二次的な影響も考慮しなければなりません。
②熱処理法
高温で汚染された土壌を加熱し、ダイオキシンを分解・揮発させる方法です。高効率な分解が可能ですが、処理装置の設置やエネルギーコストが高いという課題があります。
③バイオレメディエーション
微生物や植物の力を利用して、汚染物質を分解・吸収する方法です。バイオレメディエーションは、環境への負荷が少なく、長期的な処理が可能な一方で、ダイオキシンのような難分解性の汚染物質に対しては効果が限定的です。
また、土壌汚染対策法では、土壌含有量基準に適合しない土壌汚染が確認された土地における措置として、舗装、立入禁止、盛土、土壌入れ替え、土壌汚染の除去を適用することとしており、ダイオキシンによる土壌汚染についても、地下水経由での摂取に起因する影響を考慮する必要がない場合には、これらの措置も適用できると考えられます。
地下水経由での摂取に起因する影響が考えられる場合は、地下水の摂取等によるリスクに対応できる措置を行うことが考えられます。
汚染管理とモニタリング
汚染された土地が完全に浄化されるまでの間、または汚染が拡散しないように管理することも重要です。主な管理方法は以下の通りです。
①汚染地域の封じ込め
汚染された土壌をそのままにしておく場合は、汚染が拡散しないように封じ込め対策を行います。例えば、土壌を覆うカバー材を設置したり、汚染地域にバリアを設けたりすることで、ダイオキシンの拡散を防ぎます。
②モニタリングの強化
ダイオキシン汚染の拡大を防ぐためには、定期的なモニタリングが必要です。土壌や水質を定期的に検査し、汚染が広がっていないかを監視することが重要です。また、土壌のダイオキシン濃度に応じた対策を柔軟に実施するためのデータ収集も欠かせません。

最後に
ダイオキシンによる土壌汚染は、人体や環境に深刻な影響を与える問題であり、ダイオキシン対策には多角的なアプローチが必要です。土壌汚染の防止には、発生源の管理が重要であり、土壌汚染が発生した場合には迅速な除去や浄化が求められます。また、長期的なモニタリングと管理を通じて、土壌汚染の拡大を防ぐことが重要です。
株式会社エコ・テックの土壌汚染対策工事について
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参考URL
・工場・事業場におけるダイオキシン類に係る土壌汚染対策の手引き| 環境省
(https://www.env.go.jp/content/900513874.pdf)
・ダイオキシン類による土壌汚染と事業者の責任| 日本CSR普及協会
(https://www.jcsr.jp/pdf/cases_13.pdf)
・パンフレット「土壌汚染対策法のしくみ」| 環境省
(https://www.env.go.jp/water/dojo/pamph_law-scheme/index.html)

有害物質の製造、使用又は処理を目的とする施設のことを、特定施設(有害物質使用特定施設)といいます。特定施設は、条例施行規制第32条において基準が設けられています。今回は、土壌汚染対策法の特定施設(有害物質使用特定施設)についてご紹介します。
特定施設(有害物質使用特定施設)とは
土壌汚染対策法の特定施設とは、有害物質の製造、使用又は処理を目的とする特定施設のことをいいます。特定施設は、「有害物質使用特定施設」とも呼ばれています。ここにおいて「製造」とは、当該特定施設において、有害物質を製品として製造することをいい、「使用」とは、当該特定施設において、有害物質をその施設の目的に沿って原料、触媒等として使用することをいい、「処理」とは、当該特定施設において、有害物質又は有害物質を含む水を処理することを目的として有害物質を分解又は除去することをいいます。
水濁法では、一定の要件を備える汚染又は廃液を排出する施設を施行令で指定し、これらの施設を設置している工場又は事業場からの排水の排出に対して規制を行うこととされており、そのために指定された施設が「特定施設」です。
水質汚染防止法第2条第2項に規定する特定施設であって、同項第1号に規定する有害物質(特定有害物質であるものに限る)を製造、使用又は処理するものです。
特定施設の対象となる施設
①水質汚濁防止法施行令第2条規定の有害物質を製造、使用、処理を行う施設
