戸建解体の費用について

建物の老朽化や改築、相続した家が空き家になっているなど、戸建住宅の解体が必要な場合があります。今回は戸建の構造について述べた後、構造別解体費用の相場について、戸建解体工事の流れについてご紹介していきます。

戸建の構造別寿命は?構造について

日本で普及している戸建の構造は木造住宅です。日本の戸建住宅の90%以上が木造住宅です。その木造住宅の寿命は30年~80年と言われています。また、鉄筋コンクリート造(RC造)の場合40年~90年、鉄骨造(S)の場合30年~60年といわれています。

木造とは、建物の柱、梁、桁、小屋組み、壁など主要な部分を木材で作る構造のことです。

メリットとしてはデザイン性の高さ、鉄筋コンクリート造(RC)や鉄骨造(S)と比べて軽量なため施工性が高いこと、調湿効果があること、デメリットとしてはシロアリ被害や劣化の可能性がある、取り除けない柱や壁がある、施工する職人に仕上がりが左右されることが挙げられます。

鉄筋コンクリート造(RC)とは、型枠と呼ばれる建物の形をした仮設の枠の中に鉄筋を組み、コンクリートを流し込んで固めた構造のことです。

メリットとしては耐久性・耐震性・耐火性・断熱性・防音性が高いこと、デメリットとしてはコンクリートや鉄筋でできた重量が大きいため木造や鉄骨造(S)と比べると大きな空間が作りにくいこと、気密性が高いため結露が発生しやすいことが挙げられます。

鉄骨造(S)とは、柱や梁などに鉄骨を使用した構造で鉄骨の厚さが6mm以上は重量鉄骨造、6mm未満は軽量鉄骨造に分類されます。

メリットとしては建設コストが比較的安価なこと、工期が比較的短くすむこと、デメリットとしては鉄筋コンクリート造(RC造)と比べ遮音性・耐久性・耐震性などが劣ることが挙げられます。

戸建住宅の寿命は各構造別にみても大体築30年ほど。マンションの寿命は法定耐用年数で47年とされており、戸建の寿命の方が早いです。その大きな理由として、日本の住宅市場の特徴が挙げられます。質よりも安価で建てることにより劣化が早い、中古住宅の資産価値が低く評価される日本の中古住宅市場により好まれないこと、戦後建築された住宅は耐久性や耐震性を重視した強度の構造の家が少なかったことなどが挙げられます。

ただし家の寿命はメンテナンス次第で延ばすことが出来ます。長く住みたい場合は定期的なメンテナンス・リフォームが必要となります。

戸建の建替え・解体理由

 戸建はメンテナンスを定期的にすると長く住むことが出来るとお伝えしましたが、老朽化した外壁・水回りなど修繕・補修を行うには膨大な費用がかかります。戸建の場合10年毎にメンテナンスをしていかなければなりません。またリフォームも加わると費用がかさみます。

家族が亡くなって相続した空き家を賃貸にするために建替え、更地にするため解体する場合も多いです。

また地震の多い日本では老朽化した戸建は耐震化対策がされているかも問題視されます。新耐震基準と呼ばれる1981年の建築基準法施行令改正以降の耐震基準を満たしていないと震度6以上の大きな地震に対して崩壊しない保証がないため安全性でも不安が残ります。

このような背景から老朽化した戸建は建替・解体されることが多いです。

建替のメリットは、間取りや設備を最初から設計出来ること、耐震性を向上することが出来る、部分的なリフォームやリノベーションを何度も繰り返すよりも一度建て替えてしまった方が結果的に安く抑えられる可能性があること等で、デメリットとしては建物の基礎部分から取り壊すためリフォームやリノベーションよりも施工期間が長くなること、固定資産税が高くなる可能性があること等が挙げられます。

解体のメリットは、老朽化した戸建が倒壊するのを防ぐ、土地を売却しやすくなる、空き家の管理にかかる費用や手間がなくなる等で、デメリットとしては、税金が高くなること、解体費用が発生する等が挙げられます。

戸建の構造別の解体費用

 戸建を解体する場合、構造の種類別に解体費用は異なってきます。戸建の構造は、大きく分けて木造・鉄筋コンクリート造(RC造)・鉄骨造(S造)3種類に分かれます。

木造の解体費用は坪単価平均30,000円~50,000円です。鉄筋コンクリート造(RC)や鉄骨造(S)よりも安くすみます。木造は壊しやすいため他の構造と比べて解体に手間がかかりません。