②有害物質を含む水を敷地外部の水域に排出する施設(施設排水の全量を下水道に排出する施設も含む)
特定施設の対象とならない施設
①施設内で発生する有害物質を含む汚水や廃液の全量を循環利用し、施設外に排出しない施設
②下水道終末処理施設、水質汚濁防止法施行令第1条別表第1第72号のし尿処理施設
③温泉旅館等の天然の有害物質を含む水を使用するような施設
特定有害物質とは、土壌や地下水に含まれることが原因で人の健康に被害を生ずるおそれがある有害物質として土壌汚染対策法施行令で定めた26物質のことです。
第一種特定有害物質(揮発性有機化合物)、第二種特定有害物質(貴金属等)及び第三種特定有害物質(農薬等)があり、各物質ごとに土壌溶出量基準や土壌含有量基準等の基準値が設定されています。
特定有害物質の製造等を行う施設の構造に関する基準
特定有害物質の製造等を行う施設は、条例施行規制第32条において以下の通り基準が設けられています。
①特定有害物質の製造等を行う施設及びその周辺の床は、コンクリート構造等の十分な強度を有するものであって、その表面は、不浸透性及び耐薬品性を有する材質で被覆されていること。
②特定有害物質の製造等を行う施設から特定有害物質を含む薬液等が飛散し、流出し、又は地下に浸透しないように不浸透性及び耐薬品性を有する防液堤等を設置し、かつ、その容量を十分に確保すること
③特定有害物質の製造等を行う施設は、床面から離して設置する等容易に点検することができるものとすること
特定有害物質の取扱量等の記録・飛散等の点検について
特定有害物質の製造、使用又は処理を行う工場又は事業場を設置している者は、条例第46条の規則で定めるところにより、製造等を行う特定有害物質の量その他の事項を記録しておかなければなりません。記録内容は、
①特定有害物質の製造等を行う施設の名称、設置場所及び使用期間
②製造等を行う特定有害物質の種類及び量
③特定有害物質の製造等を行う施設における作業を含む工程
④特定有害物質の排出及び廃棄の方法
です。
特定有害物質の飛散等の点検については、条例第47条の規定で定めるところにより、特定有害物質の製造等を行う施設からの特定有害物質の飛散、流出又は地下への浸透の有無を定期的に点検し、その結果を記録しておかなければなりません。
また、点検の結果等から、当該工場又は事業場の敷地内において特定有害物質が地下に浸透しているおそれがあるときは、速やかに、規定で定めるところにより、当該箇所の周辺の土壌又は地下水の特定有害物質による汚染の状況を調査しなければなりません。
特定施設(有害物質使用特定施設)設置前の手続き
特定施設の設置には、水質汚濁防止法に基づいて都道府県等に設置工事の60日以上前までに届出を提出する必要があります。対象となるのは、
①工場又は事業場から公共用水域に水を排出する者が有害物質使用特定施設を設置しようとする場合
②工場又は事業場から地下に有害物質使用特定施設に係る汚水等(これを処理したものを含む)を含む水を浸透させる者が有害物質使用特定施設を設置しようとするとき
③工場もしくは事業場において有害物質使用特定施設を設置しようとする者(①・②を除く)
です。
届出後、都道府県等において審査の結果、問題がない場合には、受理書が交付されます。
特定施設(有害物質使用特定施設)設置後の手続き
特定施設の設置後に、特定施設の構造等の変更をする場合、水質汚濁防止法に基づいて都道府県等に変更工事の60日以上前までに届出を提出する必要があります。対象となる変更は、
①有害物質使用特定施設の構造
②有害物質使用特定施設の使用方法
③汚水等の処理の方法
④特定地下浸透水の浸透の方法
⑤特定地下浸透水に係る用水及び排水の系統
等が含まれます。
届出後、都道府県等において審査の結果、問題がない場合には、受理書が交付されます。
特定施設(有害物質使用特定施設)を廃止する際の手続き
特定施設を廃止する際、土地の所有者・管理者又は占有者は工場、事業場の敷地であった土地の土壌汚染状況調査を環境省が指定する指定調査機関に調査させ、有害物質使用特定施設を廃止した日から起算して120日以内に調査結果を都道府県知事に報告しなくてはなりません。
土壌汚染状況調査は使用が廃止された有害物質使用特定施設に係る工場・事業場の敷地であった土地のすべての区域が調査対象となります。また、一時的であっても有害物質使用特定施設を設置する工場、事業場の敷地であった土地は調査の対象となります。
この土壌汚染対策法に基づく指定調査機関とは、土壌汚染対策法第3条、第4条、第5条及び第16条に基づいて土壌汚染状況調査等を実施することのできる唯一の機関のことです。指定調査機関以外が行う調査は法に基づいた調査とはなりません。指定調査機関は、土壌汚染状況調査等を行うことを求められた時には、正当な理由がある場合を除き土壌汚染状況調査等を行わなければならない義務が課せられています。
土壌汚染の調査は、試料の採取地点の選定、試料の採取方法などにより結果が大きく左右されるため、調査結果の信頼性を確保するためには調査を行うものに一定の技術的能力が求められます。そのため、調査を的確に実施出来る者を環境大臣又は都道府県知事が指定し、土壌汚染対策法に基づく調査を行う者は、当該指定を受けたもののみに限るとともに、指定調査機関について、必要な監督等を行っています。
土壌汚染状況調査は、専門知識と調査技術を有する専門業者に調査してもらうものです。国が土壌汚染対策法に基づく指定調査機関として認定している業者に頼むことで安心出来ます。
・土壌汚染対策法に基づく指定調査機関| 環境省
(https://www.env.go.jp/water/dojo/kikan/)

最後に
特定施設(有害物質使用特定施設)は、土壌や地下水に含まれることが原因で人の健康に被害を生ずるおそれがある特定有害物質を扱う施設であるため、常に特別な注意を払わなければなりません。特定有害物質の管理が適切に行われることで、土壌汚染のリスクを最小限に抑え、健康や環境への悪影響を防ぐことができます。
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参考URL
・有害物質使用特定施設| 環境省
(https://www.env.go.jp/water/chikasui/brief2012/manual/div-main-2.pdf)
・有害物質使用特定施設(排出水なし)| 香川県公式ホームページ
(https://www.pref.kagawa.lg.jp/documents/2198/8_tebiki_yuugai2.pdf)
・有害物質使用特定施設を廃止した場合の手続について| 熊本県ホームページ
(https://www.pref.kumamoto.jp/soshiki/51/156029.html)
・土壌汚染対策法の概要| 環境省
(https://www.env.go.jp/water/dojo/gl_ex-me/pdf/01_chpt1.pdf)
・土壌汚染対策法について(法律、政令、省令、告知、通知)| 環境省
(https://www.env.go.jp/water/dojo/law/kaisei2009.html)
・パンフレット「土壌汚染対策法のしくみ」| 環境省
(https://www.env.go.jp/water/dojo/pamph_law-scheme/index.html)
解体の記事一覧

解体工事では、安全な作業環境を確保するために適切な足場の設置が不可欠です。足場の設置には、労働安全衛生法や建設業法などの規定があり、これに従わないと重大な事故につながる可能性があります。今回は、解体工事における足場設置の基準と注意点についてご紹介します。
解体工事において足場設置は重要
なぜ解体工事において足場設置は重要なのでしょうか。それは解体工事における足場の事故やトラブルを未然に防ぐためであり、足場の事故やトラブルには、以下のような問題点があります。
①足場の崩壊
設置不良や過積載、支柱の不安定さが原因で足場が倒壊する事故が発生することがあります。特に強風や地盤の沈下により、足場の安全性が損なわれるケースが多いです。
②墜落事故
作業員が足場から転落する事故が頻発しています。適切な手すりや安全帯の使用が不十分な場合や、滑りやすい足場板が原因となることがあります。
③落下物による事故
足場上の工具や資材が落下し、作業員や通行人に危険を及ぼすことがあります。
これらの問題を防ぐためには適切な施工管理と安全対策が不可欠です。
国が定める安全対策-足場の設置基準