鉄筋コンクリート造(RC)の解体費用は鉄骨造(S)より高く坪単価平均は60,000円~80,000円です。解体にかかる振動や音が大きいため解体に時間がかかります。

鉄骨造(S)の解体費用は、鉄筋コンクリート造(RC)より安く坪単価平均は50,000円~70,000円です。解体の時間も鉄筋コンクリート造(RC)と比べて短くなっています。

このようにマンションの構造の種類によって解体費用は異なります。また2階建てと平屋でも費用は変わってきます。平屋の方がコンクリート施工の基礎部分が大きいため解体費用が高額になるといわれています。

他にも解体費用が高くなる場合として、隣接する土地との距離が近い場合・土地の間口や周辺道路が狭く重機を搬入しづらい場合・家財道具を残したまま解体する場合・解体現場の立地が解体業者や産業廃棄物処理施設から遠い場合などが挙げられます。

戸建解体工事の手順

 戸建の解体工事を行うにあたって大まかにステップ8まであります。

①業者への問い合わせ、②解体現場の現地調査、③プランニング・お見積もりのご説明、④建設リサイクル法による届出書申請、⑤ライフラインの撤去、⑥近隣対策、⑦解体工事開始、⑧整地・立ち会い

ステップ①~⑧まで弊社、株式会社エコ・テックでの流れを用いて説明した後各ステップ事に詳細にご説明します。

ステップ① 業者への問い合わせ

マンション解体工事の旨を業者に問い合わせします。弊社にお問い合わせをいただく場合は、お問い合わせフォーム(https://www.eco-j.co.jp/contact)または、電話、メール、ファックスにてお問い合わせください。メール・ファックスの場合は、「お名前・解体建築物の概要・連絡先」などを明記の上、ご連絡ください。解体工事の無料相談も実施しておりますので、お気軽にご相談ください。

ステップ② 解体現場の現地調査

解体業者が決まったら、解体工事の内容や費用を算出するため、建築物の面積や、その他の撤去物などを調査します。養生範囲の確認や、解体後の用途などの確認させていただきます。関西圏内(大阪・京都・兵庫・滋賀・奈良・和歌山)、いつでもご訪問いたします。

ステップ③ プランニング・お見積りのご説明

現地調査後、お見積もりをご提出いたします。土壌汚染対策やアスベスト対策・ダイオキシン対策を要する場合は、解体工事企画に含めてご提案させていただきます。特に土壌汚染対策・アスベスト対策・ダイオキシン対策に関しては、法令で対処方法が厳しく定められていますので、調査の実施方法や行政の届出などに関しても詳しくご説明させて頂きます。

ステップ④ 建設リサイクル法による届出書申請

建築の延床面積が80㎡を超える場合は、建設リサイクル法による事前届出が義務付けられており、各市町村へ届出を行います。

ステップ⑤ ライフライン撤去

ガス、電気、電話、水道などライフラインの引き込み配管、配線の撤去について段取りします。電力会社や水道局、ガス会社への連絡についてもご相談ください。

ステップ⑥ 近隣対策

着工前のご挨拶を行います。工事の概要をご説明し、騒音や振動、粉じんなどに関する近隣クレームが発生しないよう、ご説明にあがります。

ステップ⑦ 解体工事開始

工事看板の設置、足場養生や防音シート対策など、工事現場の安全性確保、騒音・粉じんを避ける対処を行い、解体工事を行います。安全第一の施工ですのでご安心ください。

ステップ⑧ 整地・立ち会い

建築物の基礎を撤去した後、更地化します。工事完了後、現地をご確認いただき、ご納得いただきましたら工事完了となります。

最後に

戸建の解体工事の費用は戸建の構造により異なることを述べてきました。また解体工事そのものの費用に加え重機回送費、廃棄物運搬費、その他役費が加わります。解体時にアスベストが使用されている場合はさらに費用が高くなります。解体の計画を立てる際には、複数の業者からの見積もりを比較し追加費用の可能性にも十分備えることが重要です。

株式会社エコ・テックの解体工事について

株式会社エコ・テックでは、家屋、建物の事前調査から解体計画の作成だけでなく、解体工事の専門家として様々なアドバイスを行っています。

全国(東京・名古屋・大阪・岡山・福岡等)で、無料相談・無料見積もりを実施しておりますので解体工事に関するご相談がございましたら、お気軽にお問い合わせください。

参考URL

耐用年数(建物/建物附属設備) | 国税庁
(
https://www.keisan.nta.go.jp/h30yokuaru/aoiroshinkoku/hitsuyokeihi/genkashokyakuhi/taiyonensutatemono.html)