解体工事の安全対策は法律や規制に基づいて厳格に定められています。国が定める安全対策として、解体業者の労働環境や労働条件の改善を促す内容が、①労働安全衛生法・②労働安全衛生規則・③建設業法によって定められています。
①労働安全衛生法
職場における労働者の安全と健康を確保するとともに、快適な職場環境を形成する目的で制定された法律です。その手段として、「労働災害の防止のための危害防止基準の確立」・「責任体制の明確化」・「自主的活動の促進の措置」など総合的、計画的な安全衛生対策を推進するとしています。
解体業者に対して快適な職場環境を形成すること、労働条件の改善を促しており、それが作業員の安全と健康を担保することにつながるとされています。
労働安全衛生法では、足場設置に関しても詳細な規定が存在します。
高さ2m以上の作業には足場を設置
→作業床の高さが2m以上になる場合は、足場を設け安全な作業環境を確保する必要があります。
手すりや落下防止措置の義務化
→足場には手すり、中さん(腰板)、踊り場を設置し、墜落防止措置を施す必要があります。
適切な積載荷重の確保
→足場の積載荷重を考慮し、使用する資材や作業者の重量に耐えられるように設計します。
②労働安全衛生規則
労働者の安全と健康を確保し、快適な作業環境を作り出すための規則です。厚生労働省が労働安全衛生法に基づき制定しました。
作業員が安心して働けるよう、安全かつ衛生的な環境づくりを進めることが目的とされています。
労働安全衛生規則では、具体的な足場の設置方法が定められています。
支柱の間隔は1.85m以内
→単管足場の建地間隔は、桁行方向(長手方向)を1.85m以下、梁間方向(巾方向)を1.5m以下と定められています。
作業床の幅は40cm以上
→足場の作業床の幅は40cm以上と定められていますが、床材と建地との隙間を12cm未満にすることが必要です。
足場板の隙間は3cm以下
→足場の隙間を狭くすることで、作業中に部品が落下しにくくしたり、踏み外しの防止にもつながります。
③建設業法
建設業法は、建設業を営む業者の資質の向上、建設工事の請負契約の適正化等を図ることによって、建設工事の適正な施工を確保し、発注者を保護するとともに、建設業の健全な発達を促進することを目的にされた法律です。許可をもたない業者が解体工事を行うことは違法です。
建設業法では、安全管理や施工計画の適正化が求められています。
施工計画書の作成
→解体工事では、足場の設置を含む施工計画書を作成し、適切な管理を行うことが義務付けられています。
有資格者による指導・監督
→足場の設置や点検は、足場の組立て等作業主任者の資格を持つ者が行う必要があります。
これらの基準を守ることで安全な足場を設置できます。
令和6年4月1日以降の労働安全衛生法改正に伴う法規制
令和6年4月1日の労働安全衛生法改正により、幅が1m以上の箇所において足場を使用する際は、原則本足場を使用し、一側足場を使用できなくなりました。本足場とは、建物の外側に独立して設置される足場のことで、一側足場とは、建物の壁面に沿って片側のみで支えられる足場のことです。
本足場(わく組足場以外)の使用に当たっては、特に「足場用墜落防止設備」としての手すり等及び中さん等の設置、物体の落下による危険を防止するための幅木等の設備の設置が重要となります。
また、この労働安全衛生法改正により、一側足場を使用することができるのは、原則として幅が1m未満の箇所に限られるようになりました。一側足場の使用にあたっては、法律上では足場で規定されている「足場用墜落防止設備」の設置義務はありませんが、高さ2m以上の端部においては、少なくとも手すり等の墜落防止措置が必要となります。また、法的義務はありませんが、可能な限り、中さん、巾木等の設置に努めることが推奨されます。
足場の種類と特徴
解体工事では、さまざまな種類の足場が使用されます。用途に応じた適切な足場を選ぶことが安全性向上につながります。それでは足場の種類と特徴について以下でみていきましょう。
①単管足場
単管足場は、鉄パイプとクランプを使用して組み立てられる足場で、その柔軟性から狭い場所でも設置可能です。小規模な解体工事、狭い場所での作業に適しています。その反面、強度が低く、大規模解体工事には不向きです。
②枠組足場