 

建物の区分所有等に関する法律| e-Gov法令検索

(https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=337AC0000000069)

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土壌汚染対策の工事について

土壌汚染対策法は、土地の汚染を見つけるための調査や、汚染が見つかったときに私たちに悪い影響が生じないようにする法律です。今回はその中でも土壌汚染区域について説明した後、汚染土壌の除去等の工事の措置区分について、措置内容について詳しくご紹介します。

土壌汚染区域の指定(要措置区域・形質変更時要届出区域)

都道府県知事は、土壌汚染状況調査の結果報告を受けた際に報告を受けた土地を、健康被害のおそれの有無に応じて①要措置区域又は②形質変更時要届出区域に指定します。(以下2つまとめて「要措置区域等」とする)

①要措置区域
要措置区域とは、土壌汚染状況調査の結果汚染状態が土壌溶出量基準又は土壌含有量基準に適合せず、土壌汚染の摂取経路がある区域のことです。健康被害が生ずるおそれがあるため、汚染の除去等の措置が必要となります。

②形質変更時要届出区域
形質変更時要届出区域とは、土壌汚染状況調査の結果汚染状態が土壌溶出量基準又は土壌含有量基準に適合せず、土壌汚染の摂取経路がない区域のことです。健康被害が生ずるおそれがないため、汚染の除去等の措置は必要ではありません。

汚染の除去等の措置について

健康被害のおそれのある要措置区域では、都道府県知事等は土地の所有者等に対し、人の健康被害を防止するために必要な限度において講ずべき汚染の除去等の措置(指示措置)等を示して汚染除去等計画の作成及び提出を指示します。

指示措置は、
■地下水等経由の摂取リスクの観点からの土壌汚染がある場合(土壌溶出量基準に適合しない場合)は地下水の水質の測定、封じ込め等です。封じ込めとは、汚染土壌を封じ込めて地下水等による汚染の拡散を防止する措置です。原位置封じ込めや遮水工封じ込め、遮断工封じ込め等があります。

■直接摂取のリスクの観点からの土壌汚染がある場合(土壌含有量基準に適合しない場合)は、盛土等です。

なお、指示措置が土壌汚染の除去とされるのは、土地の用途からみて限定的な場合になります。土地の所有者等は、指示措置のほか、これと同等以上の効果を有すると認められる汚染の除去等の措置のうちから講じようとする措置(実施措置)を選択することが出来ます。

汚染除去等計画に記載された実施措置については、各措置に応じ技術的基準が定められており、これに適合しない場合は、都道府県知事等から計画の変更命令が出されます。

土地の所有者等は、汚染除去等計画に記載された実施措置が完了したときは、都道府県知事等に措置の完了等の報告をしなければなりません。

一方、形質変更時要届出区域では、土壌汚染の摂取経路がなく健康被害の生ずるおそれがないため、汚染除去等の措置を求められることはありません。ただし、土地の形質の変更を行う場合は、都道府県知事等にあらかじめ届出が必要となります。

汚染の除去等工事の措置区分について

汚染の除去等の措置は、基準不適合土壌を掘削して区域外の汚染土壌処理施設で処理する区域外措置と、基準不適合土壌の掘削の有無に関わらず区域内で浄化等の処理や封じ込め等の措置を行う区域内措置に区分されます。基準不適合土壌とは汚染土壌のことです。区域内措置はさらに基準不適合土壌の掘削を行い、汚染土壌処理施設への搬出を行わないオンサイト(on-site)措置、基準不適合土壌の掘削を行わず原位置で汚染の除去等の措置を行う原位置インサイト(in-site)措置に区分されます。

区域外処理

・土壌汚染の除去
・区域外土壌入替え


区域内措置

①オンサイト(on-site)措置(土壌の掘削を伴う)
・遮水工封じ込め、遮断工封じ込め
・不溶化埋め戻し
・土壌汚染の除去(オンサイト浄化)
・区域内土壌入替え
・土壌汚染の除去(区域外処理)のうち、例えば掘削工事等などの区域内で行う工事

②原位置措置(in-site)措置(土壌の掘削を伴わない)
・地下水の水質の測定
・地下水汚染の拡大の防止(揚水施設、浄化壁)
・原位置封じ込め
・原位置不溶化
・土壌汚染の除去(原位置浄化)
・盛土、舗装、立入禁止

土壌汚染対策法に基づく調査及び措置に関するガイドライン(改訂第2版)
(https://www.env.go.jp/water/dojo/gl_ex-me/pdf/08_chpt5-3.pdf)より

区域内措置を実施する際は、これらの区分の特徴をみて基準不適合土壌又は特定有害物質の飛散・流出を防ぐために措置を講じなければなりません。

以下で各方法について一つずつ詳しくみていきましょう。

土壌汚染対策の工事-区域外措置-について

基準不適合土壌を掘削して区域外の汚染土壌処理施設で処理する区域外措置では、「掘削除去」と呼ばれる、汚染土壌を重機で掘削し処理施設へ搬出後かわりに健全土を埋め戻す工事が一般的に行われます。この掘削除去は土壌汚染対策の工事の中で一番使用されている方法です。すべての特定有害物質に対応しており、迅速かつ確実に汚染土壌を除去することが出来ます。

土壌汚染対策の工事-区域内措置オンサイト(on-site)措置-について

区域内措置でも、基準不適合土壌の掘削を行い、汚染土壌処理施設への搬出を行わないオンサイト(on-site)措置では、オンサイト(on-site)で土壌汚染の管理・除去・不溶化等を行います。

遮水工封じ込め、遮断工封じ込め

遮水工封じ込めは掘削した基準不適合土壌を地下水の浸出を防止する構造部の中に封じ込めることにより、特定有害物質が広がることを防止する方法です。また遮断工封じ込めは、掘削した基準不適合土壌を水密性の鉄筋コンクリート構造物の中に封じ込めることにより、特定有害物質が広がることを防止する方法です。

不溶化埋め戻し

掘削した基準不適合土壌に薬剤を添加し特定有害物質が水に溶け出さないようにした後、埋め戻す方法です。

土壌汚染対策の除去(オンサイト浄化)

オンサイト浄化は熱処理、洗浄処理、化学処理、生物処理、湧出処理の5種類があります。

①熱処理
掘削した基準不適合土壌を加熱することにより特定有害物質を抽出又は分解した後埋め戻す方法です。

②洗浄処理
掘削した土壌を機械的に洗浄して特定有害物質を除去した後埋め戻す方法です。

③化学処理
掘削した基準不適合土壌に薬剤を添加し、化学的に特定有害物質を分解した後埋め戻す工法です。

④生物処理
基準不適合土壌を掘削し、微生物により特定有害物質を分解、浄化した後埋め戻す方法です。

⑤抽出処理
基準不適合土壌を掘削し、真空抽出、あるいは添加剤を添加して土壌温度を上昇させることにより特定有害物質を抽出し捕集した後、埋め戻す工法です。

区域内土壌入替え

基準不適合土壌を深部の基準に適合した土壌で入れ換えることで人への曝露を物理的に遮断することを目的とした方法です。

土壌汚染の除去(区域外処理)のうち、例えば掘削工事等などの区域内で行う工事

基準不適合土壌を基準に適合した土壌で被覆することで人への曝露を物理的に遮断することを目的とした方法です。

土壌汚染対策の工事-区域内措置インサイト(in-site)措置-について

区域内措置でも基準不適合土壌の掘削を行わず原位置で汚染の除去等の措置を行う原位置インサイト(in-site)措置では、インサイト(in-site)で土壌汚染の管理・除去・不溶化等を行います。

地下水の水質の測定

地下水汚染が発生していない時に適応できる方法で、特定有害物質が周辺へ拡散していない状態を確認する方法です。

地下水汚染の拡大の防止(揚水施設、浄化壁)

地下水を揚水したり、浄化壁を通過させたりすることで、対象地から汚染地下水の拡大を防止する方法です。

原位置封じ込め

基準不適合土壌をそのままの状態で封じ込めることにより、特定有害物質が広がることを防止する方法です。

原位置不溶化

基準不適合土壌に薬剤を注入、あるいは注入、撹拌することによって特定有害物質が水に溶け出さないようにする方法です。

土壌汚染の除去(原位置浄化)

原位置浄化は、大きく分けて原位置抽出・原位置分解・ファイトレメディエーション・原位置土壌洗浄の4工程に分かれます。

①原位置抽出(土壌ガス吸引・地下水揚水・エアースパージング)
土壌ガス吸引は、吸引装置で土壌中に含まれる特定有害物質を回収する方法です。
地下水揚水は、地下水に溶け込んだ特定有害物質を地下水とともに汲み上げることにより回収する方法です。
エアースパージングは、地下水の中に空気を送り込み、地下水中に含まれる特定有害物質の揮発を促進させ、揮発したガスを回収する方法です。