枠組足場は、銅管を門型に溶かした枠に基本部材を組み合わせて構成された足場で、強度が高く大規模な解体工事や高所作業に適しています。高い安全性と耐久性力をもちますが、その分設置に時間がかかりコストも高くなります。
③くさび緊結式足場
くさび緊結式足場は、くさびによってパーツを固定し、組立てや解体が容易な足場で、高層建築の解体工事に適しています。組立てや解体が迅速で、コストパフォーマンスが高いですが、重量があるため運搬が大変です。
④吊り足場
吊り足場は、上部から吊り下げて設置する足場で、橋梁や高所の特殊な解体工事で使用されます。地上に足場を設置できない場所でも使用可能ですが、設置が難しくコストも高くなります。
足場設置時の注意点
足場を安全に設置するためには、いくつかの注意点を抑える必要があります。
①地盤の安定性
足場を設置する場所の地盤が不安定だと、足場が崩壊するリスクがあります。そのため、軟弱地盤では、敷板や銅製ベースを使用して安定させます。またでこぼこがある場合は水平調整を行います。
②強風や天候への対策
解体工事中は、風や雨などの影響を受けやすいため、足場の安全性を高めるための対策が必要です。落下物を防ぐために養生シートや防護ネットを設置する、風速10m/sを超える強風時は足場上での作業を中止すること等で安全性を高めます。
③足場の点検と維持管理
足場は設置後も定期的に点検し、安全性を確保することが重要です。そのため、毎日作業開始前に接続部の緩み、支柱の歪みなどを点検することが求められます。その他にも長期間使用する場合は、1週間に1回以上の定期点検を行う、足場に影響を与える強風・地震等の自然災害後は異常がないか安全確認を行うことも重要です。

最後に
解体工事における足場設置は、安全性を確保するために不可欠な作業です。労働安全衛生法・労働安全衛生規則・建設業法に基づく基準を守り、適切な施工計画と点検を行うことで、事故を防ぐことができます。また、作業環境に適した足場を選び、気象条件や作業員の安全管理にも十分配慮することが重要です。
株式会社エコ・テックの解体工事について
株式会社エコ・テックでは、家屋、建物の事前調査から解体計画の作成だけでなく、解体工事の専門家として様々なアドバイスを行っています。
全国(東京・名古屋・大阪・岡山・福岡等)で、無料相談・無料見積もりを実施しておりますので解体工事に関するご相談がございましたら、お気軽にお問い合わせください
参考URL
・足場に関する労働安全衛生法上の規定について | 滋賀労働局・労働基準監督署
(https://jsite.mhlw.go.jp/shiga-roudoukyoku/content/contents/001495778.pdf)

解体工事を行う際には、解体工事の安全性や近隣住民への配慮が求められます。その中でも特に重要なのが「表示義務」です。解体工事の表示義務とは、解体工事現場に関する情報を適切に表示し、関係者や近隣住民に明確に知らせることを指します。今回は、解体工事の表示義務の概要や遵守すべき内容、違反時のペナルティについてご紹介します。
解体工事における表示義務とは・表示義務の目的
解体工事における表示義務は、解体工事の透明性を確保し、トラブルを未然に防ぐために設けられています。具体的には、解体工事に関する情報を解体工事現場に掲示し、誰でも確認ができるようにすることが求められます。
解体工事における表示義務の目的は、解体工事の内容を明確に示すことで、近隣住民が安心して生活できる環境を整え、解体工事業者を明記することで責任の所在を明らかにします。また、適正な解体工事であることを示すことで違法工事を防ぎ、解体工事現場の管理を徹底することで事故を未然に防ぐことができます。
解体工事における表示義務に関連する法律
解体工事における表示義務は、主に掲示物、看板設置を指しており、建設業法第40条・建設リサイクル法第33条によって義務付けられています。そのため、解体工事を行う際は必ず看板を設置しなければなりません。
建設業法は、建設業を営む者の資質の向上、建設工事の請負契約の適正化等を図ることによって、建設工事の適正な施工を確保し、発注者を保護するとともに、建設業の健全な発達を促進し、公共の福祉の増進に寄与することを目的として作られた法律です。
建設業法第40条