②原位置分解(化学処理・生物処理)
化学処理は、薬剤を添加し、化学的に特定有害物質を分解する工法です。
生物処理は、微生物により特定有害物質を分解し浄化する方法です。

③ファイトレメディエーション
植物により特定有害物質を吸収し、浄化する方法です。

④原位置土壌洗浄
基準不適合土壌に水や薬剤等を注入して、特定有害物質を溶け出させた後、揚水等によって回収する方法です。

盛土、舗装、立入禁止

盛土・舗装は基準不適合土壌の表面を被覆することで人への曝露を物理的に遮断することを目的とした方法です。
立入禁止は基準不適合土壌のある範囲の周囲に立入を防止する囲いを設け、曝露を物理的に遮断することを目的とした方法です。

最後に

汚染土壌の除去等の工事の措置について紹介してきました。通常、基準不適合土壌の掘削や区域内運搬、又は土壌の掘削に伴う工事作業は区域内措置の一環として行われるため、実施に当たっては、基準不適合土壌又は特定有害物質の飛散等流出を防止するために必要な措置を講じなければなりません。この辺もちゃんと遵守してくれる業者を探すことが大切です。

株式会社エコ・テックの土壌汚染対策工事について

株式会社エコ・テックでは、調査・分析だけでなく対策方法のプランニングや土地の活用方法のご提案まで、土壌汚染の専門家として様々なアドバイスを行っています。土壌汚染にまつわる一連の問題解決に向け、調査から浄化、リサイクルまで、トータルで承ります。全国(東京・名古屋・大阪・岡山・福岡等)で、無料相談・無料見積もりを実施しておりますので土壌汚染に関するご相談がございましたら、お気軽にお問い合わせください。

参考URL
・土壌汚染対策法について(法律、政令、省令、告知、通知)| 環境省
(https://www.env.go.jp/water/dojo/law/kaisei2009.html)

・パンフレット「土壌汚染対策法のしくみ」| 環境省
(https://www.env.go.jp/water/dojo/pamph_law-scheme/index.html)

・パンフレット「区域内措置優良化ガイドブック」| 環境省
(https://www.env.go.jp/water/dojo/gb_me/01.pdf)
(https://www.env.go.jp/water/dojo/gb_me/02.pdf)
(https://www.env.go.jp/water/dojo/gb_me/03.pdf)

・土壌汚染対策法の概要| 東京都環境局
(https://www.kankyo.metro.tokyo.lg.jp/chemical/soil/law/outline.html)

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アスベスト除去作業の危険性について

建築物や工作物について解体・改修するときは、解体等工事の受注者・自主施工者は、着手前にアスベストが使用されているか否かの事前調査を行い、調査結果を発注者へ書面で説明する必要があります。

アスベストは国際がん研究機関によって発がん性物質に分類されており、現在では製造や使用が禁止されています。しかし古い建築物には今もアスベストが使われている可能性があり、2050年頃まではアスベスト廃棄物が継続して排出されると想定されています。

労働安全衛生法等の法令の規制対象となるアスベストは、現在では製造や使用が禁止されています。しかしアスベストが規制される以前に建てられた建物にはアスベストが含まれており、今後そのような建物の解体が必要となります。アスベストを含む建築物等の解体・改修工事を行う場合には、石綿障害予防規則等の法令に基づき、アスベスト含有の有無の事前調査、労働者に対するアスベストばく露防止措置、作業の記録・保存などを行う必要があります。

アスベストの危険性について

アスベストは、非常に細かな繊維でできており、空気中に飛散すると呼吸とともに人間の肺に入り込み、分解されることなく肺に残ってしまう性質を持ちます。そして10~40年という長い期問を経て、肺がん、じん肺、中皮腫という重大な病気を発症させます。

労働安全衛生法等の法令の規制対象となるアスベストは、現在では製造や使用が禁止されています。しかしアスベストが規制される以前に建てられた建物にはアスベストが含まれており、今後そのような建物の解体が必要となります。アスベストを含む建築物等の解体・改修工事を行う場合には、石綿障害予防規則等の法令に基づき、アスベスト含有の有無の事前調査、労働者に対するアスベストばく露防止措置、作業の記録・保存などを行う必要があります。

アスベストのレベルについて

アスベストのレベルは先述した通り、「アスベスト粉じんの飛散のしやすさ(発じん性)」によって分けられています。アスベストのレベルは1から3までの3段階に分けられます。アスベストにおいてはレベル1が最も危険な段階です。通常数値が低い方が危険レベルも低く表記されることが一般的ですが、アスベストにおいてはレベル1が最も危険レベルが高くなっているので、注意が必要です。

アスベストの危険性に関しては以下のようにレベル分けされています。

レベル1:発じん性が非常に高い

最も危険性が高いレベル1は発じん性が高く、取り扱い建材の種類として代表的なのは「石綿含有吹付け材」です。見た目は綿のように白くモコモコしており、解体する際にこの綿のようなアスベストが飛び広がってしまうので大変危険です。

レベル2:発じん性が高い

2番目に危険性が高く、取り扱い建材の種類は石綿含有保温材、耐火被覆材、断熱材などが挙げられます。これらはレベル1程の飛散は見られませんが、密度が低いため軽く一度崩れると一気に飛び広がる可能性があるため、こちらも危険と言えます。

レベル3:発じん性が比較的低い

3つの中では最も危険度が低いレベル3はアスベストを含む  建材を指します。アスベスト含有建材はアスベストが建材の内部に含まれているので、アスベストレベル1や2と比較するとアスベストが飛散する可能性は低いものの、建材の破損などにより内部からアスベストが飛散する恐れがるので注意が必要です。

アスベスト除去作業を行う際の注意点

■看板設置(「事前調査結果」ならびに「解体等作業に関するお知らせ」)

■近隣住民への挨拶

■石綿作業主任者選任

■隔離養生

近隣住民への周知や挨拶

解体工事前の挨拶は、迷惑をかけてしまう近隣住民に対して欠かせない配慮です。解体工事では、業者がどれだけ気を配って工事を進めてくれても、近隣住民にストレスを与えてしまいます。きちんとした挨拶がないまま工事が始まれば、近隣住民の不信感やストレスがより大きくなるため注意が必要です。

アスベストに関する資格

アスベスト処理工事を行う業者に明確な資格制度はありません。ただし事業を行ううえで「石綿作業主任者の選任」、「労働者全員に石綿特別教育を実施 」、「特別管理産業廃棄物管理責任者の設置」などが必要です。

その他にも以下の役割の担当者を選定する必要があります。

■石綿取扱作業従事者

■石綿作業主任者

■特別管理産業廃棄物管理責任者

■アスベスト診断士

■建築物石綿含有建材調査者

■作業環境測定士

それぞれ詳しく見ていきましょう。

石綿取扱作業従事者

石綿取扱作業従事者はアスベストを取り除くための専門の資格です。

石綿取扱作業従事者の特別教育を受けていない場合、作業関係者以外は現場に入ることはできません。

石綿作業主任者

石綿作業主任者は、労働安全衛生法で定められた国家資格です。技能講習を修了した人の中から事業者によって選任されます。石綿作業主任者は、労働者をアスベストの汚染から守るにはどの方法がよいのかを選び、予防装置を点検したり、保護具の使用状況を監視したり、現場での指揮も行います。現場監督のような存在ですが、除去作業もするので労働者でもあります。

隔離・養生

養生とは、周囲の家への騒音やほこりなどの被害を抑える為に行う作業です。

解体工事中は建物内に残っているゴミやホコリ、建材を壊した際の細かな破片やガラス片などが広範囲に飛散します。もし養生を設置していなければ、これらが隣家に飛散し洗濯物を汚してしまう、車を傷つけてしまう、部屋の中をホコリだらけにしてしまう、現場前を通りかかった人が吸い込んで健康被害を招いてしまうといったリスクが考えられます。

基本的には足場を組み、「養生シート」と呼ばれる防音シートで建物を覆います。稀に、工事費を削減するために養生シートを付けずに工事を行う業者がいますが、近隣に大迷惑をかけるので、対策を行いましょう。

保護具について

アスベスト除去作業では、防護服などの特殊な保護衣の着用が義務付けられています。具体的には、厚生労働省が定めた石綿障害予防規則において、「日本工業規格 JIS T 8115 の浮遊固体粉じん防護用密閉服(タイプ5)同等品以上のもの」を使用すべきとしています。

アスベストは目に見えないほどの細かい繊維であり、吸い込むと甚大な健康被害を及ぼす危険性があります。そのため、除去作業を行う作業者には、アスベストを吸い込まない、衣服に侵入しないようにするための密閉性の高い防護服が必須なのです。