建設業者は、その店舗及び建設工事(発注者から直接請け負ったものに限る。)の現場ごとに、公衆の見やすい場所に、国土交通省令の定めるところにより、建設業の名称、一般建設業又は特定建設業の別その他国土交通省令で定める事項を記載した標識を掲げなければならない。
建設リサイクル法は、特定の建設資材について、その分別解体等及び再資源化等を促進するための措置を講ずるとともに、解体工事業者について登録制度を実施すること等により、再資源の十分な利用及び廃棄物の減量等を通じて、資源の有効な利用の確保及び廃棄物の適正な処理を図り、もって生活環境の保全及び国民経済の健全な発展に寄与することを目的として作られた法律です。
建設リサイクル法第33条
解体工事業者は、主務省令で定めるところにより、その営業所及び解体工事の現場ごとに、公衆の見やすい場所に、商号、名称又は氏名、登録番号その他主務省令で定める事項を記載した標識を掲げなければならない。
法令検索| e-Govポータル (https://laws.e-gov.go.jp/)より
また、石綿(アスベスト)を含む建築物の解体工事については、建設業法、建設リサイクル法の他にも、大気汚染防止法・石綿生涯予防規則により石綿(アスベスト)の事前調査の内容と撤去作業の実施内容を記載した看板の設置、立入禁止の看板の設置が義務付けられています。
解体工事における表示義務についての補足
解体工事の掲示物、看板設置は法律で義務付けられていますが、施主の個人情報は掲示しなくて構いません。解体工事の掲示物、看板では解体工事業者の連絡先掲示は必要ですが、施主の個人情報は掲示する必要がありません。そのため、許可なく個人情報が掲示された場合は確認及び各自治体等へ問い合わせをするようにしましょう。
また、石綿(アスベスト)を含まない解体工事でも、「石綿(アスベスト)を使用していない」旨を記載した掲示物、看板の設置が必要となります。
解体工事における表示義務の詳細
解体工事の表示義務には、主に以下の内容を掲示する必要があります。詳しくみていきましょう。
①解体工事の基本情報
解体工事現場には、主に基本情報を明記した掲示板を設置する必要があります。
・解体工事名(例:◯◯建物解体工事)
・解体工事業者の名称・連絡先
・解体工事の期間(開始日と終了予定日)
・許可番号や許可証の有無
②近隣住民への周知
解体工事が始まる前に、近隣住民に対して事前に通知を行うことが推奨されています。
・解体工事のお知らせ文の配布(解体工事開始の1週間前までに)
・騒音・振動対策の説明
・連絡先の明示(苦情対応窓口の設置)
③安全対策に関する表示
解体工事現場では、安全対策の表示も重要です。
・作業員の安全対策(ヘルメット・安全帯の着用義務等)
・解体工事の立ち入り禁止表示
・粉じん・騒音対策の実施状況
④産業廃棄物に関する情報
解体工事では大量の産業廃棄物が発生するため、その適正処理が求められます。そのため、情報を表示する義務があります。
・廃棄物の処理方法
・廃棄物の種類と量
・処分業者の名称・連絡先
解体工事の表示義務違反に対するペナルティ
解体工事の表示義務を怠った場合、以下のようなペナルティが科される可能性があります。
①行政指導・是正勧告
適切な掲示がない場合、自治体から指導が入る場合があります。
②罰則の適用
重大な違反がある場合、建設業法や建設リサイクル法に基づいて罰則が科されることがあります。
③近隣住民とのトラブル
表示が不適切だと、近隣住民とのトラブルの原因となることがあります。
解体工事の表示義務を遵守すべきポイント
解体工事の表示義務を適切に遵守するためにはいくつかポイントがあります。下記でみていきましょう。
①適切な掲示板を設置する
雨風に強い素材で掲示板を作成し、見やすい場所に設置する、必要に応じて大きく目立つデザインにすることで、周囲の人々に注意を促すことができます。そして掲示板は、通行人や作業員が容易に見つけられる場所に設置する必要があります。解体工事現場の入口や主要な通行路沿いに設置することが重要です。
②定期的に内容を更新する
解体工事の進行状況や予定が変更された場合、掲示物の内容もそれに応じて更新する必要があります。古い情報を掲示したままにしておくと、誤解を招き、トラブルの原因になることがあります。定期的に内容を確認し、必要に応じて修正を行うことが大切です。
③近隣住民への説明を怠らない
解体工事着工前に近隣住民へ解体工事の概要を説明することにより、騒音や振動、粉じん等に関する近隣住民からのクレームが発生しないようにする必要があります。具体的には、何時から何時まで解体工事を行うか・解体工事の期間・いつが解体工事のない休日なのかということも伝えることが大切です。解体工事の1週間前くらいまでには近隣住民への挨拶を終わらせることが理想です。
通常は解体工事業者が主導として行います。解体工事の専門的知識を解体工事業者が近隣住民へ説明することにより、説明不足による近隣クレームの回避になります。施主も一緒に挨拶に回ることでトラブルを回避しやすくなります。菓子折りなどを用意して持参することがおすすめです。
また、解体工事終了後も解体工事の騒音や振動、粉じん等による迷惑をかけたことに関するお礼の挨拶をすることも重要です。

最後に
解体工事における表示義務は、解体工事の透明性を確保し、安全対策や近隣住民への配慮を徹底するために不可欠です。表示義務を怠ると、行政指導や罰則の対象となる可能性があるため、適切に対応することが求められます。適正な掲示を行い、解体工事関係者との円滑なコミュニケーションを図ることで、スムーズな解体工事進行が可能となります。解体工事を実施する際は、必ず表示義務を守り、安全でトラブルのない解体工事を目指しましょう。
株式会社エコ・テックの解体工事について
株式会社エコ・テックでは、家屋、建物の事前調査から解体計画の作成だけでなく、解体工事の専門家として様々なアドバイスを行っています。
全国(東京・名古屋・大阪・岡山・福岡等)で、無料相談・無料見積もりを実施しておりますので解体工事に関するご相談がございましたら、お気軽にお問い合わせください
参考URL
・法令検索| e-Govポータル
(https://laws.e-gov.go.jp/)
・特定建設作業の規制について| 大阪府
(https://www.pref.osaka.lg.jp/kotsukankyo/oto/kensetsu.html)

解体工事では、建物を撤去する過程で様々な埋設物が発見されることがあります。これらの埋設物は、解体工事の進行に影響を及ぼすだけでなく、安全管理や法的な対応も求められる場合があります。今回は、解体工事中に発見される埋設物への対応方法についてご紹介します。
解体工事における埋設物について
埋設物とは、土壌や地下に埋められた各種の物質を指します。これらは建物やインフラの一部として配置されており、解体工事中や解体工事後に見つかることがあります。
以下でどのような埋設物の種類があるのかみていきましょう。
建物基礎
これから解体しようとしている建物以前の建物基礎が残っている場合があります。建物基礎は解体工事に伴い取り崩し処分して更地にしなければなりません。
井戸や浄化槽
井戸や浄化槽は、これから解体しようとしている建物以前にそのまま放置されたり埋め戻されたりしている場合があり地中埋設物となっている場合があります。
瓦やコンクリートガラ
瓦やコンクリートガラは最も多く見つかる地中埋設物の一つです。瓦やコンクリートガラは建築廃材と呼ばれます。これから解体しようとしている建物以前に建築廃材を撤去していれば地中から見つかることはないのですが、ずさんな解体工事など地中に埋めてしまっていると、解体工事の際に見つかることがあります。
岩
地中から岩が発見される場合はほとんどが自然発生です。重機などを使って掘り起こしをしていると見つかることがあります。
地中埋設配管・ケーブル類
電気・ガス・水道・通信ケーブルなどが地中に埋設されていることがあります。これらが撤去されずに残っていると、解体工事中に損傷を受ける可能性があり、事故につながる恐れがあります。
産業廃棄物
過去に埋められた建築廃材や生活ゴミ、産業廃棄物が地中から見つかることがあります。特に石綿(アスベスト)を含む廃棄物や有害物質を含む廃棄物が発見された場合は、適切な処理が必要です。
地歴に関わる埋設物(文化財・遺跡)
特に歴史のある地域では、遺跡や文化財が埋まっていることがあります。こうした埋設物が発見された場合、文化庁や自治体に報告し、発掘調査の許可を得る必要があります。
未爆弾・危険物
戦時中の爆弾やガスボンベなどの危険物が埋まっている場合があります。これらが発見された際には、すぐ警察や専門機関に連絡し、適切な対応を取る必要があります。
なぜ埋設物の撤去が必要なの?