アスベスト対策用防護服の特徴

アスベストには6つの種類あり、1番小さなものでは直径0.02~0.08マイクロメートルです。どれも目に見えないほどの細かい繊維で、保温・断熱材や摩擦材などさまざまな工業製品に使用されています。

小さなアスベストの粒子を侵入させないために、防護服の表面の繊維は幾重にも重ねてあることが多く、密閉性も高いのが特徴です。化学防護服は、タイプ1~6までの6種類に分けられていますが、アスベスト除去の際にはタイプ5の防護服が適しています。

タイプ5の防護服の特徴としては、服(完成品)として微粒子エアロゾル漏れ率試験に合格しているので、アスベスト繊維が防護服内に入りにくいことが挙げられます。

作業レベルに合った防護服を選ぶ

アスベストの除去作業には、アスベストの飛散の危険性によって作業レベルが1~3に分けられていることを解説しました。アスベストの除去作業を行うには、作業レベルに合った防護服を選ぶ必要があります。

アスベスト解体工事は専門的な知識と技術が必要です

アスベストは人体に有害であり、取扱いには十分な注意が必要です。アスベスト解体工事を請け負う業者は「アスベストの有害性」「粉じんの発散防止」「保護具の使用方法」など必要な講習を受ける義務があります。解体業者に工事を依頼する際は、アスベスト除去工事の経験と実績が豊富な業者を選ぶことが大切です。

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アスベスト調査の採取方法について

大気汚染防止法および石綿障害予防規則の改正により、令和4年4月1日以降、個人宅を含む一定規模以上の解体・改造・補修工事について、アスベストの有無に関わらず石綿(アスベスト)の事前調査結果の報告が義務化されます。さらに令和5年(2023年)10月からは有識者によるアスベストの事前調査・分析が義務化されることが決まっています。この記事ではアスベスト調査の採取方法について説明していきます。

アスベストとは

石綿(アスベスト)は安価で、耐火性、断熱性、防音性、絶縁性耐、薬品性、耐腐食性、耐摩耗性など多くの機能において優れていたため、耐火、断熱、防音等の目的で使用されてきました。しかし、アスベストに関する健康への被害が判明し、1975年に5重量%を超えるアスベストの吹き付けが原則禁止とされました。

アスベストの危険性

アスベストは肉眼では見ることができない程繊維が細かいため、飛散しやすく人が吸い込んだ際に人体に影響を及ぼすことが判明しています。またその健康被害はアスベストを吸い込んでから長い月日をかけて現れると言われており、その潜伏期間は平均40年ということがわかっています。また、WHOの報告により、アスベストの繊維は、肺線維症(じん肺)、悪性中皮腫の原因になることがわかっており、肺がんを起こす可能性があることが知られています。

アスベスト調査とは?

解体予定の建物にアスベストが含まれているかどうかの調査を意味します。アスベストが含まれた建物をそのまま解体してしまうと、作業者や近隣住民に重大な健康被害をもたらす可能性があるため、解体前にしっかりとアスベストの有無を調査した上でアスベストが含まれていた場合は慎重に除去作業を行う必要があります。

アスベスト調査の流れ

書面調査

現地調査

検体採取

分析

事前調査報告

⒈書面調査

書面調査では、使用されている建築材料に石綿が使用されているか否か、石綿(アスベスト)含有建材データベース等を使用した調査を行います。

図面などの書面や聞き取りから情報をできる限り入手し、それらの情報からできる限り多く、石綿の使用の有無に関係する情報を読み取ります。

⒉現地調査

石綿の使用状況を網羅的に把握するため、現地で目視調査を行います。

⒊検体採取

分析を行うこととなった建材の試料採取については、目的とする分析対象を採取できるよう同一材料と判断される建築材料ごとに、代表試料を選定し、採取しなければなりません。一般に分析は、分析対象の代表性と変動性(均一性)を考慮したものとすべきであり、建材の石綿分析においては、具体的には、現地での目視調査において同一と考えられる範囲を適切に判断し、試料採取において建材にムラがあることを考慮しなければなりません。