埋設物の撤去は、主に安全性の確保、法的遵守、土地の有効活用の観点から重要です。地中に残された埋設物は、解体工事や建築の際の障害となるだけでなく、事故の原因となる可能性があります。例えば、古いガス管や電気ケーブルが破損すると、ガス漏れや感電事故の可能性がありますし、未爆弾や有害廃棄物が埋まっている場合、それらが発見されずに掘削された際に大きな危険を伴います。
また、埋設物の中には、産業廃棄物処理法、文化財保護法、労働安全衛生法などの法律で適切な処理が義務付けられているものがあります。例えば、遺跡が発見された場合は発掘調査が必要となり、不法投棄された廃棄物を撤去しないと罰則を受ける可能性があります。
そして、建物の基礎や埋設物が残ったままでは、解体工事後の新しい建築物の施工が困難になります。土地の価値を最大限に活用するためにも、埋設物を除去し、適切な整地を行うことが必要です。
このような理由から、埋設物の撤去は解体工事の円滑な進行と安全な環境の確保のために欠かせない作業です。
解体工事を行う前に埋設物の有無を確認する事前調査をしよう
解体工事を行う前に、埋設物の有無を確認するための事前調査を行うことが重要です。
調べる方法として、①地歴調査、②非破壊検査、③ボーリング調査の3種類あります。下記でみていきましょう。
①地歴調査
地歴調査とは、地中に埋設された物質や施設の歴史的な文書や図面、記録を収集し、それを基に現地での調査を行うプロセスです。歴史的な地図や建設プラン、建物の設計図などの資料を参照し、地中埋設物の位置や性質を把握します。地歴調査によって、地中埋設物の種類や用途、過去の変更点などが明らかになり、調査の方針や計画を立てる上で重要な情報源になります。3種類の調査方法の中で一番手軽に行うことが出来ます。
②非破壊検査
非破壊検査とは、地中埋設物を損傷せず調査するために使用され、主に地中の状態や位置を確認するプロセスです。非破壊検査の中でも地中レーダー探査が一般的です。地中レーダー探査は、高周波の電磁波を地中に送りこみ、その反射パターンを解析して地中埋設物を検知します。地中レーダー探査は、非常に迅速で地下の異なる密度の物質を区別することが出来ます。実際の現場に行って調査する点から地歴調査と比べてより実践的な調査方法です。地歴調査・非破壊検査の両方を組み合わさることにより地中埋設物を見つける精度が高くなります。
③ボーリング調査
地歴調査、非破壊検査を経て、地中埋設物がある可能性が高い場合に、ボーリング調査が行われます。ボーリング調査では地中に直径の異なる穴(ボーリング)を掘り進め、その穴に挿入された試料を分析することで地下構造を詳細に調査します。土壌汚染を発見するのにも有効です。地中埋設物がある場合、ボーリング調査を通じてこれらの情報を得ることが出来ます。
解体工事中に発見される埋設物への対応方法
解体工事中に埋設物が発見された際には、以下のような手順で対応することが推奨されています。
①埋設物の発見時には作業を停止する
解体工事の安全を確保するため、埋設物が発見された時点で作業を一時停止します。埋設物には、有害物質を含むものやガス・電気などのインフラ設備、さらには未爆弾などの危険物が含まれている可能性があります。無理に作業を続けると、爆発や感電、ガス漏れによる中毒などの重大な事故につながる恐れがあるため、直ちに作業を停止する必要があります。
②発見された埋設物の状況の確認と記録を行う
発見された埋設物の詳細を確認し、記録を行います。埋設物の記録には、以下の項目を含めることが推奨されています。
・発見日時
・発見場所
・埋設物の種類
・埋設物の状態
・周辺環境の確認
③専門機関への報告と相談
埋設物の状況の確認と情報を記録した上で、関係者と共有し適切な対応を協議します。埋設物の種類によっては、専門機関への報告が必要になる場合があります。例えば、電気・ガス・通信ケーブルの場合は、各インフラ事業者へ連絡し対応を依頼する必要があります。また、文化財が発見された場合は、自治体の文化財課へ報告し、発掘調査の指示を受けなければなりません。
④適切な処理・撤去作業の実施
埋設物の記録と報告が完了した後は、適切な処理方法を決定し、安全に埋設物の撤去作業を進めます。産業廃棄物や有害物質を含む埋設物は、法令に基づいた処理方法で適切に処分し、処理証明を取得することが求められます。
⑤解体工事の再開
適切な処理・撤去作業が完了した後、最終的に安全を確認し、解体工事を再開する流れとなります。
埋設物への対応は、適切な記録と報告が不可欠です。これにより、後のトラブルを防ぐだけでなく、法的な問題を回避し、安全な解体工事を実現することができます。

最後に
解体工事中に発見される埋設物は多岐にわたり、その対応には慎重な判断と法令遵守が求められます。事前調査をしっかり行い、万が一埋設物が発見された場合には、速やかに対応をとることが重要です。埋設物の撤去を含め、解体工事をスムーズに進めるためにもコミュニケーションを取りやすく、サポートが万全な業者を見つけることが大事といえます。
株式会社エコ・テックの解体工事について
株式会社エコ・テックでは、家屋、建物の事前調査から解体計画の作成だけでなく、解体工事の専門家として様々なアドバイスを行っています。
全国(東京・名古屋・大阪・岡山・福岡等)で、無料相談・無料見積もりを実施しておりますので解体工事に関するご相談がございましたら、お気軽にお問い合わせください。