⒋分析

大防法及び石綿則において、石綿含有ありとみなす場合を除き、石綿含有の有無が不明な場合は分析を行うことが義務づけられています。分析方法は、日本工業規格(JIS)A 1481 規格群をベースとし、その実施に当たっては、厚生労働省の「石綿則に基づく事前調査のアスベスト分析マニュアル」の記載内容を優先する必要がある点に留意する必要があります。これに基づく石綿分析の流れとしては、まず、建材中の石綿の含有の有無を調べるための定性分析を行います。定性分析で石綿が含有していると判定された場合は、含有率を調査するための定量分析を行い、建材中の石綿の含有率(0.1%以下か否か)を確定させます。ただし、定性分析で石綿ありと判定された場合において、定量分析を行わずに、石綿が 0.1%を超えているとして扱うことも可能です。

サンプル採取作業について

サンプル作業に準備するもの

・保護具
防じん服、防じんマスク、手袋、保護メガネ等

・採取道具
チャック付きビニール袋(二重梱包)
養生材、スクレーパー、カッター、ハンマー、飛散防止材、HEPAフィルター付き掃除機

試料採取では、アスベスト含有の可能性があるので、保護具を着用し、対象試料を湿潤化してから試料採取を行う必要があります。また、サンプル採取の際は保護具の着装と採取場所の養生を行います。採取作業時に床に落ちたり、飛散したりする可能性があり、通行人や周囲の第三者が吸引してしまう恐れがあります。必ず養生は行いましょう。また、採取場所に第三者が近づいたり通行する場合、近づかないように周知や立ち入り禁止区画をしましょう。

採取作業

吹付け材等は、およそ直径3cmの球体(10cm3)程度を3ケ所から採取する。

板材等は10cm四方(100cm3)程度を3か所から採取する。

採取した試料はそれぞれチャック付き袋などに入れ、更に3ケ所分をまとめて袋に入れる。

採取場所の養生が完了したら、実際にサンプル採取作業を行います。サンプル採取は建材ごとに異なり、主な建材は以下の4つに分かれます。

・吹付材

・形成板

・保温材・断熱材・耐火被覆材

・仕上げ塗料材

それぞれの建材によって、採取方法や使用する道具が異なります。

吹付材
1つ目の建材は、吹付材です。吹付材は、主に天井や壁に使用されている場合が多いです。採取方法としては、採取箇所に水を使って飛散防止措置を行います。このとき、スプレー用の容器に入れて吹くと、効率よく飛散防止ができます。

採取箇所が湿ったら、約10㎤程度をスクレーパーで採取します。約3箇所分の採取ができたら、最後に採取部分に飛散防止材を吹き付けて完了です。

 

形成板
2つ目の建材は、形成板です。形成板は、主に床や壁、天井に使用されている場合が多いです。採取方法は、採取箇所に水を使用して飛散防止を行います。採取箇所が湿ったら、約100㎤程度をカッターで採取します。約3箇所分の採取ができたら、補修用のプレートで採取箇所の穴を塞ぐと完了です。

 

保温材・断熱材・耐火被覆材
3つ目の建材は、保温材・断熱材・耐火被覆材です。主に、天井裏の建材として使用されている場合が多いです。採取方法は、基本的に吹付材と同様の採取方法となっており、カッターやスクレーパーで採取していきます。

 

仕上げ塗料材
4つ目の建材は、仕上げ塗装材です。仕上げ塗装材は、主に内壁や外壁などに使用されている場合が多いです。採取方法は、採取箇所をビニール袋や養生材で手元を簡易養生します。養生ができたら、約10㎠程度をハンマーとスクレーパーを使って採取します。

このとき、ハンマーで削っていくと、サンプルの破片が飛んでくる恐れがあるため、目に入らないようにゴーグルを確実にしておきましょう。採取ができたら、飛散防止材や変性シリコンなどで補修すれば完了です。

アスベスト事前調査の報告内容

事前調査結果は、都道府県・労働基準監督署へ提出・報告が必要です。

具体的には一部抜粋になりますが以下のような内容になります。

工事概要、建築物等の概要、調査概要、建材ごとの調査結果と石綿「有」「みなし」の場合の作業時の措置など、細かく記載し報告しなければなりません。事前に報告内容も確認するようにしましょう。

【 報告内容(一部抜粋)】

・書面による調査・及び目視を行った者

・分析に夜調査を行った箇所

・分析による調査を行った者の氏名及び所属する機関又は法人の名称

・建築材料の種類

 ┗事前の調査の結果(石綿有・みなし・石綿無)

 ┗特定建材に該当しない場合の判断

  (①目視 ②設計図面 ③分析 ④建設材料製造者による照明 ⑤建築材料の製造年月日)

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